ミニチュアストーリーテリング覚書④
さて、前回までに、僕がキャラクターを作り、物語を描くところまでを紹介してきたのだけれど、もう少し詳しく紹介したいものがある。というわけで今回は情景モデルと小物の話
情景モデル
物語の舞台を描くのに使う模型で、地面や壁、樹木や建物だったりする。これがあるとキャラクターが今どんな場所にいるかを簡単に表現出来る。
小物
文字通り演出のための小さな模型だ。宝箱だったり、イスだったりテーブルだったり。
情景モデルに含めても良かったのだけれど、あえて分けた。小物はストーリーテリングで大活躍する。木や建物と同じように場所を表す事も出来るし、ストーリーを動かす事も出来る。
例として1枚写真を見てもらおう
キャラクターが何処にいるかわかるだろうか?石畳や壁の他に、食事の並べられたテーブル、カウンターとその上に置かれた酒のボトルといった小物で酒場の光景を演出している。ここでは小物も雰囲気を演出するために置かれているだけだ。
次の例だ
石壁と石畳といったおなじみの情景モデルに小物の宝物で宝物庫を演出している。
さっきの酒場と変わらない?
ではこうしたらどうだろう?
これから2枚連続で写真を見せる。
1枚目はさっきと同じ宝物庫の写真だが、2枚目で小物の宝箱の一つだけをクローズアップしてみたものだ。
連続してみると、宝物庫にいるキャラクターが、特にこの宝箱に注目している様に感じられないだろうか?
小物のこういう使い方をすると物語を描くのが楽になる。この例以外にも情景モデルと小物の組み合わせ、見せ方で様々な場面を演出する事が出来るので、実際にミニチュアストーリーテリングをする際は色々試してみてほしい。
さて、ここまで4回にわたって、ミニチュアストーリーテリングについて紹介して来た。これを読んでくれた人にはミニチュアで物語を作るという事の大まかなイメージはつかんでもらえたのではないかと思う。
その上で、最後にもう一度ことわっておく。
今まで説明して来た事は、あくまでも僕がこんな風にしているという例に過ぎない。
これはとても大事な事だ。僕は「物語をこう描きなさい」という気は無い。是非、自由なやり方でミニチュアと向き合い、想像力が生み出す物語を楽しんで欲しい。
そして、もしも気が向いたら、それを発表してみて欲しい。
あなたが紡ぐ物語を僕は見たいし、きっと他にも見たい人がいる。
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