知恵と勇気
迷宮を進むハーフリング一行。
冒険は順調で、あと少しで宝物庫というところだったが...。
立ち塞がるは巨大な鋼の獣!行く手を阻み、悠然と立つその姿はさながら生きた要塞の様であった。
ダン「デカい牛だなぁ...。トムん家の牛の倍はありそうだ!」
メグ「呑気な事言わないで!どう見たって牛じゃ無いわ!!」
巨獣が突進の機会をうかがって低く身構える。その鋼鉄の巨体の一撃を浴びればただでは済むまい。
パティ「そうだ...。みんな、壁際に集まって!!」
一同「??」
一同は、パティの指示で迷宮の壁に背をつける様に集まった。
パティ「来るわよ!ギリギリまで引きつけて避けて!!」
勢いよく突進してきた獣をギリギリでかわす一
行。巨獣は進路を変える間も無く、そのまま迷宮の壁に突っ込んだ。
勢いあまって鋭いツノが壁に深く突き刺さり、動きがままならない鋼の獣を後に、一行は先を急ぐ。
バート「なぁパティ、避け損なったらどうする気だったんだ?」
パティ「その時は私達が挽肉になっただけよ...。」
バート「おい!自信があったんじゃねぇのかよ...。」
パティ「仕方ないでしょ。あんなのとまともに戦えないし、咄嗟の思いつきでもやるしかなかったのよ。でも、上手く言ったでしょ?」
冒険は常に危険に満ちている。一筋縄ではいかない難敵に立ち向かうには咄嗟の機転と、それを実行する勇気も必要なのだ。
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