薬剤師のクスリの説明は必要?
私がまだ薬剤師で2年目、やっと薬の説明をセオリー通りできるようになってきた頃。よく患者さんから言われた事があって、
「あ、説明はいらない。紙に書いてるし、自分で調べるから。」
嗚呼、、。
まだ勉強熱心だった時期の私にはけっこうグサッとくる言葉でした。
しかも怒ってるとかでなく、サラッと言われちゃうんですよね。
「あ、今夜晩飯いらんから」
くらいナチュラルに。
「え?あ、そう。(せっかく作ろうと思ってたのに)」
せっかく勉強した知識を話そうと思ってたのに、、
昔はお薬の名前も言わず、印字もせず。患者さんは「一体私は何を飲んでるのだろう?」
という時代でした。
しかし、今や誰もが情報にアクセスできて自分で調べられる時代。
私たち薬剤師が見るような添付文書やインタビューフォーム、くすりのしおりも、スマホでアクセス可能になりました。
じゃあ薬剤師の薬の説明って必要??
だって説明書き見ればわかるし!笑
→だからさっさと薬用意してよ!
となってしまいますね(汗)。
いいえ!!
そうはなりません!!
薬剤師の説明が必要ですよ!!
コロナ禍で「インフォデミクス」という言葉が出るようになりました。
ウソもホントも混じりあった情報のパンデミックです。
色んな情報にアクセスはできますが、結局どれを信じてよいかわからないのです。
薬の説明は正にこれと似た部分があります!
みなさん、アンサングシンデレラ観てますか?
薬剤師が主役のドラマですが、その中でクラリスロマイシンという薬が登場します。
抗生剤で、子供が飲みやすいようにとオレンジジュースに溶かしたところ、酸味でコーティングが剥がれてさらに苦くなる。というのを薬剤師が指摘した場面がありました。
あれも紙に書いてます!笑 注意点に。
しかし、添付文書(公式の医療者向けの説明書)を見ると
副作用、
心室頻拍、幻覚、激症肝炎、間質性肺炎、痙攣、etc.
え、待って。子供に飲ませる薬で幻覚とか出るの?まじヤバいクスリなんじゃないの?
、、飲みたくねーな。
と思っちゃいますよね。
実際に仕事をしてても、別の薬ですが
「あのさ、帰って説明書き見たら、副作用に肝炎とか横紋筋融解症とかあるんだけど、大丈夫?飲み続けて」
「あのうがい液がコロナ治療できるって聞いたから、ある?」
など質問が来ることもあります。
そうです。
インフォデミクスです。
情報にアクセスできても
1.正しい情報なのかわからない
2.情報のリスクベネフィット(良いトコロと悪いトコロ)を総合的に判断できない
我々専門家の仕事は正に、これらの情報を判断して選びとれるか?というところだと思います。
これだけ情報が溢れ、アクセスもでき、また誰もが情報の発信者になれる時代だからこそ、その精査が必要になってきます!
正しい情報には価値があります。
という事でみなさん、これからも薬剤師を情報を整理整頓してもらうためにどんどん活用して下さいね!!
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