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『幼☆妖★体験記』

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不思議をテーマにした、怖くない話。 不思議で不明瞭、不確かだが、なんだか気になる。そんな出来事を体験したことが無い人はいません。 幼い頃に見たモノ、聞いた事、体験した事、きっとあ…
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#不思議

『幼☆妖★体験記』   第一話          闇の奥……【2,107文字】

『幼☆妖★体験記』   第一話         闇の奥……【2,107文字】

 私の田舎。それは母側の実家の印象が強かった。

 父側は比較的、都市化された場所にあり海沿いで磯の香りが印象的だ。場所も近く、田舎という印象はあまり無い。

 母側の実家は京都の亀岡市にある、山々に囲まれた一画にあり家自体も典型的な田舎の作りだった。

 トイレは「ぼっとん便所」汲み取り式で、玄関は大きく古民家によく見られる土間。一段目にある座敷へと上がる長式台の一枚板が逆L字に迎え入れられ、真

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『幼☆妖★体験記』   第二話         山の友達【2,062文字】

『幼☆妖★体験記』   第二話         山の友達【2,062文字】

 最近、思い出したことがある。

 母の田舎は京都の亀岡市というずっと山奥にある古屋で、よく夏休みに遊びに行きました。その家の裏には程よい山があり、その所有は母の長男である叔父さんが持っている山でした。幼い私はカブトムシを取りに行ったり、叔父が趣味で植えた程度の山菜や何か謎の果物を取ったりして貰った記憶が薄っすらとあります。

 現代の様にスマホやゲームなんてのはなかった時代なので、一週間も住めば

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『幼☆妖★体験記』   第四話        うんこ公園【864文字】

『幼☆妖★体験記』   第四話        うんこ公園【864文字】

 正式名称は今でも分かりません。私たちはずっとそこを「うんこ公園」と呼んでました。

 今を思えば、その土地の管理者が何もしなかったんだと思います。草も茫々で、テニスコート程度の広さの公園の奥にブランコがたったの一組だけ。

 犬の散歩か何かを近くに住む誰かがやっていて、その処理をすることもなくペットのトイレのように利用していたんだと思う。なので、そこら中に犬の糞だらけで誰もそこで遊んだりはしませ

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