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#本読み対話会 Vol.18 『ネガティブケイパビリティ』

湘南・茅ヶ崎でSiguleが主催している本読み対話会の記録を、記憶を辿りながら書いていくシリーズです。


茅ヶ崎市にある「話せるシェア本屋 とまり木」で始めた読書会。
第18回目は帚木蓬生『ネガティブケイパビリティ』朝日選書をテーマにしました。
(2024年4月20日開催)

副題「答えの出ない事態に耐える力」にあらわれているように、ネガティブケイパビリティという聞き慣れない言葉は、「素早く答えに到達することが良いこと」という価値観に対して、答えを出しきれない・答えが出ないことを良しとして受け入れる能力を意味します。
「かっこに入れる」「判断を保留する」という表現が分かりやすい方もいるかもしれません。

ビジネスの世界でもVUCAと言われ、近い未来でもその予測が難しいことが強調されたりして、答えが出ないことを受け入れる精神性は注目されているのでしょう。

対話会の中でも話題になったのですが、特にビジネスの世界で物事を進めていくときには「答えが出たことにする」という状況が頻発します。
それは、ビジネスが基本的には時間制約がある中で決断を繰り返して物事を進めていく必要があるからで、それによって経済が発展し生活が豊かになってきたことを無視することはできません。
そして、物質的な豊かさと精神的な豊かさを切り離して、「物質的には豊かだけど精神的な豊かさは失われてしまった」と言ってしまうことにも抵抗があります。
精神的な豊かさは、物質的な豊かさに下支えされている面もあると思うからです。

対話会のメモ

この回の対話会は非常に難しかったです。
というのも、テーマを深めていくとどうしても「わかったつもりになってはいけない」という部分に突き当たります。
これは対話会を進めていく上でも大切にしていたことなのですが、本の内容に対しても言えることで、「(ネガティブケイパビリティを)わかったつもりになって話してるかも」という思いが付き纏っていました(笑)

文責:と


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