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短歌:魔法の呪文で

ダンジョンを進むがごとく慎重に 雪山溶かすメラ唱えたい/銀猫
だんじょんをすすむがごとくしんちょうに ゆきやまとかすめらとなえたい

 まとまった雪が降り、道路脇には除雪された雪が積み重ねられています。積雪地域では、「雪山」と呼びます。スキー場のことではありません。
 自治体は、除雪は割とすぐにしてくれますが、排雪はそう頻繁には行われません。排雪されるまで、市民はこの雪山と共存する訳です。

 当たり前ですが、降る雪が多いと雪山も大きくなり、道路幅を圧迫します。すると、一車線の道路は0.8車線ほどになり、車のすれ違いができなくなるのです。

 ここからが雪国の醍醐味です。わたしはそう思っています。
 道路には、ところどころに車を退避させられる空間があるので、退避場所と対向車の距離とを測りながら、対向車のドライバーと(なぜか)意思疎通しつつ、退避場所に入って待ったり、先に直進したり、と駆け引きめいたことをしながら、前に進みます。

 ですが、この間合いをうまく意思疎通できないお相手ドライバーもいるので、雪が積もると車の運転は慎重になります。

 そんなときの気分は、ドラクエなのです。
 視界を遮る邪魔な雪山め! と思うのですが、果たしてメラで溶かせるものなのか…

 なお、この歌は超即詠です。ご容赦を。

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北乃銀猫
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