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「新しいもの好き」ではなく「使えるものが良い」なのよ。

プロ雑用です!
私は他人からは「新しもの好き」と思われていることが多いのですが、実は全然そんなことないよ、という話について。


キャズムの谷を超えるかどうか

マーケティングの考え方で、イノベーター理論(あるいはキャズム理論)という考え方があります。これは「新しい製品やサービスが世の中に誕生したとき、その製品・サービスが市場に普及するために超える必要のある溝」について説明した理論です。この溝(谷間)をキャズムといい、サービスが普及していくためにはこのキャズムをどう乗り越えるか、そしてそれぞれの普及フェーズで顧客の性質が異なっている、ということを説明しています。

イノベーター理論で説明される、市場のユーザーを5つのタイプに分けた図。
キャズムを境にして、左側を初期市場、右側を普及市場とする。

詳しい解説はググってもらえばいくらでも出てくるので端折りますが、要するに、2.5%+13.5%=16%のユーザー層が初期ユーザーで、要するに新しいもの好きだが、新しいもの好きだけに受けているサービスは、その先まで普及できずに終わる、ということでもあります。

イノベーターやアーリーアダプターは、乱暴に言えば新しいものマニアです。新しいもの好きは、マジョリティと違って、新しいことにこそ価値を見出します。ですから、多少不便があったとしてもサービスや商品を弄り倒す傾向があり、それ自体を愛でることも多いです。

一方で、マジョリティは新しいか透過ではなく、十分使えるものか、信用できるものかを重視します。特に右側になればなるほどその傾向は強くなります。なので、レイトマジョリティまで達したような商品やサービスからは、多くのイノベーターやアーリーアダプターは、もう興味を無くしている段階であるとも言えるでしょう。

幻滅期を超えて

この考え方は、別の理論でも説明されます。
たとえば、Gartner社のハイプ・サイクルにある「幻滅期」は、幻滅期を乗り越えられなければ普及しないという意味で、イノベーター理論のキャズムに該当すると考えられます。幻滅期の前にある「過剰な期待」フェーズは、いわばアーリーアダプターが「すげぇもんが出てきたぜひゃっほー!」と騒ぎ始めることで発生すのでしょう。それに惹かれて「なんだなんだ」とマジョリティが集まってきたときに、アーリーアダプターやイノベーターが言うほど、マジョリティの期待に応えないと、幻滅するというのは、世の中の動きを見ていてもだいたい理解できることです。

Gartnerのハイプ・サイクル。

幻滅期の後にくる啓発期に至るには、マジョリティに受けいられる程度のクオリティに達していないと難しい、と考えれば自然に理解ができますね。

手段ではなく目的が大切

で、ここからが本題ですが、私自身は、新しい商品やサービスの情報はキャッチアップしますが、自分から率先して使うことはありません。それは新しいものに対して常に懐疑的だからです。なので、イノベーター理論でいうと、私はレイトマジョリティに属すると言っても差し支えないと思います。

十分に世の中に普及したものでないと仕様に耐えないと考えています。例えば、yahooオークションやメルカリなんかも、私よりもITに疎い家族が使い始めた段階で初めて使い始めました。なぜかと言えば、技術に疎い人が使える商品やサービスのクオリティこそが気軽にストレスなく使えるからです。

道具や手段にこだわりがない、というのがまさにそれ。

私はミラーレス一眼レフで撮影しますが、別にカメラが好きなわけではありません。先に「こういう画が撮りたい」という目的があります。ですから、その目的を満たすことができれば、メーカーやカメラなんかどれでも良いのです。最初にNIKONを使い始めたのも、父親から譲られたカメラがNIKONだっただけで、その後NIKONを手放してSONYに移行したのも、単純にもっとストレスなく使いたいと考えたときの性能のカメラが、その時のNIKONにはなくてSONYにあったからであって、それ以上でも以下でもありません。撮りたいものが撮れるなら私はスマホでもチェキでもいいのです。

私は目的がマニアックである自覚はありますが、手段(機能)にマニアックさはまっったく求めてないのですね。目的にストレスなくたどり着ける機能こそが最高&最良です。

めんどくさいことが大嫌いなので、心地よく使えない商品やサービスはいりません。多くの似たような趣味のオタクやマニアと話が合わないのは、この目的と手段の違いが大きいと思います。多くのマニアはオタクは、その道具にこそこだわりをもっています。それはそれで良いのです。ただ、僕とは方向が違うだけで。

ちなみにこれは趣味だけでなく仕事でもそうで、例えばkintoneについては私もコミュニティの中で活動していますが、個人的にはkintoneがとても好きなわけではありません。これはマジで、本当に。
そもそも私は導入者じゃないしね。私が導入する立場だったら、今ぐらいのタイミングからようやく導入検討始めるかなっていう感じ。より良いサービス見つけたら、いつでも乗り換えます。
鉄の三角形(スコープ、リソース、時間)を考えた時ひとまずバランスが良くて手軽な道具としてkintoneはすばらしいと思っていますけれども。

まぁ、クラウドサービスは基本的に全てが未だ発展途上なので、どれ選んでも…というところですからねぇ。仕事の道具に対する理想としては、その時最大に普及しているサービスの中で一番高価なサービスを選ぶのが良い、と思っています。(もちろん予算的にそんなことはなかなか難しいのが現実)
お金が無いから工夫せざるを得ないっていうだけでね。金に糸目をつけずに済むならそれが最高で最良です。


ということで、今日は「道具を使う目的が正しければ、道具の問題など些末なこと」というお話でした(そうか?

それじゃ、また👋

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