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ひろゆきのファイナルファンタジーXIII



ひろゆきのファイナルファンタジーXIII

~「いや、そもそもルシの呪いってリスク高すぎません?」編~

プロローグ

「え、ちょっと待ってくださいよ。コクーン? パージ? ファルシ? なんですか、その胡散臭い設定は。しかも“ルシ”になったら使命を果たさないとクリスタル化とか、リスク大きすぎません?」
 僕――ヒロユキ・ニシムラは、なぜか“コクーン”と呼ばれる空中都市に迷い込んでいた。人々の間では“下界(パルス)”を恐れ、パージ(追放)政策が進んでいるようだが、正直どこから手をつけていいのやら分からない。

第一幕 ライトニングとの出会い

 辺境の移送列車で呆然としていた僕は、淡々と無言で戦う女性――ライトニングと遭遇する。銃剣を手に、奇妙な兵器をバッタバッタと倒していく姿は圧巻だが、あまりにも無謀だ。
「ちょっとライトニングさん、単身で軍隊に突っ込むとか正気ですか? そもそもコクーン政府相手にケンカ売るとか、何考えてるんです?」
「……あんたには関係ない」
「いやいや、僕だって巻き込まれてるんですよ! せめてリスク計算した上で行動しないと! コスパが悪すぎる!」
 しかしライトニングは表情ひとつ変えず、さらなる敵を蹴散らす。背後の少年ホープや、アフロヘアのサッズも戦々恐々だ。

第二幕 ルシの烙印とコクーン崩壊の危機

 ライトニングやサッズ、ホープ、ヴァニラといった面々と合流する中で、衝撃的事実を知る。なんとファルシとやらにルシとして選ばれた者は“使命”を果たさないとクリスタルになり、失敗すればシ骸(しがい)化してしまうという。
「いや、それ完全に詰んでません? どっちにしろロクな未来がないとか……コスパ最悪すぎますって!」
 僕が青ざめて訴えると、淡く元気なヴァニラが笑いながら言う。
「でも、私たちが負けたらコクーンが崩壊しちゃうし……止められるのは、きっと私たちだけなんだよ?」
「いや、そもそも何でそんな大きな責任を背負わされるんですか。ファルシって存在が勝手に決めたんですよね? 人権無視じゃないですか!」
 サッズはため息をつきながら肩をすくめる。
「おっしゃるとおりだが、そうしなきゃ生き残れないんだ。息子を救うためにも、俺はこの道を選ぶしかないんだよ……」
「うわー、やっぱり“家族のため”となると話は別になっちゃうんですね。論破のしようがない……」

第三幕 下界パルスへの落下とサバイバル

 一行はコクーンから下界(パルス)へ逃れる形となり、広大な大地でサバイバルを強いられることに。モンスターだらけで、移動すら命懸け。
「え、こんなモンスターうじゃうじゃ湧いてくる場所でテント泊ですか? しかもファングさん、あっちでもバケモノと戦ってるんですけど……」
 遠目に見えるファングが巨大な敵を豪快に殴り飛ばしている。ホープもバリア魔法を駆使してなんとかしのいでいるが、いつどうなってもおかしくない。
「そもそも皆さん、戦闘能力高すぎません? 僕だけ完全な足手まといでしょ。コスパ最悪っていうか、命がいくつあっても足りないんですけど」
 しかしライトニングは冷ややかに一瞥するだけ。
「戦うしかないんだ。あなたがついて来たくないなら勝手にしなさい」
「いや、置き去りにしたら僕、モンスターの餌食ですけど……」

第四幕 “使命”の正体と仲間との絆

 旅を続けるうちに、“ファルシ”が狙うのはコクーンの滅亡であり、ルシたちにはその片棒を担がせようとしている事実が発覚。だが、ライトニングたちは“運命に抗う”選択肢を模索する。
「要するに、ファルシの思い通りにはさせないってことですよね? でも、もし使命を果たさなかったらクリスタルになれないんですよね……?」
 僕が混乱していると、ホープが意外と冷静に言う。
「だからこそ、僕らは“自分たちの願い”を見つけるんだ。ファルシに押し付けられた運命じゃなく、自分で選んだ道を貫けば、きっと何かが変わるってライトさんは言うんだ」
「うーん、完全に精神論ですけどね……。でも、もはやそれしか手がないなら、応援しますよ。僕は戦えないけど、口だけは出しますから!」

 そんな僕の“口出し”も何とか役立ったのか、ライトニングは少しだけ表情を柔らかくする。
「……あなたの言う“そもそも論”も悪くない。間違いだらけの世界の仕組みを、私たちがぶち壊すためには、大局を俯瞰する視点が必要だから」
「え、褒めてます? 貶してます? よく分からないんですけど……」

第五幕 最終決戦と別れ

 ついにファルシ・オーファンが眠る地へと乗り込む一行。コクーンを破壊する“儀式”を完成させようとするファルシに、ライトニングたちは立ち向かう。
「いや、敵の規模が神話レベルなんですけど。倒せるんですか、こんなの?」
 サッズが苦笑混じりに銃を構える。
「やるしかないだろう。俺らが立ち止まったら、コクーンの何千万の人々が死ぬんだからな」
「そ、そこまで考えてるんですね……。そもそも論よりずっと大きい話になってるわけだ」

 壮絶な戦闘の末、ライトニングたちはファルシの野望を阻止。コクーンを救うことには成功するが、巨大な奇跡の代償として彼らはクリスタル化に近い状態になり、世界に静寂が訪れる。
 僕はというと、その混乱の渦中でいつの間にか強烈な光に呑まれ――気づけばパリの街角に戻っていた。

エピローグ:パリのカフェ

 いつものカフェでカプチーノを飲みながらスマホを眺める。カメラロールには何も残っていないが、体にはまだ筋肉痛と謎の痣がある。
「いやぁ……“運命に抗う”とか、精神論すぎると思ってたけど、なんだかんだでライトニングたちは世界を救ったんだろうな。すごいなぁ」
 ぼんやりと空を見上げると、まるでコクーンが浮かんでいた空の名残のような、うっすらとした虹色の幻が見える――気がする。
「コスパを超えるところに、本当の意義があるのかもしれませんね。まあ、僕はまたフランスでネット生活に戻りますけど」
 そう苦笑いしつつ、スマホで“ファルシ”“ルシ”“シ骸”などと検索してみるが、何ひとつヒットしない。やはり誰にも信じてもらえないかもしれない冒険だ。
「でもまあ、僕の“そもそも”な疑問を超えていくほど、彼らは強かったし、仲間思いだった……。悪くないですよね、そういうの」
 夕陽で金色に染まる街を見つめ、ひろゆきはふと笑みを浮かべる。きっとライトニングやホープ、仲間たちはあの世界で、新しい未来を歩み始めているに違いない。

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