禍話リ⭐︎ライト「ふえるこども」
リの後に星がついてるのはあんまり意味はないんだけど、私がリライトをすると批判的意見をおっしゃる方がいるためリの後に星をつけることで検索ワードに引っかからないようにしております。
お盆とかにおばあちゃんの家なんかに行かないほうがいいなぁというお話。遠縁の家とかにもあんまり行かない方がいいというお話なんですが。
今、三十五、六歳の方の嫌な思い出の話。
どういう経緯で行くことになったか記憶が曖昧なんですけど、父方の親戚の家に毎年夏に泊まりに行くようになったらしいんです。
その親戚の家はとても広くて、部屋もだだっ広いんです。
自分1人にめちゃくちゃ広い和室に寝泊まり。
で、広すぎて寝不足になったりしてそれも嫌だった理由のひとつなんですね。
田舎だから食事とかは色々たくさん出てくるし川で遊んだりできてものすごく満足できるんです。
けど、夜になると嫌で仕方がない。
蚊帳なんか吊られてね、蚊帳の意味なんてよくわからないまま吊られていく蚊帳はなんだか怖くて、蚊帳の中から見る外の景色もなんだか嫌なんですって。
いつからそれが始まったのかわからないんですけど、障子があって外に廊下があって庭が広くあるって感じなんですけど、障子にね、なんかこう誰かの影が映るっていうんですよ。
その影は当時の自分と同じ年ぐらいの女の子で、最初の頃はただ映っているだけだったんです。
そのうち女の子は立って、多分ですけど自分の様子を伺ってる。
なんだろうな気持ち悪いな。一言も何も言わないで。
そうやって夏が終わる。泊まっている4、5日、ずっと知らない女の子が自分の様子をうかがってるなんてさ。
そのうち、いつからかははっきりしないけど、女の子の横にもう1人いるようになった。
今度は着ているものの感じで何となく男の子だとわかる。
障子越しにね、2人で何かぼそぼそ言ってるんですよ。
その喋り方が我らとかみどもとか、子供の物言いとは違う。
女の子がすごい低い声で「2人じゃだめだな」って言ってるんですって。
どうやらその2人ではこの障子を開けて中に入る力がないって話している。
とにかく自分たちの力では無理だから応援を呼んでこようみたいなことを言って、3人に増え、4人に増えとどんどん増えてくる。
でもね、子供って不思議なものでそんな怖いことを朝になると忘れてしまうもので、日中は遊んだり食事のこととかで忘れてる。
で、夜になって
はっそういえばって障子を見ると5〜6人子供がいるんですって。
で、ちょっと大きくなって小学校四年生ぐらいになると、自分が尋常ならない事態に遭遇しているって。だからもう親戚の家には行かないって言えば済む話なんですけど…。
なぜか日中になるとそのことを完全に忘れているようなんです。
そして夜になると思い出す。
で、障子を見ると
もうめちゃくちゃ子供の影がそこにいるんです。10人ぐらい。
なのに最初からいる女の子らしき影は「まだまだこの人数では足りぬ」みたいなことを言うんです。
怖いなって思っていたら
その親戚と疎遠になったのか急に行かなくても良くなったんです。
あーよかったよかったって思ったそうです。
で、高校生ぐらいになってふと夏場にそういえば昔なんか親戚の家に行ってたよねって親と話してて、
「あー行った行った。あんたあそこの家だと寝つきがよくてねー」
とか言われて全然寝れてねーわとかいって、なんかめっちゃ子供いたよなーなんて思いながら
「なんか急に行かなくなったよねー」
「あーあそこの子供が急に具合が悪くなってね。ほら、あんたが寝泊まりしていた部屋に寝るようになったらしいの。寝初めて1ヶ月経たないうちになんか神経に重大な病気が見つかったらしくて」
まぁ亡くなってはないんですけどもういい年なんですけど今だに入退院を繰り返しているようで…病気が急に見つかって医者がなんで急にこんな出るんだろうと言うような病気でなんか向こうも大変だったと聞いて
うわーあのガキども部屋の中に入ってきちゃったんだと思って。
嫌な思い出ですよ。
皆さんもね田舎のおばあちゃんちや親戚のうちには泊まりに行かないほうがいいんじゃないかな。