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WHYの使い方の考察・その2

プロ雑用です!
前回からの続きを受けて、じゃぁ正しくWHYを使うには?を考えてみたいと思います。


WHYは劇薬。
用量、用法を守って正しく使いましょう。

前回、責任の話を書きました。特に業務を指示する側の責任について述べましたが、WHYの使い方を間違えると、指示された側に責任を押しつけていることになるので関係性が大変に不健全になります。

では、正しいWHYの使い方とはどういうものか。
ポイントは二つあります。

  1. WHYを使うタイミングを間違えない

  2. WHYを向ける対象を間違えない

「WHY」には適切なタイミングがある

WHYが人を責めるために使われてしまうのは、そもそも使うタイミングが間違っているということがまずあります。

「なぜそんなことをやったんだ!」
「どうしてこんな事になったんだ!」
というような質問(詰問)をなぜ発してしまうのかといえば、それは問題が発覚して、すぐのタイミングでWHYを使ってしまうためです。

ミスやトラブルが発生した直後は、問題に対応するための行動をするタイミングであって、WHYを使うタイミングでは無いのですね。問題が起こった直後やその対応に追われている時間は、関係者は混乱していることが常です。落ち着いて次の対応を考えねばならないタイミングでWHYを使うと、たちまちに混乱を増大させてしまいます。そのときではないのです。

では、どのタイミングでWHYを使うか?
賢明な方々はわかると思いますが、当然、対応を終えて落ち着きを取り戻してから。

顧客に説明せねばならない事態であっても、まずはその対応に時間を割くのが正常であって、説明するためにWHYを使って誰かを責めている場合ではないのです。

また、こちらのパターンもよくあるのですが、対応したのちWHYを使わずそのままにしてしまう。あるいはずいぶん時間が経ってからWHYを使おうとする。どちらの場合も、すでにタイミングは逸していますから、WHYの本来の役割を果たせずに、なんかうやむやになります。

「WHY」は人にむけて使ってはいけない

「なぜそんなことをやったんだ!」
「どうしてこんな事になったんだ!」
ということをすぐに叫ぶ人は、要するに自分の感情を吐き出しているだけです。OMG!の代わりに他人に自分の感情を投げつけているのです。

前回述べたとおり、WHYは責任追及に利用してはいけません。
これは、包丁を、料理では無く、人を傷つけるために使うのと同じ。

明らかに誤った使い方です。
(どうせするなら自分のHARAKIRIに使うほうがまだマシかもしれません)

WHYの正しい使い方は、人では無く、業務内容やプロセスに向けるもの。その上で、指示する側が明確な指示を出していたか、ということを問います。指示する側も当然人なので、明確な指示を出していなかった「事実」とその妥当性に対してWHYは使うもの。

特に重大なミスやトラブルとして表面化するまえに、 重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には事故寸前だった300件の異常(ヒヤリハット)が隠れていると言われます。ハインリッヒの法則として知られる労働災害の事故の発生についての経験則です。

ハインリッヒの法則の数値的なブレは別として、ある日突然発生したように見えているミスやトラブルも、単発で突然起こることは絶対にありません。何らかの前兆はあったはずで、それを見逃していた、あるいは見逃すようなプロセスに問題があるのですね。

人に向かってWHYを使うと、その問題はより巧妙に隠されます。
巧妙に隠された問題は、のちに最悪の事故につながるのが常です。

不寛容なWHYとは決別しよう

人に向かってWHYを投げつける人は、自分の感情を制御できない人です。
「まずは君が落ち着け」です。自分の感情の処理は自分でしましょう。

まとめると、正しいWHYとは、問題を明らかにして具体化(課題)する使い方をされたWHYです。WHYの使い方を間違う=使うタイミングとその対象を間違えてしまうと、チームワークは乱れ、より重大な問題を招くことになります。

正しいWHYを使うためには、まずは自分の感情を抑えること。その上で、人に対して寛容になりましょう。人に不寛容なままでは、事態はより望まない方向に行きます。不寛容なWHYを使ってしまう人、使ったことのある人は、自分自身を厳に戒めましょう。

今回は2回にわたってWHYについて考察してみました。
皆さんも正しい用法・用量を守ってWHYを有効に使ってくださいね。

それじゃ、また👋

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