3分ちょっとでわかる「AI×イラスト」
※本記事は2023年2月22日に行われたウラカタLTでの荒木氏の登壇内容をまとめた記事です。その他の登壇内容は下記にまとめていきますのでぜひご覧ください。
■本記事の登壇者
株式会社ZEKK COO
荒木 友治氏
まず最初に
こちらのイラスト群をごらんください
これらはすべてAIで書かれたイラストになっています。
実写的なものからSFゲームチックなもの、イラストっぽいものまで、非常に幅広いタッチや表現をすでにできるようになってきています。
私達もAIイラストを2月から触り始めてますが、超楽しいです。
今までは頭の中にアイデアやイメージはあるけど「絵を描く」というスキルがなかったために表現できなかったことが一気にアウトプットできるようになります。
実際僕も自分でAIイラストで描いたをTwitterで公開してみました。
150以上の「いいね!」がついてめちゃくちゃ承認欲求みたされました(笑)
実際にAIイラストをどう作るか?
ご存じの方も多いと思いますが、「呪文を書く」ことでAIに描いて欲しいイラストを発注します。例えば可愛いマキマさんが描きたいとなったら「こういうマキマさんがいい」という指示や同時に「こういうマキマさんはヤダ」という希望を伝えていきます。ある程度指示を記載した上で、画像のサイズ(幅や高さ)を指定&高画質になるような設定を行い実行を押すとイラストが描画されていきます。
出てきたものはあまりピンとこない場合は、枚数を増やして良いものが出てくるのをまつ or 少し指示を書き足すなどして自分の求めているものにたどり着くというのがAIイラストを使う一連の流れとなります。
例えば業務でどう使うの?
ZEKKは業務の一つとしてVTuberなどのキャラクター制作を行っていますが、この業務でAIイラストは大活躍します。
具体的には、キャラクター制作の初期段階で☓☓☓☓☓☓☓☓という設定で、▲▲▲▲▲▲という感じの衣装でというなんとなくのイメージから初期のデザインをおこす時に、これまでは上記のイメージ文章を元に指示書を作成して、絵師さんに依頼をだして、1−2日待ってラフが上がってきて、それを見て修正指示を出して、、、というスピード感でした。(正直2日でラフが上がってくるのも鬼ほど早いですが、、)
AIイラストを活用すれば文章をなんとなく素人が落書き程度の絵にした上で、AIにイメージを指示すれば1時間もかからずにラフが上がってきます。
また代替案についても出てきたものを元に少し指示を書き足すことで無限に出てくるので、こういった初期のすり合わせが本当に楽になりました。
僕達のような、キャラクターデザインを仕事にしていない方の業務でもAIイラストは役に立ちます。例えばプレゼンのスライドでいい感じの挿絵を探してるうちに莫大な時間を無駄にしてしまった、、、というご経験は有りませんか?(しかもイメージに合うものが見つからないことも多々ありますよね)
AIイラストであれば自分がイメージするものを自分で生み出すことができるようになります。
最近起きた革命
実は最近AIイラスト業界で一つの革命がおきました。「Control Net」というツールが生まれたのです。Control Netの何が素晴らしいかというと、このツールが世に出るまではイラストに登場するキャラクターのポーズはランダムだったんですね。なのでガチャ要素が強く、望んだポーズや構図になるまで何度も描き直しをさせなければいけませんでした。
今ではControl Netのおかげで大幅に工数が削減されただけでなく、クリエイティブの幅も大きく広がっています
Control Netの誕生が何を意味するかというと、今まではその名の通りAIイラストという単体でのアウトプットが主でしたが、ポーズを指定できることでストーリーに合わせた表現ができるようなりました。つまり、AIをつかって「アニメ」や「マンガ」を制作できるようになった、ということです。
また同時に発展しているChatAIなどの技術と組み合わせることでバーチャルキャラクターが生まれてYouTube上で人気になる日も近いと感じています。
このような現状はクリエイティブを生み出すスキル(絵を描けるなど)はないけれどマーケティングやビジネス的な能力に長けた人などにとっては非常にチャンスといえる状態です。
むしろすでに少し遅いくらいで、若い人たちは新しい技術を当たり前のものとして使っていくので、意識的にどんどん触りに行かないと負けていってしまう可能性が高いです。
AIイラストの課題
もちろんAIイラストに関して様々な課題もあります。
法律面(主に権利周り)が未整備である点。
世論の面で多くの人に受け入れられるのか?という点。
使いこなせる人材がまだまだ少なく人材不足になったり、使える人と使えない人で格差が生まれたりといった点も考えられます。
少し余談になりますが、世論という観点では産業革命の際に起こった「ライダット運動」などが思い起こされます。産業革命にともなう機械化の普及により、失業のおそれを感じた手工業者・労働者がギルドをつくってミシン(機会)を壊して回ったという活動です。
現代文明においても、ITなどのハイテクの進化と台頭によって、個人の雇用機会が次第に奪われていくのではないかと懸念し、それらの開発を阻止し、利用を控えようという考え方が実は存在ます。これはかつてのラッダイト運動になぞらえ、ネオ・ラッダイトと呼ばれており、新しい技術の進出を阻害する要因になりえます。
ただ、個人的にはAIがさまざまな市場に融けこんでいくのは不可逆だと感じており、受け入れて更に生み出す側に回って行かねばと思うこの頃であります。
技術の革新についていけるよう皆様と一緒に切磋琢磨できればと思います。
本日はありがとうございました!
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