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ひろゆきの真女神転生1
ひろゆきの真女神転生1
―論理で東京の悪魔騒動を短時間終結編―
プロローグ:突如として崩壊した東京
「えー、どうも、ひろゆきです。いやー、東京に来たつもりが、なんか見慣れない荒廃した街並みですよね。 たぶんこれは『真女神転生1』の世界ですよ。
原作だと悪魔が大量に出てきて混沌とした状態になるんですけど、時給換算で戦闘を繰り返すのは大変じゃないですか。 僕ならもうちょっと効率良く話し合いで片づけられないかなっていう感想です。」
見渡すと、崩れかけたビルや大通りのひび割れ、そこかしこに悪魔化した生物や人々の影がうごめいている。
通常の世界観なら主人公(プレイヤー)がコンピュータで悪魔召喚プログラムを使いながら、東京を再構築すべく仲間悪魔を集めて戦うが、ひろゆきは「仲間にして戦うの、めんどくさくないですか」とボソリ。
こうして彼の独断で“論理的交渉だけ”の奇妙なシナリオが始まってしまう。
1. 悪魔との交渉を論破方式で片づける
本来『真女神転生1』では、悪魔と会話をして仲魔にするか、バトルで倒すかを選ぶ流れ。 しかし、ひろゆきはだいぶ独特。
• スライムなど低級悪魔に遭遇:
「戦う理由ないですよね? 時給換算で不毛じゃないですか? さっさと退いてもらえません?」
→ スライム「グルッ…(何も言えず去る)」
• 警察署に潜む悪魔など:
「地上で暴れても最終的に人間に囲まれてやられるでしょ? 時給換算で逆に面倒では?」
→ 悪魔「む…確かに…(目が泳ぐ)」
こんな具合で、ほぼバトルせずに先へ進んでしまう。 召喚プログラムも「別に使わなくてもいいんじゃないです?」とすら言い出し、周囲は困惑。
2. 終盤ルート分岐も論理で回避
『真女神転生1』といえば、秩序寄り勢力(ロウ)と混沌寄り勢力(カオス)といった大きな対立があり、主人公がどちらかにつくか中立を貫くかのルート分岐が重要。
しかし、ひろゆきは両陣営をまとめて交渉テーブル(?)に引きずり出し、一刀両断。
• ロウ陣営:「秩序こそ正義、強い支配で平和を…」
→ ひろゆき:「民衆の同意なしで支配しても、後々コスト跳ね上がりますよね? 時給換算で赤字では?」
→ ロウ勢「……反論できない(黙る)」
• カオス陣営:「力こそ全て、世界を自由に!」
→ ひろゆき:「自由って聞こえはいいけど、秩序がなさすぎるとインフラ崩壊で困るでしょ? 維持費どうするんです?」
→ カオス勢「……言い返せない(途方に暮れる)」
両陣営がそれぞれ意気消沈し、争いが続行不能に。
3. 最終決戦相当の存在も消沈
ゲーム原作では最終的に××××(上位勢力)がロウ/カオスの両方の大物を率いてどうこう… だが、彼は「そもそも東京ぶっ壊して何が得になるの? 誰も幸せにならない」と主張。
結果、上位存在が「…確かに無駄かも…」と自滅的に退くため、最終戦すら行われないまま事件終結。
東京が修復されるかはともかく、少なくとも大きな被害や長期戦は回避できる形に落ち着く。
エピローグ:フランスの帰還、静かな余韻
「いやー、真女神転生1、普通は難易度高いRPGだけど、交渉で全部片づけるなら苦労しないっすね。僕としては時給換算で凄く助かりましたよ。」
フランスの彼のアパート。 配信を終えたあと、夜になって通りを軽く散策している。
ここにはもう危険な悪魔も存在しないし、秩序VS混沌の対立もなく、ただいつもの街があるだけ。彼は「これが一番いいですよね…」と呟き、微笑む。
通行人たちが普通に歩き、店が開いていて、BGMでもかかったカフェの笑い声が聞こえる。そんな当たり前の平和が、異世界の大騒動を一蹴した論理交渉の末に格別に思える…わけでもなく、彼はいつも通り落ち着いた様子だ。
「まあ、皆さんお疲れさまでしたー。次はまた別のRPG世界とか行くんですかね。でも時給換算でスッと終わるならありがたいですよ。
じゃあコーヒーでも買って帰りますか…。」
こうして、真女神転生1の世界はあっさりと争いを失い、ひろゆきは平凡な夜のフランスを楽しむ。 悪魔たちがどう思ったかは不明だが、間違いなく激戦を回避できた世界に人々は救われたのだろう。
彼の足音が闇に溶けていく中、何事もなかったかのように街に夜の静寂が広がる。それだけでじゅうぶんとでも言うように、彼は淡々と帰路についた。
エピローグ:近所の散歩で見かけた3人
「えー、どうも、ひろゆきです。真女神転生1の世界も、話し合いであっさり終わりましたね。
時給換算でほとんど疲れずに済んで、僕としてはありがたかったですよ。」
すでにフランスの平凡な日常に戻り、アパート周辺を散策している。
今日は天気も良く、日差しが柔らかく照っていて、そよ風がさわやかに吹き抜けている。道端では花屋が色とりどりのブーケを並べ、通行人たちが楽しそうに話をしている。
「いやー、やっぱ平和な雰囲気っていいですよね。悪魔とか秩序・混沌とか、何もないのが一番ですよ、時給換算でも。」
ふと視線をめぐらせると、ちょっと先の歩道に三人組がいるのが見えた。
中央にいるのはゲームで言う“主人公”みたいな服装をしていて、左右にはロウ寄りを象徴する白っぽい装いの青年と、カオス寄りを連想させる黒と赤をあしらった男性が並んでいる。
本来なら対立してもおかしくない二人だが、どうやらそこでは楽しげに会話しながら歩いているようだ。肩を並べ、笑い合っている姿が一瞬見えたが、ちょうど雑踏が人波を横切り、次の瞬間には三人の姿は消えていた。
「あれ? 今の三人、主人公、ロウさん、カオスさん…そっくりでしたよね? 仲良さそうじゃないですか。ゲームだと結構厳しい対立してたはずだけど、ここじゃ平和なんですかね。
ま、時給換算で争わないほうがコスパいいし、いいんじゃないですか。特に追いかけてもメリットないし、放っておきましょう。」
そうつぶやいて、ひろゆきはまた歩を進める。
心地よい風が通りを吹き抜け、ほんのりと花の香りが漂う。何の変哲もないフランスの街角だが、先ほど一瞬目にした光景がどこか爽やかな余韻を残している。
「じゃあ、ぼくはコーヒー豆でも買って帰りますかね。お疲れさまでしたー。」
そう言いながら背を向け、夕方へ移ろう陽射しの下をゆっくりと歩いていく。
三人が雑踏のどこかへ消えたことも、今となっては気にしない。平和を感じるにはこれで十分だ——静かな通りに、そよ風だけがさわやかに吹き渡っていた。
――Fin――