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座ろうとしたとき、おしりの着地点にハムスターが駆け込んできたらどうするんだ
えー、古来よりこわいものといえば核戦争、まんじゅう、そしてハムスターと相場が決まってございますね。今日はハムスターの話をします。核戦争の話もそのうちしようと思います。
とは言っても、べつにぼくはハムスターそのものが怖いというわけではあない。むしろハチャメチャにかわいいと思っている。じゃあ何が怖いかというと、彼らの脆弱さがこわいのだ。
ハムスターを飼っている人の家に招待されたとしよう。そこには誤って殺ハムスターを犯してしまう危険が満ち満ちている。アクシデントとはいえ殺ハムスターの罪は重い。法定刑は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金である。故意の殺ハムスターは死刑又は無期若しくは5年以上の懲役になる。
さて考えてみよう。「お邪魔します」と靴を脱いで家の中に踏み入れようとしたその足の着地点に、ハムスターがトトトトと駆け込んで来たらどうなるか。DEATHである。いや〜アンティークのいい椅子だねえと腰掛けようとした、そのおしりの着地点にスタタタとハムちゃんが駆け込んできたらどうなるのか? もちろんDEATHである。
この話を人にすると、だいたい「なんでハムスターが放し飼いなんだよ」とか冷静な返事がかえってくるが、いまぼくは現実的な危険の話をしているのではない。か弱い生き物に対して感じる不安の話をしているのだ。
犬や猫に対してこの種の不安を感じることはあまりない。彼らは比較的強いし、判断力もしっかりしていそうだからだ。ただ、骨格がギリギリの小型犬については不安がある。ハムスターと同様、うっかりするとうっかりしてしまいそうだ。
ぼくは、犬を品種改良することそのものについては、やめたほうがいいとか人間のエゴだとか、そういうことはあまり思わない。それは単にホモサピエンスが勝利した結果だと思う。しかし、可愛さを追求するあまり眼球突出の危険が大きいチワワとか、そういうのはやめてほしい。「かわいさ」と「眼球突出」、いちばん遠いところにあるぞ。語彙の対蹠地。
ハムスターの放し飼いはやめてほしいという話でした。逆にぼくが放し飼いにしてみたい生き物としては、「大きめの蛇」があります。家に帰ったら廊下でシューッとしていてほしい。
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