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理想と現実のロジカルシンキング5

プロ雑用です。
前回まで、ACフレームを使って、
目的→工程→役割→指標と分解してきました。
いよいよ機能、kintoneのアプリを設計していきます。

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が、その前に。

道具の形を決定づけるもの

前回、関連する工程・役割をまとめた図を紹介しました。
ここに記された”指標"を元に、アプリの設計を行います。

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ここで私がアプリを設計する際に、気をつけてることが2つあります。

一つは、アプリを「誰が」「どのように使う」という活用イメージ
もう一つは、管理するのは「情報」か「行動」かというデータの種類

この2つは密接に関連していて、アプリの最終形を決定づけます。
逆に言えば、この2つが抑えられていれば、設計はほぼ終わりです。

順に解説しましょう。

その刃は正面から戦う刃か、暗殺する刃か

まず、アプリを「誰が」「どのように使う」か。

アプリを「誰が」は、関連図を見れば、”役割”で明らかになっています。
では「どのように使う」の部分は、”指標”でしょうか?

前回のおさらいになりますが、指標は「可視化」することです。
よって、「どのように使う」こと、そのものではありません。
しかし、可視化することが決まっていれば、おおむね決まります。
なぜなら可視化は、結果だからです。
結果によって道具は形が変わります。

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関連図を見てください。
見込顧客を把握するため、アプリをどのように使えばよいか。
受注活動を把握するため、アプリをどのように使えればよいか。
これはつまり、
アプリにどんなデータが入っていれば良いのか
ということです。

アプリを「誰が」「どのように使う」か、ということは、
「指標を明らかにするために、どのようなデータを持つべきか」
これを考えることで、アプリに必要となるデータが自ずと決まります。
逆にいうと、データが決まることで、アプリの形も決まるのです。

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食材は冷蔵庫に、リレーにはバトンを

もう一つ、アプリで管理するのは「情報」か「行動」か。

用語の解説をしましょう。
「情報」は、いわゆる静的データ(ストック)のこと、
「行動」は、進捗などの動的データ(フロー)のことを指しています。

専門的に言うと、
静的データは、処理過程を通して不変なデータ、
動的データは、処理中に内容が変化するデータです。

簡単に言うと、
静的データは、冷蔵庫やタンスにしまうもの。それ自体は何もしません。
動的データは、運動しているもの、動きそのものとその結果です

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これがアプリになんの関係があるのか?
先程「データが決まることで、アプリの形も自ずと決まる」と記しました。

正しいデータが決まらないと、アプリの形も決まらない

という意味でもあります。
正しいデータとはなんでしょうか?
この場合、正誤の意味ではありません。
適切かどうか、という意味です。

より具体的に言うと、
どのデータを、どのフィールドに収めるか、
あるいは状況によって変わる内容は、プロセス管理を使うのか、
ドロップダウンでいいのか、ラジオボタンにするのか。
ということです。

どれが正しいか、ではなく適切なものはどれか?

目的のために何が必要になるのか、という問いの、
さまざまな解答の一つが”指標”です。
その”指標”を見るため=適切に得るための機能が、アプリです。

その適切なデータを収めるフィールドや機能を決めることが、
アプリそのものを形作っていきます。
冷蔵庫は服を収めるためではなく、食材を保管するため。
タンスは食材を保管するには適さず、服などを保管するため。
各々の目的の則って機能と形をしています。

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そして食材や服を保管するのは、達成したい目的があるからです。

目的はゴール。たどり着く場所に思いを馳せよ

できあがった料理をイメージすることなく、食材を選ぶことはできません。
出かけるシーンに応じて、服を選ぶことも同じ話です。
投げられたボールを打つには日頃の素振りが欠かせません。
ゴールを決めるためには、どうやってボールを繋ぐか。
リレーで結果を出すには、走り以上にどのようにバトンを渡すか。

常に見るのは目的です。
一番の具体的ば部分である、フィールドとそこに入るデータまでもが、
ゴールである目的によって、変わってきます。

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例によって、購買・新規開拓で考えてみます。

指標である、見込顧客を見るためには、未掲載のパートナーが、
どれくらいいるのか(数量)
どんなあそびを提供しているか(種類)
どんな場所でやっているか(所在地・住所などのエリア情報)
いくらで販売されているか(価格)
いつからいつまでやっているのか(季節、月)

受注活動を見るためには、
誰が、いつ、誰に、どのように、連絡したのか。
受注するまでのステップはどれくらい進んでいるか。
あるいは進んでいない理由はなにか。
失注は何件か、受注率はどれくらいか。

これらのデータを収めるフィールドとして、どれを選べばいいのか?

極端な話。
全てのデータは”文字列”だけで完結できます。
複数行のフィールド一つだけあれば、十分かもしれません。
しかし、そこに蓄積されたデータは、
それで目的を果たすための指標が把握できるなら、問題ありません。

果たしてデータをどのように活用できるか?
繰り返しになりますが、
目的から工程、役割、指標とブレイクダウンしてきたのは、
適切な機能(アプリ)を作るためでした。

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だからこそ、常に目的を意識して、
フィールド一つ一つに、頭を悩ませる必要があるのです。

さて、長くなりましたので、今回はここまで。
(やっぱり終わらなかった…)

さらに具体的に、どのようにアプリを設計し作ったのか。
次回はその話を書きたいと思います。

それじゃ、また。

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