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【実話怪談】おかあさん

これは私自身が体験した話です。
2018年の1月末に腰を痛めて、治療のため実家に帰りました。当時、行っていたリハビリも原因が分からず良くなれば良いかな、程度のものでしかなく痛み止めを飲んで対処するしかない状態でした。
実家に戻り通っていた病院を変えたら、痛み止め薬がとても強い薬で自律神経も乱れ体調も崩してしまいましたが、一向に良くなる傾向は見られませんでした。
その薬をやめて別の薬に切り替わってからも崩れた体調は中々回復しませんでした。

それから、少しして7月の末の水曜日。昼ご飯を食べた後、猛暑だったこともあり体調が悪かったため自室で寝る事にしました。その部屋は、玄関入って目の前にある和室で布団は顔をあげると玄関が見える形で敷いていました。暑かったため、タオルケットはあったものの足元に畳んでおいて使いませんでした。

13:30過ぎに妹が仕事から帰ってきました。町医者の受付をしているため、水曜日は半日で仕事が終わるためです。昼食を取り14:00頃に母親と一緒に大型ショッピングセンターに出かけるという話をして家を出て行きました。それから直ぐに寝てしました。

一時間半ほど経った15:30に寝苦しくなって目が覚めました。
「ん?」
と思ったら、顔は動かせるものの手足は動かせませんでした。金縛りか…?と動かせる顔を部屋の入り口を見ると、入り口のドアの上に真っ黒なモヤのかかったものが空中に浮かんでいました。え?何なん??と手足が動かせないことも相まってパニックになりかけたところで、入り口から出かけたはずの母親が入ってきて足元に畳んであるタオルケットをかけてきて

「あれは見なかった。良いね?」
と言ったところで気絶してしまいました。

次に目が覚めたのはそれからまた1時間ほど経った16:30頃で、大型ショッピングセンターに出かけて行った妹と母親が帰ってきたところでした。え?今帰ってきた?さっきのは…と思ったら、足元に畳んでおいたタオルケットはかかっていました。ゾッとして、腰が痛いのを我慢して起き上がり
「お母さん、15:30頃に一度帰ってきた?」
「帰ってないよ。少し遠いんだからわざわざ帰るわけがないじゃん」

確かに、車でも30分は移動にかかるショッピングセンターに出かけていってわざわざ帰ってくる理由はないし、面倒臭がりな母親がそんな事をする訳がないと納得してしました。

それでは、あの時見た黒いモヤとタオルケットをかけてきた母親は何だったのでしょうか。

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