果汁100%の恋と花
僕は誰かと交際をするとき、相手の注いでくれる愛情と比べて、愛を注ぐ癖がある。
自分の愛情が、相手より超えて、裏切られるのが死ぬほど怖いのだ。
あくまで、嫌いなわけではない。好きか嫌いかでいえば好きなので、これは好きと言えるのだろう。
別れてもあまり悲しくないし、自分の時間が増えるから、むしろそっちの方が楽しい。
しかし最近、一生僕の横にいてくれる人、僕は横に居たいと思う人がこの先出てくるのか、と不安になることがある。
タイトルにも書いた「果汁100%」とは一目惚れのことで、妥協の愛ではない。
僕はいつも果汁は3%くらいで、その他は、糖分や人口甘味料で100%にしている。
おいしいかおいしくないかで言うとおいしいけど、果汁100%のような新鮮味はこれっぽっちも存在しない。
プライドは結局傷つけるのは自分なのは分かっているけど、そんなに甘くない。自分で作った、人口甘味料はもう自分の身から話すことができなくなってしまった。
そんな僕は外見より中身で愛する人を決めてみようと思うが、中々そうはいかない。
飲食店で、何を食べるか決めるにしても、100%外見で決めるだろう。
この世で大事なのはメッセージよりもパッケージで、残酷だ。
そんなことを思いながら、僕は今、花火を見ている。
潮の匂いと火薬の香り。すべてが夏っぽくて、僕の瞳には、きれいな花が映し出していた。
夜空に咲き誇る花と、数秒遅れてやってくる、心臓を突き刺すような音。
子供が使っている、ぐちゃぐちゃになった絵具のパレットのような僕の心を洗い流すほどの綺麗さだった。
今年も愛する人と花火が見れなかったけど、僕の何かがきれいななった気がした。
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