リモポケ学会に参加しました
はじめまして
しーえいちと申します
このたび、第8回リモートポケモン学会にプレゼンターとして参加いたしました
第8回リモートポケモン学会のアーカイブはこちら
https://www.youtube.com/live/9jLMuOVfAG8?feature=share
今までは視聴者として楽しんでいたのですが、今回、意を決して参加いたしました
ポケモンについてあれこれ考えるのが大好きだったので、大勢の人々とそれを共有できて感慨深かったです
私の配信トラブルで、見てくださった方々、運営、他のプレゼンターの方にご迷惑をおかけしてしまいました
申し訳ございませんでした
皆様に暖かく見守っていただけたおかげで、何とか自分の発表を完遂できました
プレゼンの補足・訂正
ここからは私のプレゼンについていくつかの補足をしていきます
ゲノセクトについて
このスライドでは、ゲノセクトを①-5 先後関係の原則の例として取り上げました
その根拠にはBW2の図鑑説明を用いた訳ですが、実際にはこれは説明不足です
ホワイトの図鑑説明を読むと、ゲノセクトの背中には古代から大砲があったようにも解釈できるのです
そのため、先後関係の例として出すのは適切ではなかったかもしれません
個人的には、生物の体の構造として違和感がない大砲だったものを、プラズマ団が機械の大砲に改造したのではないかなと解釈しています(マーベルのウルヴァリンが爪→アダマンチウム合金となったように)
というか、どこまでが大砲で、どこまでが砲台……?
パルデアウパーについて
「パルデアのウパーは本来、その生態から鑑みるに、じめん・どくタイプに分類される方が自然だ」という説明をしたのですが、これも大雑把にしか言及できなかったので補足します
こちらは原種の方のウパーの説明文です
原種ウパーも毒を分泌する能力を有していることが知られています
そのため、「パルデアウパーは陸上で生活することになってどくを分泌する能力を後天的に獲得した」という理解は不適切です
正確には、「原種にも備わっていた毒を分泌する能力を最大限活用して陸上での暮らしに適応した」と言うべきでしょう
それでも、毒が技術・能力であることに変わりはなく、「どくタイプのポケモンがじめんの属性を獲得した」と見るのは無理があります
やはりパルデアウパー単体で見れば、じめん・どくタイプに分類される方が自然でしょう
ぱっと見原則について
こちらのスライドで、「フィールドワーカー都合」という括りを用いましたが、フィールドワーカーも研究者ではないか、という至極真っ当な指摘を確認いたしました
おっしゃる通りです
ここで言う「フィールドワーカー」とは、ヒスイの調査隊や、オダマキ博士のような、研究者の中でも、野生のポケモンと相対する職業の人々です
わかりやすく、かつ正確性の高いスライドを作るのは難しいですね……
タイプ2率について
「タイプ1になりやすい/なりにくいタイプはあるのか」という疑問を解決するために私が作った概念です
しかし、自分で作っておきながら何ですが、この数値の妥当性は、正直疑わしいところです
対象となるポケモンを恣意的に選定していることがその主な原因です
対象ポケモンを選定するとなると、もっとも素直な選定方法は「図鑑番号の1番から一種ずつカウントする」というものでしょう
ですがこのようにしてしまうと以下の2つの問題が生じます
問題① フォルムチェンジ・姿違いをカウントできない
図鑑No.0028はサンドパンです
では、図鑑No.0028のときには、「じめんタイプで1カウント」とすべきなのか、「こおり・はがねそれぞれに1カウント」とすべきなのか
フォルムチェンジでも同様の問題が生じます
問題② 単タイプの計上
今回、タイプ2率という概念を持ち出した動機は、「どんなタイプがタイプ2になりやすいのか」を知るためです
それは、より踏み込めば「二つのタイプが複合された時に、どちらが前に来やすいのか」という疑問にも繋がってきます
そこに単タイプのポケモン(=常にタイプ1)を計上することは、本来欲しい情報とは異なってきてしまうのではないか、と考えました
これら二つの問題を認識し、今回のタイプ2率の対象にはフォルムチェンジ・リージョンフォームなどの姿違いを別々の種として含むことにしました
また、単タイプのポケモンはカウントしないことにしました
しかし、ここでも問題が存在します
イエッサンの雌雄のように、姿が大きく異なるものの、タイプ自体は同じポケモンをどう扱うか
という問題です
私は、「あくまでイエッサンという一つの種なのだから、これをダブルカウントするのは不適切だ」と考えました
この考えの背景にはビビヨンがいます
ビビヨンは二十種類のすがたが確認されていますが、これを20回カウントすることは明らかに、むし・ひこうという複合の偏りを強めてしまいます
このような考えを経て、タイプ2率の対象として含むことにした姿違いのポケモンには(ただしタイプが変わらないものは重複させない)という、但し書きを付することで対応しました
苦心の結果生まれたのが↓このタイプ2率だった訳です
もっとも、このタイプ2率については自分の恣意的な選択が多分に含まれることが明白ですから、妥当性について批判があると嬉しいところです
ココガラ・アオガラスについて
ココガラとアオガラスが、世にも珍しい、ひこう単タイプであることについての私見をここで補足します
いわゆる「序盤鳥」はノーマル・ひこうタイプであることが多かったのですが、ココガラはノーマルタイプを有しません
この点については、ソード・シールド(以下、剣盾)という作品の持つ特殊性による、メタな理由ではないかと考えています
ポケットモンスター剣盾は、Nintendo Switchでは初めての本編作品となります
Switchに登場したことで、本作からポケモンを始める人が大勢いたことでしょう(実際に剣盾は素晴らしい売り上げを記録しました)
タイプ相性をよく理解していないポケモン初心者にとって、ノーマル・ひこうタイプのポケモンは少々不親切ではないでしょうか
ひこうタイプの大きな特徴であるところの、「かくとうタイプを半減する」という要素がノーマルとの複合によって消えてしまうからです
私の結論としては、「ココガラがひこう単タイプなのは、相性関係を簡単にするため」です
考えてみれば、ホップの「さすがだぞ!タイプの相性をバッチリ理解しているんだな!」というセリフも、相性関係を一から勉強しなければならないポケモン初心者に向けたものと考えられます
また、剣盾で選べるパートナーポケモン(サルノリ・ヒバニー・メッソン)は、最終進化系になっても単タイプを維持します
いわゆる御三家全員が最終進化系でも単タイプなのは、金銀以来です
このようなところからも、剣盾がタイプ相性を簡単にしようとしたのではないか、と感じます
どくタイプのポケモンについて
ゲンガーは浮遊ではないので、×2です
はい
そうなんですけど、ここでゴースト(ふゆう)を置くのはちょっと違うかなと思ったんです
自説(ここでは、タイプ相性表を作るのが困難であるという説)の説得力を増すために、FRLG環境を元にスライドを作成するというズルをしました。許してください
バリヤードについて(アーカイブ 56:00〜)
時間の都合でやむなく削ったスライドです
ガラルのすがたのバリヤードは生涯原則もリージョン原則も守らない問題児です
一応、バリコオルは、ぱっと見原則で説明がつくかな…とは思っています(バリコオルの足裏やステッキは氷でできている)
また、原種のバリヤードは、波動の力で空気を固めてバリヤーを作るらしいのですが、ガラルのバリヤードは、冷気で氷の壁を作ることで近い生態を示します
ここから、ガラルのバリヤードは、壁を作るという生態において、原種のエスパーに相当する部分をこおり(冷気)でまかなっていると言えます
そう解釈すると、リククラゲの事例のように(水生との対比でじめんタイプ)、サイコパワーとの対比で冷気をタイプ1にしているのかもしれません
ヒスイのマニューラについて(アーカイブ 56:20〜)
オオニューラです。
ヒスイのマニューラ?そんなポケモンはいない
マニューラとヒスイのニューラの説明文を読むと、いずれもツメの先が単なる裂傷に留まらないダメージを与えることがわかります
この「凍傷に至らしめるツメ」と「神経を侵す毒を滴らせるツメ」が対応関係にあると言えそうです
タイプ分類の変更に伴う相性関係の変化について(アーカイブ 57:00〜)
「トゲキッスはノーマル・ひこう→フェアリー・ひこうになった。このとき、いままで等倍だったはずの かくとう技が、1/4倍にまでダメージが落ち込む。ここに整合的な説明をしたい」
といった趣旨のことを述べたのですが、見返してみるといまいち要領を得なかったので、こちらで改めて説明します
第六世代では、フェアリー追加(あるいははがねタイプの相性変更)によって、従来の作品とは違うダメージ計算となりました
そのため、それまで耐えていた技が突然耐えられなくなったり、逆に全く効果がなくなったりしました
このことについて整合的な解釈を施すことは極めて困難です(単純にゲームバランスのための修正・調整と考えられるから)
私は、対戦における「ひんし」という概念の捉え方を変えることで、整合的な解釈を試みます
「ひんし」=「瀕死」ですが、私は実際に死に瀕しているわけではないと、考えます
自分のパートナーを本当に命の危険があるまで追い込むとは考えにくいからです
では、「ひんし」とは何なのか
これはアニメのポケモンで言うところの「戦闘不能」に近いと考えています
戦えはしないが、すぐに起き上がったりはできる状態を便宜上「ひんし」と呼んでいるのではないでしょうか
そう考えると、ひんし状態のポケモンでもひでん技を使えることと辻褄が合います
「ひんし」を、「このポケモンがあのポケモンの〇〇という技を何回喰らったら、もう戦わせられない」という、ドクターストップのようなものとして捉え直します
ポケモン学者やトレーナーの知識理解が変われば、戦闘可能・不能の判断基準も変わってきます
これまでは、「かくとう技を何度も受けたトゲキッスには無理をさせられない」という理解だったものが、分類の変更や相性の理解の変化に伴い「トゲキッスはかくとう技なら結構大丈夫っぽい」という理解になっていった
これが、タイプ分類の変更に伴う相性関係の変化についての私の見解です
以上でプレゼンの補足・訂正といたします
適宜、追加・修正する可能性があります
感想
とても楽しかったです!!
ポケモンのことが大好きな人たちと一緒にポケモンの話ができるというだけでも最高でした!
そして、自分がぼんやりと考えていることでも、発表するために整理してみると、今まで自分でも気づかなかった切り口の視点に出会うことができました
これはプレゼンターとして参加したことで初めてわかったことです
私は何のスペシャリストでもなく、ただポケモンが好きなだけの人ですが、なんとかそれなりの形にはなったのではないでしょうか?
これを読んでいる人で、参加しようか悩んでいる人は、ぜひ参加しましょう!!
私にできるものであればいくらでも協力いたします!
ということで、本当にありがとうございました!
運営の皆様、ご覧いただいたみなさん、他のプレゼンターさん、そしてプレゼンのきっかけとなった絹野布さんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです
また、機会があれば参加しようと思います!
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