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荒れ馬場の考え方

今日は開催後半の荒れ馬場についての話です。

開催が進むにつれて、馬がよく通る内側から馬場が荒れてきます。でこぼこになってくるということですね。
馬場が少々荒れる程度なら適性で踏ん張れますが、荒れ具合が進んでいくと
「そこを通る時点でノーチャンス」
という状態になります。
騎手も当然それは理解しているはずなので、開催後半は皆外に出す流れになり、外枠なのに詰まったり、内枠で不利なはずなのに4コーナーショートカットで直線は伸びるギリギリのラインを通れたりすることが起こります(ゴールドシップの皐月賞がよい例です)。

開催前半は前半で、どの馬が前に行くかを判断する力が問われるので、開催前半と後半では予想の難しさが異なります。ただ、予想の難易度が高いのは後半の荒れ馬場だと思います。
ちなみに私は開催後半の予想の方が得意です。
 


荒れ馬場での予想の仕方

荒れ馬場になっている場合、道中のことは後で考えればよいとして、まずは直線どこが伸びるかを把握し、そこを通れそうな馬を買う必要が出てきます。
よって、距離に関係なく外枠を重視するとよいでしょう。
ただ、中山2500mや札幌1500mのような明らかに内有利のコースについては、内の荒れ具合との兼ね合いになるのでセンスが問われます。

また、中距離以上なら内枠でも展開や技術で馬場のよいところを通れることがそれなりにありますが、短距離になると枠で走れる場所がおおよそ決まってしまうので、枠の有利不利は特に短距離では大きくなります。
新潟1000mなんかも、開幕週ならバカラクイーンできるかもしれませんが、基本的には外枠引けるかゲームです。
もちろん、内枠でも技術によって外に持ち出すことができたりするんですけど、その技術に期待をするような予想は大抵よいことがありません。
 

有利な脚質は?

荒れ馬場は「外差し馬場」と表現されることがあります。この表現通り、差し馬が普段よりも有利です。

20年前くらいはまだ、逃げ馬が直線だけ外に持ち出すような競馬はさほどメジャーではありませんでした。個人的には、ミヤビランベリの七夕賞あたりから、それでいいんだよ的な乗り方が増えてきた気がします。

逃げ馬や先行馬は、外に並ばれなければという条件付きですが、馬場のよいところを選んで通れるメリットはあります。
ですが、先行馬3頭が並んでいたらその時点で内の2頭は苦しくなりますし、馬場の良いところに持ち出しても大外をぶん回す馬がもっと良いところを走って伸びることも多々あります。

よって差しや追い込み馬の方が有利になります。
しかし、差し馬や追い込み馬は進路を取れるかという問題が生じます。外枠なら外を通れるのは確実ですが、皆が外に外に出そうとすることで前が詰まる可能性が高まります。
差し馬が有利だけど、どの差し馬が突き抜けるかを予想をするのが難しい。それが荒れ馬場の特徴です。
 

荒れ馬場とコース替わり、そして成れの果て

開催の馬場概要に載っていますが、荒れ馬場になってきたタイミングで、コース替わりが計画されています。
内が荒れ始めた頃にBコースやCコースに替わり、仮柵がだんだん外に置かれるようになります。最近はCコース→Aコースでグリーンベルトができるみたいな計画はしないので、「コース替わりがあると内枠の不利が軽減される」と認識すればよいです。

余談:コース替わりと脚質

皆さんは、内外の馬場差を考慮しないとすると、AコースとCコースのどちらの方が逃げ馬が有利だと思いますか?

私はAコースだと思っていました。コーナーがきつい方が、差し・追い込み馬は加速によって外に振られて距離損をするからです。

ところが、「Cコース替わりで、差し馬が必要以上に外を通る羽目になって前が残る」という表現を目にしたことがありました。
私は、「逃げ馬だっていつもより外を通るんだからその理屈はおかしい」と思っていました。
で、今でもその理屈はおかしいのだと認識していますが、Cコースで前が残るということはたぶん起こり得ます。Cコースの緩いコーナーなら、コーナーからスピードに乗ることができるからです。

人間でも、のんびり走ってからダッシュすることが得意な人もいれば、一定のスピードを持続させるが得意な人もいます。馬も同じですね。

逃げ馬は相対的に、ラストで速い時計を出すのに向いていない馬が多いのだから、Aコースでスピードを緩めてタイトにコーナーを回ってから直線ダッシュ!という流れが苦手な馬もいるでしょう。Cコースならもっと前からスパートがしやすくなります。

荒れ馬場の成れの果て

荒れ馬場がどんどん進んでいくと、最終的には外を通っても伸びないような馬場になります。大抵はこの状態になる前に競馬場替わりになりますが、改修などで変則開催になると起こることです。

そうなると、また内が(相対的に)伸びる状態になります。こうなったら、超大外をズドンと突き抜けるケアはしなければならないものの、荒れ馬場が得意な馬を買えばよいだけなので(個人的には)予想は楽になります。

まとめ

開催後半は、直線どこが伸びるかを把握し、そこを通れそうな馬を買うとよいでしょう。
今の馬場で、実力馬が内、準実力馬が馬場の4分どころを通った時にどちらが勝つか。馬場を見てそういった比較を上手に想像できるようになると、荒れ馬場マスターに近づけるはずです!

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