ちっちゃいおじさんの話
目撃譚も多いちっちゃいおじさんですが、私は一度だけです。
弟が小学校に上がるか上がらないかといった頃なので、私は10歳か11歳くらいでした。半袖だったので、冬とか寒い時期ではありませんでした。時刻も忘れてしまいましたが覚えてる映像から、おそらく夜ではないと思います。
場所はこのnoteでおなじみ私が生まれて育ったお屋敷の南の間・・・と思っていたのですが、当時テレビを置いてあった部屋がもしかしたら北の間だった可能性もありその辺りが定かではありません。
テレビは点いておらず、私と弟は別の遊びをしていました。
「お姉ちゃん、、」弟が呟いたので顔をあげると、その視線の先はテレビでした。テレビを置いてある台の上、テレビの向かって左側でゆっくり体操のような動きをしているモノがいました。
私たち姉弟が座っている位置からテレビまでは1.5メートルくらいだろうか。それはおじさんで、白髪混じりのごま塩頭で七三分けのような髪型で、中肉中背っぽいバランスの体型で、15センチくらいだろうか、今の私の手のひらと指先までの長さくらいの身長、薄いブルーグレーというか緑っぽいような色のよくある作業着を見ていて胸に何か文字(よく会社のロゴなどが書いてあるような)が書いてあった。(多分)見た目は50代か60歳くらいに見えた。
驚いたというよりも唖然としたというか、(あれ?)と、凝視しているとそのおじさんは体操をやめてこっちをみた、こっちをみたというか元々その人?はこちらの正面を向いて体操していたので私たちのほうを向いてはいたのだが、要するにこちらに気付いて目があった。するとおじさんもびっくりした顔をしてサッとテレビの後ろに隠れたので、
「ユージ!!」「お姉ちゃん!」とお互いの声を合図に弟とすぐに立ち上がりテレビの後ろを確認したのだが、いなかった。
それからしばらくテレビを動かしてみたり、点けてみたり、テレビの後ろは隣の部屋との区切りの襖※なのでその襖を開けてみたりしたのだがいなかった。
メガネはかけていなかった。
よくある話でスミマセン。
※北の間と南の間を隔てる襖です。