これが多井隆晴じゃい
以前の記事で、Mリーグを見るときに、この選手が出ていると見るという分類分けをした。
簡単に言えば、キャラで見るか腕で見るか、ということである。
腕で魅せるのは難しい。
極端な話、覆面をして出てきたら大半の選手は誰が誰やらわからない。
それでもわかる選手が、腕で魅せる選手である。
前置きが長くなったが、今日の多井はまさにカネの取れる麻雀だった。
あれが見られたら課金した元が取れたという呟きもあった。
正直凄過ぎてどうやったらああなるのかわからないが、とりあえず追ってみたい。
まず、瀬戸熊から3巡目69sリーチ。
チーを入れつつ9pの対子落としで回る。
手がドラ3で価値アリと見るや、端牌くらいは押して行く。
そして、ハイライトがきた。
3s4s6sと持っているところでテンパイ。
瀬戸熊にはソーズの情報は特になし。
6切りならもちろん両面待ちである。
ところが多井はいつもの顔で3sプッシュ。
そのあと8sも自分で切り、2が切れていたので中筋5を滝沢が切り奇跡のロン。
これは凄い。いや、多井が凄いのは古今東西知っているが、にしても、にしてもにしても凄い。
推測をするなら、2が3飛びで25に受けてもカン5に受けても一枚差なのと、6は両筋にかかっているので、3にした、のだろうか。
話としてはわかる、わかるが、その一枚のロスと両筋の危険度でどちらが得かとか、どこまで押して、どこで辞めたほうがいいのか等、全体として繊細を極める。
その綱渡りのような状況で最良の結果を残す、だから多井の麻雀は時間を割いて見たいわけである。
例えば寿人なども、早すぎて当たり前に見えるだけでこうしたプレーがかなりあるのかもしれないが、多井は余りに多い。
ミスをせず、ミスを待つ麻雀と評したが、これはもはや鬼ファインプレイの粋である。
いいものが見られたので、明日のキンマ観戦記を楽しみに、寝ることとする。