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司祭

旧友アネットの誘いで市場へ向かった一行。賑わう市場の一角では見慣れぬ僧服の男性が行き交う人々に向かって弁舌をふるっていた。

僧服の男「我と我が友に押し寄せる邪悪なる者共!だが我が神の力を持ってすれば恐るに足らぬ。我が聖なる祈祷を行うや彼奴等はたちまち退散し...。」

通り過ぎようと思ったその時、衝撃的な言葉が耳に飛び込んで来た。

僧服の男「かくて我等は我が友が目指す『叡智の守護龍』の下へ至る道を開いたのじゃ!」

セニア「『叡智の守護龍』!!」

セニア「司祭様!今の話、『叡智の守護龍』っておっしゃっていましたわね?」

僧服の男「さよう。確かに言った。我が友ともに苦難を乗り越え社へたどり着いたのじゃ。」

セニア「司祭様のおっしゃる友というのは、ひょっとして、初老の魔術師では?」

僧服の男「何故知っておる!娘御よそなた何者か?」

セニア「娘です!父とお会いになったのですね!父は今どこに?」

僧服の男「『叡智の守護龍』とともにある。かの龍の伝える古の理を学ぶためにな。いや、しかし、其方が彼の娘とは...。」

セニア「その場所を教えて下さい。私は父に会わねばなりません!」

僧服の男「教えたところでたどり着けまいよ。あまりに険しく苦しい道のりだ。我等は幸運に恵まれたに過ぎん。それが証拠に帰り道で生き残れたのは儂一人だけじゃ。そもそも儂がこの街に来たのも、其方の父を知る者に『決して彼を探すな』と伝えるためじゃった...。」

セニア「それでも行かねばなりません!」

僧服の男「さて困った...。どうしても気は変わらぬか...。」

セニア「変わりません!!」

僧服の男「やむをえまい...、儂が案内しよう。一度は辿った道ゆえ、其方等だけで行かせるより多少は良かろう。」

セニア「連れて行ってくださるのですね!ありがとうございます司祭様。私はセニア。魔術師アルベールの娘です。」

僧服の男「うむ。儂は司祭ヨハン。もう一度言うが、無事たどり着ける保証は無いぞ。たとえ我が神の最高の加護があったとしてもじゃ。」

こうして司祭ヨハンを仲間に加え、一度は諦めかけたセニアの旅に再び光明がさした。さらにはアネットも同行すると言い出し、旅の仲間は一気に倍の4人になった。

無論、本当の困難はこれからだ。果たして彼女は父のもとにたどり着けるのか?

#メタルストーリー

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