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数学ガールの秘密ノートを読んで

目次


きっかけ

〇きっかけの本の1冊目:

「経済数学の直観的方法 マクロ経済学編」
経済学ノーベル賞受賞者が高度な数学モデルを使用していることに興味を持ち、「経済数学の直観的方法 マクロ経済学編」という本がそれらを説明していることを知り、単純な水槽の排水量を計算するのさえ初歩数学では困難であること、そして微分と積分が思っていた以上に基本的な概念として利用されていることを学びました。

〇きっかけの本の2冊目:

「確率思考の戦略論」森岡毅
USJの立て直しに貢献した森岡毅氏の著書「確率思考の戦略論」では、マーケティングにおいて統計学や数学的なツールが活用されていました。

〇きっかけの本の3冊目:

「カオスー新しい科学をつくる」ジェイムズ・グリック
この本は会社の技術者方から推薦されました。この本はバタフライ効果を含むカオス理論を解説しており、一般的な混沌としたカオスのイメージとは異なり、自然界に広がる数学的なカオスを説明しています。私にとってはカオスが有名なフィボナッチ数列と同様に衝撃的な内容の一冊でした。

数学ガールの秘密ノート

AIによる紹介:「数学ガールの秘密ノート」は、中学生・高校生向けのやさしい数学読み物。主人公「数学ガール」が問題解決や数学の教えを通じて成長する姿を描き、中学・高校レベルの数学を楽しく学べる。著者は結城浩さん。

積分をみつめて

入院中に時間ができたため、以前購入した「数学ガールの秘密ノート/積分をみつめて」の読書を始めました。当初は購入後にすぐに読み進めるつもりでしたが、練習問題が魅力的に思えたので、ノートを取りながらじっくりと問題に取り組みたいと考えていました。その結果、購入後かなりの時間が経過してしまいました。

この本は中学生や高校生を対象にした易しい数学の読み物ですが、数学が苦手な人にとっては興味を持続させるのが難しいかもしれません。それは、中学校や高校で学ぶというより、数学の魅力を深く掘り下げた内容だからです。そもそも数学にまったく魅力を感じない人にとっては、その魅力を理解することは困難でしょう。

この本には、「ユーリー」や「テトラちゃん」といった数学を学ぶキャラクターが登場し、数学でつまずきやすい点について質問を投げかけます。彼女たちの質問が魅力的に感じられるなら、この本は読者にとって最適でしょう。
私自身、高校で数学を学んできましたが、抽象的な概念や証明に対する細かな疑問は脇に置き、受験に必要な数学をパズルやクイズとして捉えていました。
本書では、積分に関して、位置と速度の関係が積分の関係にあることを非常に丁寧に説明しています。高校時代の勉強を振り返ると、物理学と数学が連動していなかったため、物理学への橋渡しのイメージが持てていなかったと感じます。また、経済学においても、需要のモデルを微分することで期待度が求められるため、積分と微分を視覚化できると、より広い世界観が開けるという感覚を持ちました。
その後の積分の基礎、区分求積法、微分積分の基本定理についても丁寧な解説がなされています。数学を学ぶ際には、各概念が身につくまで石を積み重ねるような地道さが必要だと思います。しかし、高校生の時にそこまでの時間を確保するのは難しいかもしれません。

やさしい統計

積分のシリーズが気に入ったので、次に「やさしい統計」の読書に進んだ。

分散のこと

統計は積分よりもやや親しみやすい分野でしたが、この本では最頻値、中央値、平均、分散、標準偏差を非常に丁寧に説明しています。
これほどまでに丁寧な解説は私も見たことがありませんでした。
特に分散のイメージと概念は、後の統計学で重要となるため、しっかりとした説明があるのは助かりました。
これらの概念を理解する上で、テストの偏差値の説明がありますが、大学時代に統計を学んだ時、偏差値の計算式の中にある正規化式に「10」かけることの意味が理解できませんでした。
インターネットで調べても、「分かりやすくするための任意の数値」として説明されているだけで、よく理解できませんでした。
しかし、今回の丁寧な説明を読むことで、「分かりやすくするための任意の数値」の意味が理解でき、次いで偏差値における標準偏差の機能と役割を解釈できるようになりました。

二項分布・正規分布

コインの確率問題から二項分布や正規分布へと進む際、高校や大学ではこれらの概念をあまり深く理解できなかったため、これらが1+1=2と同様に、誰もが同じ分布を得る数理モデルであるかを理解していませんでした。今回そのことが分かり、世界に対する私の見方が新たになったのを感じました。(以前は正規分布などが経験則に基づいていると感じていた)。ただし、これらを計算で導出することは容易ではなく、時間がかかるため、大学の先生が省略した理由も理解できます。計算にはあまりにも多くの時間が必要です。
また、この本を読んだ後に、本書の参考図書にあげられていた「マンガでわかる統計学」著:高橋信を読んだが、分散なのでイメージが数学ガールで掴めていたため、以前より理解しやすかったように思う。

今後に

「数学ガールの秘密ノート」シリーズの他の作品にも挑戦したいと考えています。中学や高校の数学を再学習するというよりは、中学・高校レベルの数学でまだ理解できる範囲から、数学の面白さや魅力を再発見したいという願望が強いです。次にどのシリーズに進むべきか迷っていますが、積分に関連する微分のシリーズか、少し馴染みのある三角関数に進むかを検討しています。


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