
ひろゆきのドラゴンクエストIV
ひろゆきのドラゴンクエストIV
「えー、どうも、ひろゆきです。ここって…ドラクエIVの世界ですかね? “導かれし者たち”ってやつですよね。」
気づけば、どこかののどかな草原に立たされていたひろゆきらしき男。
周囲を見ると、第1章でおなじみのライアンが鎧姿で走っている。「おお、お主は見慣れぬ装いだな。わしは王の命で子どもたちの失踪事件を——」
そこから察するに、これはドラクエIVの“章立て”の冒頭らしい。だが、ひろゆきは「時給換算で無駄ですよね。ライアンさん、子どもさらった敵を論破したら早くないですか?」と、当然のように口出ししてくる。
ライアンは「何を言うか。わしは剣で戦うまでよ!」と気合い十分だが、ひろゆきは呆れたように肩をすくめる。「まぁ、ご自由に頑張ってください。僕は他の章をすっ飛ばしてラスボス攻略しますんで。導かれし者たち全部集めるのコスパ悪そうなんで。」
1. 各章をぶっとばす奇行
• 第2章:アリーナ編
王宮でアリーナが壁をぶち壊して脱走するはず……しかしそこにひろゆきが現れ、「時給換算で王女がムチャするの非効率じゃないですか」とか言い放ち、説得めいた論破を開始。
アリーナは「え、でもわたし強いし? 旅で腕試し!」などと言うが、ひろゆきは「どうせ最後にデスピサロとかいう魔王が出るんですよ。全員集まると長いんで、僕が先に片付けます」とあっさり去ってしまう。
• 第3章:トルネコの野望
通常なら商人トルネコが店を開き、大儲けして最終的に冒険に出る流れ。だが、ひろゆきは「商売で地道にやるより、論破で魔王倒して世界平和にしたら株価上がるんじゃね?」と進言。
トルネコは「ほほう…それも確かに稼げそうですな」と目を輝かせるが、ひろゆきは「僕はもう行くんで。トルネコさんは自由にどうぞ。時給換算でそっちのほうが楽しいならやればいいし」と言い残して立ち去る。
• 第4章:マーニャとミネアの復讐
姉妹が父エドガンの仇・バルザックを討つため奮闘するはずだが、ひろゆきがタイミングよくバルザックを見つけ、謎の「データあります? お前の錬金研究って何かメリットあるんですか?」と論破アタック。
いきなりバルザックが「うぐ…」と動揺し自滅してしまい、姉妹の出番ほぼ終了。
こうして、本来の各章ストーリーをほぼ無視し、ひろゆきは**ひとり勝手に最終章(第5章)**へショートカットする。ライアンたちは「え、待て、俺たち何もしてない!」と嘆くが、誰も彼を止められない。
2. 第5章:デスピサロへの直行ルート
通常なら、第5章で主人公(勇者)が仲間を集め、エスタークを倒して…と長い旅を経て魔王デスピサロとの最終決戦。
ひろゆきは勇者の村(幼少時に滅ぼされた)がどうとかまるで気にせず、一足飛びにエスタークのもとへ行く。(情報はメタ推測か論破交渉か謎の裏技か…)
• エスタークが眠りから目覚めるのを待たず、論破発動。「あなた永遠の眠りから起きても世界破壊する気なんですか? それって何が得られるんです?」
瞬く間にエスタークが「むにゃむにゃ…? え…」と混乱し自滅。
続けて魔界の奥でデスピサロを発見。彼は「人間こそ諸悪の根源、エルフのロザリーを殺したのも人間…この憎しみで世界を滅ぼす!」と怒りに燃えている。
だが、ひろゆきが静かに口を開く。
ひろゆき: 「デスピサロさん、確かに人間に恨みあるのはわかります。でも時給換算で言うと、世界を滅ぼしてもあなたまで大変ですよね。しかもロザリーさんが望んだのはそんな復讐? データ見れば違うんじゃないですか?」
デスピサロ: 「ぐ…おお…人間は憎い…が……っ!」
怒り狂うデスピサロが魔王形態に変身しかけるが、「そもそもロザリー殺したのはごく一部の悪人」と追撃論破され「全人類への復讐は合理性ゼロ」と突きつけられ、絶句。
ひろゆき: 「実際、ロザリーさんが望むのは平和だと思うんで。あなたが世界を破壊して何が得られるんですか? コスパ最悪ですよね。」
デスピサロ(崩れ落ち): 「…ああ…わたしは…何を…」
やがて光に包まれ、魔王形態が自壊。彼はピサロとして穏やかな姿に戻り、「そうか…ロザリー…すまなかった…」と涙する。
こうして世界の危機は一瞬で終わり。勇者や仲間たちが到着する頃には、魔王城は静まり返り、ピサロが改心し「人間との共存を考えてみる」と告げる。
ライアン、アリーナ、トルネコ、マーニャ&ミネア、そして本来の勇者が「え、何これもう終わり!?」と呆然。
3. 帰還とエピローグ
ひろゆきはすでに満足げ。「時給換算で最短クリアですね。導かれし者たちも大して活躍せず済みましたけど、まぁいいですよね」と言い放ち、さっさと帰り支度。
勇者が「ま、待って! あなたのおかげで世界は救われたけど…誰なんだ…?」と聞いても、ひろゆきは「データないんで証明できませんが、僕、フランス在住なんで。さようならー」と謎の光に包まれ消えていく。
ドラクエIV世界は本来の大団円イベント(勇者と仲間たちが魔王城で劇的勝利)が吹き飛ばされ、あっという間に平和が訪れる。パーティーは「こんな結末、馬鹿げてる…」と拍子抜けだが、人々は平和ならよしと満足。
ピサロさえも「ロザリーの仇…もういい。わたしが過ちに気づけたのは、あの男のおかげだ…」と呟きつつ、静かに旅立つ。
おわりに:
まさかの論破で全て片づいたDQ4――導かれし者たちは出番少なめ。ひろゆきは「コスパ最強のクリア」という実績を心の中でドヤ顔しながら、また元の世界へ帰ったとか、帰らなかったとか。
エピローグ:フランスでの配信ルームにて
「えー、どうも、ひろゆきです。いやー、デスピサロさんを論破して帰ってきちゃいましたね。気がついたら僕、PCの前に座ってるんですけど、時給換算で見ても不思議な話ですよね。」
フランスのアパートの一室。
いつもの配信ルームで、デスクトップPCのモニターを見つめるひろゆきらしき男。窓の外にはパリの街並みが薄く広がり、生活音がかすかに聞こえている。
つい先刻まで魔王デスピサロを論破し、「ドラクエIV」を一瞬で平和に導いたはずだが、今はごく普通の日常に戻っている。
「データがないんで証明できないんですけど、ドラクエIV世界って章ごとに仲間が集まるんですよね。でも僕、導かれし者たち全部無視して魔王のとこ行っちゃったから、あの人たち活躍する暇なかったと思うんですよ。ま、時給換算で最短ルートはあっちの世界でも優位があったんで、いいんじゃないっすかね。」
PC画面には視聴者からの書き込みが流れてくる。「ひろゆきさん、この数日行方不明でしたけど何してたんですか?」「DQ4論破って何w」など、疑問だらけのコメントが並ぶが、彼は苦笑するだけだ。
「なんかユーザさんから“嘘だー”って言われても、データないですし。僕も正直、いつの間にか行って、いつの間にか魔王納得させて帰ってきた感が強いですから。そういうことにしときますかね。お疲れさまでしたー。」
コーヒーを一口飲むと、いつもの配信が始まり、普段通りの雑談モードへ移る。
しかし、彼の机の片隅にはロザリーヒルの花と似た不思議な造花がこっそり置かれており、かすかにドラクエIVの記憶を感じさせる。
「時給換算で最高効率でしたね。また何かあれば論破するんで、皆さんよろしくお願いします」と呟きながら、ひろゆきは配信を続ける――。
――Fin――