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その他登録の名ばかり社労士が最近覚えたこと【年金繰り下げの注意点】

現在、老齢年金の支給開始は65歳ですね。
経済的に余裕があるなどで、開始年齢からは受給せず年金の繰り下げを考える人もいると思います。
最大で84%の増額となると、老年期の健康に自信があれば魅力的だし。

でも繰り下げする際には注意が必要。
先日ほかの社労士さんから聞いた事例にこんなのがありました。

お一人暮らしの男性で、経済的に余裕があり年金を受給せずにいました。
で、72歳になって健康に不安を覚え、繰り下げでそこそこ増えているしもうもらい始めたほうがいいだろうと年金を請求。
ところが、受け取れる年金は意外な額でした。

増額なし。本来の額のまま。

え?

実は、65歳の時点で遺族年金の受給権が発生していました。遺族年金や障害年金の受給権が発生したときは、それ以降の繰り下げができない(例外はあり)ため、そもそも繰り下げ不可能な状態だったんです。

そして、年金の時効は5年のため、本来の額の年金をさかのぼって受け取ることができるのは、請求時の5年前、67歳からの分だけ。65歳からの2年分は消滅してしまっていました。

この男性が65歳の時点で行えばよかったのは、他の年金の受給権の有無の確認。そしてこの事例なら、原則通りの年齢で年金を請求して受給を開始することでした。

そうかー。
年金相談を受けることがあったら、気をつける。
身近な方のご不幸がなかったかとか、ご本人の体調はどうかとか、丁寧なヒアリングが必要なんだなー。

とにもかくにも、受給できるはずのものを溶かしてしまうようなことにならないように。

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