見出し画像

2019年プロ雑用が読んだ書籍BEST10+

プロ雑用です。
今年も早いもので終わりですね。
年の変わり目をこれだけ重要視するのは日本くらいらしいですが、たしかにお正月というのは日本人にとって特別感ありますよね。
なぜそういう文化が育ったのか、時間があったら調べてみようと思います。

さて、ところで今年もいろんな書籍を拝読し、
たくさんのインプットをいただきました。

そこで今回は、今年プロ雑用が読んで、とても影響を受けた本を振り返ってみたいと思います。ビジネス書籍など限定で、コミックや小説は除きます。

順番に紹介しますが、順位ではありませんのであしからず。
(順位なんてつけようがないくら学びが多いものばかりでした)

早速行きましょう。

★2019年 BEST10

具体と抽象 細谷 功 (著)

一番最近読んだ書籍です。
世界が変わって見える、と副題がついていますが、
簡単に言うと「あんたの話が通じないのは理由がある」
「それは具体的な話をしてるのか抽象的な話をしているかだ」
ということです。
私のミッションからルールまで落としていくACフレームが、
なぜ課題解決に有効なのか、これを読んで自分でも腹落ちしました。
先の私のnoteと合わせて読んで頂くと、より理解が深まると思います。

ケーキの切れない非行少年たち
宮口幸治 (著)

夏頃に読みました。
読み進めていく内に、頭をガーンと殴られたような衝撃をうけました。

筆者は児童精神科医で、少年院に収監された少年たちと接していく中で、
非行少年たちが、実は想像できないくらい認知能力が低く、
我々が「できて当たり前」と考えていることが、
そもそもできない人々が存在している、という事実に気づき、
現在の少年院、および教育の弱点などを、
自身の研究と合わせて丁寧に考察されています。
自分自身にも思い当たるふしがあり、
そういう意味でも非常に衝撃的でした。

今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則 
『ジャイアントキリング』の流儀 仲山進也 (著)

だいぶ前に出た書籍ですが、今更ながら読みました。
チームとはなにか、チームはどうやって生まれ、成長していくのか、を、
「ジャイアンキリング」のシーンと合わせて著者が解説していきます。
”ジャイアントキリング”は”大物食い”という、スポーツなどの競技で、
弱小が、ずっと格上の存在に対して勝つ、というような意味で、
サッカーを題材にした漫画です(現在も週間モーニングに連載中)。
「ジャイアントキリング」は、キングダムと共に、
ベンチャー企業のバイブルと呼ばれるコミックで、私も好きな漫画です。

著者は、チームビルディングの古典手法である「タックマンモデル」をベースにした、チームの成長法則と、ジャイアントキリングのストーリーを絡めて紹介しており、とてもわかり易く、かつ実践的な内容になっています。

また、著者は楽天大学の学長をされている、その筋では非常な著名人です。

岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。
ほぼ日刊イトイ新聞 (著)

任天堂の元社長であり、2015年に逝去された岩田聡さんは、
糸井重里さんと、親交が深く、
彼の主催するほぼ日の連載に度々登場していました。
その中から、選んだ言葉をまとめたのが本書籍です。
岩田さんは、私が尊敬する経営者の一人であり、
その言葉や姿勢には非常に多くの感銘を受けています。
この書籍はそんな岩田さんの言葉を反芻できる貴重な一冊。
任天堂の宮本茂さんと
ほぼ日の糸井重里の特別インタビューも収録されているのですが、
特に宮本さんの言葉に、私は深く心を打たれました。
今後も何度も読み返すことが確定している一冊です。

髙田明と読む世阿弥
髙田 明 (著), 増田 正造 (監修)

日本の伝統芸能には”守破離”という素晴らしい考えがあります。
この守破離は、個人の成長ワークフレームとも言える考え方で、
私も事あるごとに思い返し、また人にも話をします。
本書は、ジャパネットたかた創業者として著名な髙田明さんが、
伝統芸能である能、その大家・世阿弥の言葉を通し、
夢を極めるためのメソッドを、ご自身の経験と絡めて解説されています。
哲学的に語られがちな”人生論”を、非常に論理的、
かつわかりやすく書かれているので、
世阿弥や、その作である風姿花伝をご存じない方でも理解できます。
髙田明と世阿弥の600年の時を超えた共著と言える一冊です。
髙田さんの特徴的な声を思い出しながら読むのも一興です。

1分で話せ 伊藤 羊一 (著)

ビジネスをしていると、否が応でも、
人に何か伝える機会が非常に多くあります。
ですが、苦手な人って大勢いますよね。私もその一人です。
これまで試行錯誤を繰り返してきましたが、
この「一分で話せ」では、その試行錯誤をすべて論理的に裏付け、
強化してもらった一冊です。
正直、この一冊がなければkintone hiveの登壇は無かった、
と言っても過言ではありません。
何もプレゼンばかりではなく、
普段のコミュニケーションにも存分に使える技術が詰まった一冊です。
シンプルであることは強さにつながる。
1分で話せない話は、どんなに長くても伝わらない、それはなぜか。
「伝える」ということに迷いや悩みがあれば、
ぜひ手にとることをお勧めします。

ピクサー流 創造するちから
Ed Catmull (著), Amy Wallace (著), 石原 薫 (翻訳)

PIXARを知らない人っています?
PIXARという会社を知らなくとも、その作品は誰もが知っているでしょう。
ヒット作を生み出し続けるPIXAR、
その歴史は成功の歴史といっても過言ではありません。
なにせ、創業以来すべての作品をヒットさせてきたわけですから。

その会社の意外なスタートから、スティーブ・ジョブズとの関係、ディズニーへの買収と、ディズニーアニメーションの再生、ピクサーの歩んできた歴史が丁寧に解説されています。
こうすれば成功する!という話が書いてあるわけではありませんが、そこには多くの示唆が含まれており、かつ一つの物語として完成している。
もうこれこそがピクサーである、と言わんばかりの内容です。

私が、目的やミッションこそが重要だ、と言うようになったのは、
まさしく、このピクサーの歴史を学んだからです。
自分の目的やミッションに悩んでいる人は、ぜひ読んでみてください。

NETFLIXの最強人事戦略~自由と責任の文化を築く~
パティ・マッコード (著), 櫻井 祐子 (翻訳)

上に記したピクサーが2時間アニメーションの王であれば、
現在においてNetflixはストリーミング配信の王と言えるかもしれません。
そんな同社の成長を支える人事戦略にスポットを与えた一冊。
たしかに、型破りとかユニークな人事精度ですが、
これもいわばミッションやビジョンの実現するため、必要な戦略はなにか、に真摯に真剣に向き合っているからこそ。
単に結果だけ見れば過激に見える、という話だと思います。

語られているのは、
課題に真摯に向き合うこと、そして適材適所にこだわること。
読んで考えなくてはならないのは、
我々はこれほど真摯に真剣にカルチャーに向き合っているか…?
ということです。
これを読んで「よっしゃ!うちでも有給全廃じゃ!」とか、
そういうのは止めましょう。そういうことじゃない。

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
マシュー・サイド (著)

購入したのは随分前だったのですが、
何となく読むの後回しにしていて今年読んだ一冊。
10年ほど前、畑村洋太郎さんの提唱する「失敗学」に衝撃を受け、
それ以降、失敗に関する書籍を一時期読み漁っていました。
かなり自分なりに「失敗学」の知見が溜まったので、
しばらくこの手の本は読んでいなかたのですが、久々に手にした一冊。
人や組織は、なぜ失敗を学習できないのか、学習するためには何が必要なのか、をロジカルに解説されており、再学習に非常に有効でした。
失敗学の知見がない人でも、学習システムがいかに重要か、バイアスから抜け出すにはどのように考えるか、実践的に解説されていますので、とても勉強になるはずです。

すべては「好き嫌い」から始まる
仕事を自由にする思考法
楠木 建 (著)

ベスト10最後は、まだ読み終わってない現在進行系の本です。
楠木先生といえば、昨年のCybozuDays2018にも、
AWARD審査委員やセッション登壇されておりました。
先生のセッションを私も拝聴させていただきましたが、
その時に、なるほど、と思ったのは、
「人間というのは結局の所、好き嫌いでしか判断していないし、
好き嫌い以外では判断できない」
という、ある意味身も蓋もない結論でした。
しかし、妙に納得している自分もいました。
本書は、好き嫌いの軸と共に、良し悪しの軸も含めて、
その違いなどを、楠木流に解説されています。
楠木先生の文章はかなり人によって好き嫌いが分かれる文体で、
私もどちらかというと苦手というか嫌いwな文体なのですが、
それ以上に内容が興味深いです。

★今年の再読書籍

インターネット的 糸井 重里 (著)

10年以上前に刊行された本を電子書籍で再購入。
当時、読み終わった時になぜか涙が溢れてきた糸井さんの本です。
なぜ当時涙したのか。
それは当時、インターネットの可能性について、周りの人には理解されない思いが自分の中にあったからです。そこに、この書籍が現れた。
自分の背中というか、想いを強く承認してもらった気がしたのでした。
あらためて、今この時代に読んでみて、
糸井さんの先見性の高さもさることながら、夢みたいな話と現実的な話から、丁寧に小骨を取るようにして輪郭をはっきりさせたら、たしかにそういう予想になるよね、と今読んで思いました。
なんというは、普通のテンションで、あたりまえをあたりまえに真摯に向き合うって大事だな、と再読して思ったのでした。
面白い本は何年たっても面白い。

失敗の本質 日本軍の組織論的研究

戸部 良一 (著), 寺本 義也 (著), 鎌田 伸一 (著), 杉之尾 孝生 (著),
村井 友秀 (著), 野中 郁次郎 (著)

以前は文庫本で読み、その後データ化(PDF化)して読み、
再度kindleで購入し、都合3度目の再読。
何度読み返しても深く考えさせられる一冊です。
ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ沖海戦、沖縄戦という、太平洋戦争(著作では大東亜戦争と記載)における代表的な負け戦を取り上げ、なぜそうなったのか、日米双方の組織構造に軸に戦略、人事も含めて、なぜ負けたのか、が考察されています。
「すべての失敗は科学的に説明できる」を地で行く名著です。
忖度、配慮という名の遠慮、縦割り構造、年功序列、ことなかれ主義などなど、現在の日本にも通じる”風土病”といってもいいほど非合理な日本人の特性が、この本を通して論理的にあぶり出されています。
これを読むと、この国は、根っこまで腐ってるんじゃないかなと思わされ陰鬱な気分もなりますが、逆に言えば、今まで正体の見えない敵の姿が明瞭になったわけで、最終的に私は戦う勇気を得ることができました。
今後も何度となく読み返すことになるでしょう。

最後に、本を読むということ

勢いに任せて書いてきましたが、いかがだったでしょうか?
最後に少し書かせていただくと、
たまに「俺は今年◯冊も読んだぜ」などと自慢話をする人がいますが、
何冊読んだか、なんてものは全く重要ではありません。
何冊よんだかなんて、どうでもいい。
どれだけ学びを得たか、そして、その学びが、
どのように自分の考えや行動に影響を与えたか、のほうが遥かに重要。

本というのは、漫画にしろビジネス書にしろ哲学書にしろ、
(いまのところ)すべて人間が記したものです。
ですので、その本の面白さは、
その著者(+編集者)の面白さだと思います。つまり、
本は”人との出会い”なんですね。
本を読むのは”その人を知る”だと思います。
いささか一方通行なところはありますが、
ぶっちゃけ、読み始めたはいいけど、いまいち乗り切れないな、
つまんないな、と思ったら「読むのやーめた」といって、
読むことを止めてしまうことも、
全く悪いことではないと私は思っています。

努力しないと読めない本は、自分の好きな本じゃないのです。
好きな本じゃないものは、自分には必要のないものです。
一方で「これすごいつまんないんだけど、何かひっかかる」という本も、
時に出会います。こういう本は、いつかの将来、読めるようになります。
「その時にはまだ必要じゃない」という本なのですね。
そういう出会いもあります。

画像1

読んでいただいた皆さんに、何かのヒントになることを願って。
長文お付き合いいただき、ありがとうございました。

それじゃ、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?