日韓徴用工問題
〜概要〜
7日、韓国側から日本に対して徴用工問題の解決案が示された。内容を簡潔に説明すると、徴用被害者が受け取る分の賠償金を韓国政府が肩代わりするものだという。このことから、筆者はいくつか思うことがある。
〜筆者所感〜
①尹政権は日韓関係改善に対して本気である
歴代の韓国の大統領は自身の内閣支持率が低下すると保守政権と謳われていても反日に走る傾向があった。その象徴が李明博政権であろう。彼は、最初は日韓関係が良好になるように努力すると明言しておきながら、竹島に上陸した。当時の支持率は約25%であった。一方、尹政権は国民の意思が分断した中で生まれた政権で、就任直後であるにも関わらず支持率が20%であった。しかし、ここで反日政策に転じることなく、日韓関係改善に勤しんだことは高く評価でき、最近の支持率も50%台まで回復している。このことから、尹政権は日韓関係改善に向けて本気で取り組んでいることがわかる。
②やはり消えない過去のイザコザ
今回の韓国側の提案は受け入れたいことだが、それを拒むものがある。1つは、2019年に発生した韓国軍による自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件だ。レーダーにはいくつか種類があるが、当時韓国軍は攻撃時に用いる火器レーダーを自衛隊哨戒機に照射した。これは由々しき事態で、宣戦布告と捉えられても致し方ないが、未だに韓国側から謝罪は無い。日本と韓国は共に北朝鮮に対して軍と自衛隊で連携をして対応したいのが本音だが、銃口を我々に向けてくる組織と連携がうまく取れるだろうか?やはり、信頼関係に亀裂が入ったままでは難しいだろうと思われる。2つ目は、韓国政府の信頼の無さである。過去、日韓で太平洋戦争における賠償問題として様々な協定を結んできた。その一つが、日韓賠償請求権協定だ。これは、先の大戦における日本の韓国に対する過ちを賠償金を払うという形で精算するものであったが、「再協議条項」という抜け穴があった。簡単に言うと、完全解決しているにも関わらず、外交解決できない場合、第三国を交えてもう一度協議し直すというものである。韓国政府はこれの解釈を変え、慰安婦問題を持ち出した。この慰安婦問題を解決するために2015年、当時の岸田外務大臣は慰安婦合意を締結した。しかし、またもや韓国はこの合意を破棄し、日本政府に賠償金支払いを要求してきた。この苦い経験があるからこそ、岸田首相は事態を前進させつつも、韓国には強気な態度をとっているのである。過去の韓国の政権なら政権がより安定期に入ったら反故にするのであろうが、尹政権はそれをするのか否か。日本政府及び外務省は中止する必要がある。
〜日韓関係の融解へ〜
完全に日韓関係の溝が埋まってこそ、健全な関係が生まれるので、韓国政府には期待したい。そして、日米韓で対中・対北を睨んだ新たな同盟を構築し、東アジアの平和と安定を保ってほしいものである。