生成AIは「第二の認知革命」なのか?
中小企業診断士のシルバーです。
今回は、今話題の生成系AIは認知革命なのか? というテーマでお話します。
ChatGPTの登場から約1年半、生成系AIの進化は凄まじく、まさにAI旋風が吹き荒れています。
私も日々AIに触れ、その可能性にワクワクしながらも、「これは人類にとって、どんな意味を持つんだろう?」 と考えています。
そこで今回は、AIの進化を、人類史という壮大なスケールで捉え直してみたいと思います。
人類史における大きな転換点
約46億年前、地球が誕生しました。生まれたばかりの地球は、ただの岩の塊。そこに雨が降り注ぎ、水が生じ、そして約40億年前、奇跡的に生物が誕生します。
さらに長い年月を経て、生物は海から地上へ進出。植物が繁栄し、多様な生物が生まれ、現在の地球環境が形成されました。
そして、私たち人類も約700万年前に登場。他の生物とは異なる進化を遂げ、現在に至ります。
この人類史において、特に重要な転換点があります。それは、約5万年前に起きた「言語の獲得」 です。
言語を手に入れたことで、人類は飛躍的に進化しました。
フィクションを創造できるようになり、共通の目標や価値観を共有できるようになった
情報伝達の精度と速度が向上し、より複雑な社会を築けるようになった
思考を整理し、創造性を発揮することで、様々な発明を生み出すことができた
そして、言語の獲得によって、人類は 「認知革命」 を起こしたと言われています。
AI研究における「ディープラーニングの登場」
AIの歴史は70年以上ありますが、2012年にディープラーニングが本格的に登場したことで、AIは劇的に進化しました。
AI研究の第一人者である東大の松尾先生は、ディープラーニングの登場を生物における「目の誕生」 に例えています。
それ以前のコンピュータは、テキストベースのデータしか理解できませんでしたが、ディープラーニングによって、画像などの視覚情報を理解 できるようになった。
これは、生物が触覚のみで世界を認識していた時代から、目を持つことで視覚情報を得られるようになったことと同じくらい大きな変化である。
生成AIは「言葉の獲得」に匹敵する?
そして今、生成系AIの登場 という、新たな転換点を迎えています。
松尾先生は、生成系AIは「言語の獲得」に匹敵するインパクトを持つ とも述べています。
今までのAIは、人間がプログラムした通りにしか動作できませんでしたが、生成系AIは自ら学習し、新たな情報を生み出す ことができる。
これは、人類が言語を獲得し、フィクションを創造できるようになったことと同じように、AIが 新たな「知能」を手に入れた ことを意味する。
つまり、生成系AIは、AIにおける「認知革命」 をもたらす可能性を秘めていると言えるでしょう。
シンギュラリティは近い?
一部の専門家は、AIが人間の知能を超える シンギュラリティ が2045年頃に到来する と予測していました。しかし、生成系AIの登場により、その時期は10年以上ほど早まるとも言われています。
シンギュラリティやハルシネーションといったリスクも懸念されていますが、AIの進化を止めることはもはや不可能 です。
私たちにできることは、AIを正しく理解し、ルールを整備しながら、その恩恵を最大限に享受することです。
AIを使いこなす人が、未来を制する
生成系AIは、今後5年から10年のうちに、私たちが想像できないほどの進化を遂げると予想されています。
AIが私たちの仕事を奪うのではなく、 AIを使いこなす人が、AIを使いこなせない人から仕事を奪う時代 になるでしょう。ですから、 AIを使いこなすことが、これからの時代を生き抜くために不可欠 になります。
まさに、 人類の歴史における「第二の認知革命」 を迎えている今、私たちは積極的にAIを活用し、その進化を共に体験していくべきなのです。
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