あなたはブンちゃんの恋
宮崎夏次系先生作
「あなたはブンちゃんの恋」4巻を読みました。
読むのがもったいなくて数日部屋で熟成させておいた。
登場人物達が羨ましく見えた。世界の見えかたや生きている軸が、端からみたら綺麗で綺麗で…。絵も台詞もストーリーも大好きです。
目がすごく綺麗。私、あんなに綺麗な目になったこと、長らく無い。好きなものを見ている人の目って綺麗。
ブンちゃんが「妬んでる」って泣いてる目も綺麗。自分の美しくはない本心に気付いて、自己嫌悪して泣く。気持ちに蓋をして、不安を恋人にぶつける場合もあるだろうけど、ブンちゃんは一人で自己内対話した。
三舟さんのことを好きなブンちゃんよりも、記憶障害をもつブンちゃんの方が見ていて安心する。私はコンちゃんと同じ考え方だ。このまま三舟さんのことを忘れたままで、どうしようもない恋に振り回されること無く、今の恋人と安心できる家をつくってほしい。
「ギョーザすきですか。よかったら食べに行きませんか。二人で」
「僕たち友達になれませんかね」
「恋人がいいです。人を好きになって生活がめちゃめちゃになっても」
好き…。大人の恋ってこういう感じなのかな。素直だ。駆け引きが無い。
シモジはね そうしてもブンちゃんに本当に好きになってもらえるわけじゃないよっと思う。
本当に好きって何さ。好きとは。
ブンちゃんやシモジみたいに、どうしようもなく惹かれる人が人生に現れてしまって、その人に選んでもらえない 一緒に生きてもらえないのってすごく嫌だな。私も彼らがしていたみたいに、一番になれなくてもずる賢く一緒にいられる方法を選び続けるかもしれない。執着も入っている。
「会えるとうれしくなる人ができた」
「生きた人間なんて好きになっちゃダメだ バカじゃないの」
「私が鬼丸さんを守ります」
でも鬼丸さんは守ってもらわなくても生きていける人。ブンちゃんとじゃなくても幸せになれる人。でも今はブンちゃんと恋人。そのままいけば結婚して、生活していける二人だと思う。ブンちゃんと鬼丸さんのバックボーンが両極で(全く同じ人はいないけど)、ブンちゃんの性格だと、家庭環境の話はしないままな気がするな…。
鬼丸さんは「みんな文ちゃんが大事なんだよ」って言ってくれたけど、違うんだよね…。みんな利己的なんだよ。そしてそれは悪いことでもなく、大前提、当たり前のこと。誰かを大事に思うことの方が、一生にあるかないか。それくらいだと思う。鬼丸さんは恐らく今まで家庭が複雑だった人について知る機会が無かったから、文ちゃんの心の内部を、今の時点では理解できてないだろうな。
鬼丸さんの言葉に傷つくわ。『分かり合えないんだ』と思う。
というか、みんなが文ちゃんを大事にしているかどうかよりも、文ちゃんが大事にされていると思うかどうか が一番大切なことでしょう?鬼丸さんには、文ちゃんの大味方であってほしい…。分かってほしい。
いくら大事だと思ってても、本人に届いてなかったら無いのと同じことになってしまう。
でも鬼丸さんは、話せば聞いてくれる気がする。大変な作業になるけど。
ブンちゃんの気持ち。自分は鬼丸さんとは違う人間なんだ、鬼丸さんはみんなに大事にされてると思い込めるような環境で育ったんだ。羨ましい。さみしい、悲しい、腹立たしい、ずるい。
どう終結するんだろう。三舟さんのこと思い出してしまうのかな。
「記憶が消えても困らないなら はじめから無くてもよかったってことでしょう」
そうだそうだ!思い出してしまえば、三舟さんを追いかけな!思い出さないなら、そのままでいい!