見出し画像

死後の手続(葬儀・行政手続き・遺品整理等)を友人に頼むことはできるか?

本日は最近耳にすることも多くなった死後事務委任契約について。一般的には士業や身元保証を行う会社などが受任者となりますが、ご友人に頼むことはできるのか?という話し。

あるデパートの一角で無料相談を実施していた際の話しです。相談ブースには税理士や他の行政書士の先生など基本的には相続メインの相談ブースなのですが、せっかくなので相続相談は他の先生方にお任せして「死後事務・墓じまい・改葬」などを担当しておりました。

死後事務って何?って状態の方がほとんどですので、相談者の数は小ないのですが、ある女性からの相談でこんな相談がありました。

当初は自分の代以降に墓守をする人間が絶えてしまうので、お寺に迷惑を掛けないように事前に墓じまいをしたいとの相談です。

心配になるのが、お寺に渡す御布施の額や墓石を撤去する際の費用ですが、相談者のお墓については管理料等もしっかり払われているとのことですからお寺とのトラブルは少ないかと思われます。

墓じまいの話しがひと段落した際にこんな相談もありました。「墓守をする人間がいない状況なので、自分の死後の手続きを誰にやってもらえばいいのかも悩んでいます・・・」と。

いますぐどうこうという年代の方ではありませんが、墓じまいと一緒に自分の今後についても真剣に考えていらっしゃるようで、独身の方やおひとり様と呼ばれる方が高齢になってから直面する問題に早期に準備しておこうとされているご様子でした。

ご相談者の方が悩んでいらっしゃる手続きとして、

・自分の葬儀・納骨
・遺品整理
・行政への届け出
・公共料金等の支払い 等

まさに死後事務委任契約で行う代表的なものばかりでしたので、当事務所でも行っている「死後事務委任契約」について簡単に説明させて頂きました。

ご相談者の要望としては、可能であれば親しいご友人に死後の手続きを頼めないかと考えているご様子で、今回はそれについて考えてみたいと思います。

死後事務委任契約を行う場合に必要とされる死後の手続きを実際に行う相手方(受任者)は別段、士業等の専門家である必要はありません。

ですので、ご相談者の希望の通り、ご友人を死後事務委任契約の受任者として契約することは可能です。ただし、いくつか注意点もあります。

まずは依頼する相手方に事前に詳細を打ち合わせておくこと。これは士業などの専門家ではなく一般の方が死後の手続き、例えば遺体の引き取りや葬儀の代行、その他、遺品整理などの手続きを行う場合はどうしても慣れない作業のため、一般の方が受任者として行うにはかなり負担が大きいものとなります。

次に、受任者の年齢。ご友人ということは恐らく年代的にも近い方を選ばれると思うのですが、死後事務委任契約の特性上その契約の効果が発生(依頼者の死亡)するのは何年も後になることがほとんどです。

ですので、場合によっては依頼者より先にご友人が先に亡くなってしまう可能性も考えておかなければなりません。

せっかく死後事務を委任契約を準備していたのに受任者が先に亡くなってしまい目的が達成できなかった、なんてことのないようにする対策も併せて考えておく必要があります。

また、費用の問題点。死後事務委任では本人が無くなった後に様々な費用が掛かります。

例えば、葬儀の費用、遺品整理の費用、未払いの公共料金に充てる費用、家屋の原状回復費用、各種届出に掛かる費用等、様々な費用が発生します。

これらの出費をどのように補填するのかを事前に考えておかないとご友人やその家族に多大な迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。

このようにご友人の死後の事務を託すのはいくつかクリアする問題点もありますが、事前にしっかりとした打ち合わせと対策をしておくことで可能となります。

最大の問題は、死後の手続きで何に注意して準備しておかなければいけないのか?が、一般の方にはわかり辛いということでしょう。

死後事務委任契約は契約の効果が出た時点では依頼者が亡くなっている契約となりますので、「後で本人に確認すればいい」ということができません。

ですので、疑問に思ったことなどは必ず専門の先生に確認するようにしてくださいね。

また、依頼内容によっては死後事務委任契約ではなく負担付遺贈(遺言書)でも対処可能なケースもありますので、ご友人に死後の手続きをお願いしたいと考えている場合はお近くの専門家に尋ねてみてくださいね。

遺品整理・死後事務のご相談は名古屋の第八行政書士事務所へどうぞ~。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?