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”評価”とは一体なんなのか(後編その2)
プロ雑用です。
今日も評価についての考察です!
前回のまとめ
前回、後編その1では以下のようなことを書きました。
みんな評価が嫌いなのは「評価と報酬がセットになっているから」
給与は労働の対価報酬だけど、そもそも労働って評価できなくね?
時間でも技能でも比較って本質的にできなくね?
評価って相対評価と絶対評価があるけど、結局比較じゃん
比較する以上、人間の認知の影響おおきすぎんじゃね?
ということで、今回は評価における人間の認知の影響から。
参考書籍
先に考察に参考とさせていただいた書籍を先にご紹介しておきます。客観的事実や引用は、以下の書籍からさせていただいておりますので、これらの書籍を既読の方は、いまさらな内容となっております😂
ファスト&スロー上巻、同書下巻 ダニエル カーネマン (著)
すべては「好き嫌い」から始まる 楠木 建 (著)
予想どおり不合理 ダン アリエリー (著)
なぜ疑似科学が社会を動かすのか 石川 幹人 (著)
悪いヤツほど出世する ジェフリー・フェファー (著)
ヒトという不合理な存在
「人間は考える葦である」
と、フランスの哲学者・科学者であるパスカルは述べました。この言葉の意味は、人間というのは弱い面もたくさんあるが、”考える”ことができるから偉大であるということです。
ですが、最近の研究では、人間は考えることよりも”反射”、外部からの刺激に対して”反応”していることのほうがずっと多い、ということがわかってきています。
合理的な経済人幻想
経済学は、人は理性的・合理的で市場原理に沿って行動する、ということを基本として理論が構築されています。(合理的な経済人・エコン)
これは、そのようにモデルを単純化しないと複雑な経済を論じることができない、ということでもありました。
実際の人の行動は、より複雑で、その基本的な考えから乖離している部分が多くあるためです。そのため、経済学は実態にそぐわないと、しばしば指摘されてきました。
ふつうの経済学では、わたしたちはみんな合理的なため、日々の生活で直面するすべての選択肢について価値を計算し、最善の行動をとっていると予想する。もし間違いを犯してなにか不合理なことをしてしまったら?
そんなときも、ふつうの経済学は答えを用意している。”市場原理の力”が降りかかり、わたしたちをただちに正しい合理的な道に押しもどすのだ。
これに対して、様々な実験により人間の心理的な傾向を分析、把握し、それを理論的に体系化したのが、行動経済学です。この新しい経済学では経済学に、認知心理学などを加わえることで、より人間のリアルな行動を元に、経済というものを考えようというものです。
人は自分たちが思うほど「考えていない」
行動経済学が示すのは「人間ってぜんぜん合理的じゃないわ、むしろ理不尽そのものだわ」ということ。人は、自分で思うほど「考えてない」ということがわかってきています。
もちろん、科学・学問というのは、新たな事実が判明すればひっくり返るのが当たり前ですから、行動経済学も例外なく、永遠不変の万能理論ではありません。
ですが、行動経済学は、認知科学などの実証実験によってたしかめられた事実を元にしていますから、旧来の経済学よりも参考になります。
今ではビジネス書籍でもしばしば人間の不合理さが指摘されています。認知のゆがみ・認知バイアスについては参考になる書籍はありますし、バイアス辞典などもあります。
評価に重大な影響がある3つの事実
わたしは、参考書籍を含めた様々な書籍にヒントを得て、実体験とともに組織における評価というものを約3年ほど、じっくりと考察してきました。さまざまなバイアスから逃れられない人間の認知のゆがみを学んだ中から、人が人を評価するとき、特に重大な影響があると思われる事実を、3つにまとめました。それが、以下の3点です。
1.脳は、最初に”好き嫌い”で判断している。
2.脳は、連想して”好き嫌い”を強化する。
3.脳は、好き嫌いを、良し悪しに変える。
この3つは、普段何気なく行っている人間の基本的な特性・認知バイアスです。そしてこれらは自動的に行われるため、人々は自分のバイアスにほとんど気づいていません。これが評価というものを理想から遠ざけていると、考察しました。
この3つのポイントを次回から一つずつ解説していきます。
その後、人間がなんのために評価するのかを論じます。
さらに、そもそも報酬を決定する要素についての大きな勘違いを考察。
最後に、評価と報酬が結びついている本質的な理由を考察します。
前回の結びに後5回ぐらい…と書きましたが、倍くらいになりそうです笑
しばらくお付き合いください。
ということで、この続きはまた次回。
それじゃ、また👋