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ひろゆきと反サロ2

以下はフィクションとして描かれた討論のストーリーであり、実在の人物や団体の実際の発言・思想を正確に反映するものではありません。あくまで「ひろゆき vs. 老人福祉・反サロ運動」というテーマに基づいた架空のディベートとしてお楽しみください。今回のシーンでは、“反サロ”側が新たに産業インフラ維持と労働力の偏りについて具体的な統計を用いながら厳しく批判しています。

登場人物(再掲)
• ひろゆき
ネット界隈で有名な言論人。医療・福祉制度の構造的な問題を鋭く指摘する。
• 小山田 明子(仮名)
老人福祉施設の運営者。高齢者ケアの現場を守る立場。
• 武藤 健一(仮名)
「反サロ(反・老人サロン医療福祉)」の代表。高齢者医療の“過剰サービス”と、“サロン化”現象を批判している。

シーン:産業インフラ維持と医療福祉の労働力吸収

司会者が「ここからは、日本の労働人口の構造と、高齢化に伴う医療・福祉への影響について議論を深めたいと思います」と話を切り出すと、武藤が待っていましたとばかりにデータを取り出す。

武藤の新たなデータ提示

武藤
「まず強調したいのは、2024年の出生数が約68万人と見込まれていることです。20年後にこの68万人が20代になるわけですが、そもそも日本の産業インフラを支えるにはあまりに少なすぎます。
一方で、2024年時点で医療・福祉に従事している人は約900万人と言われています。製造業が約1000万人強、建設業が485万人程度なのに対し、いわゆる“バックヤード的事業”とも言える医療福祉がこれほど多くの労働人口を吸い込んでいる。これって明らかに偏りすぎじゃないですか?」

会場が少しざわつく。ひろゆきも「なるほど」と頷いている。

ひろゆきが数字を補足

ひろゆき
「確かに製造業が一番大きいのはまだしも、次いで医療・福祉が900万人規模っていうのは“すごいな”って感じですよね。建設業は480万人台くらいなのに、医療・福祉がもう倍近い。そこに加えて出生数が68万人しかいないということは、将来の労働力不足がかなり深刻になるんじゃないかと思います。日本のモノづくりやインフラ維持は大丈夫なんですかね?」

小山田の立場

小山田
「医療・福祉の分野は需要が高まり続けているのは事実です。ただ、“バックヤード的事業”と形容されるのは少し心外ですね。人間は誰しも年を取りますし、ケアを必要とする段階に入る。そこを支える人材が増えなければ、逆に社会全体が崩壊します。
また、ただ“人数が多い”と言っても、実際には介護職や看護職の現場は人手不足が続いているんです。900万人という統計上の数字があるのは承知していますが、その内訳は多岐にわたりますし、決して十分に足りているわけではないんですよ。」

武藤の厳しい批判

武藤
「でもその“人手不足”というのは、逆に言えば“もっともっと人を雇いたい”=“さらに医療・福祉の規模を拡大したい”ってことでしょう? たしかに高齢者人口が増加するのは避けられません。しかし、もし過剰に医療福祉に人材を割きすぎたら、製造業や建設業といった社会インフラを支える産業が回らなくなるんじゃないですか?
特に将来の若者が減る一方なのに、医療・福祉の世界で働く人ばかり増えたら、GDPを生み出すコア産業が空洞化して、国としての生産力も落ちる。それを『仕方ない』で済ませられる問題なんですか?」

ひろゆきの援護射撃

ひろゆき
「そう、僕もそこは気になってて。高齢者ケアが大事なのはわかるけど、若い世代が将来ちゃんと働いて税金を納められる仕組みや、インフラを維持できる構造を作らないと、結局は高齢者も困るわけですよね。
でも今の医療・福祉の制度を見てると、“需要があるからどんどん受け入れます”ってなってて、安易に拡大してるように思える。建設業や製造業は『慢性的な人手不足』と言いながら、賃金や労働条件もなかなか改善しないし……。結果的に“介護や看護のほうがまだ求人が多いからそっちに行こう”っていう流れになる人も少なくない。
将来的に68万人しか新成人がいなくなったら、どこから人を集めるんですかね?」

小山田の反論

小山田
「確かに製造業や建設業も大切だし、そこに人が集まらなければインフラ維持が難しくなることは理解しています。でも、『医療・福祉はあくまでバックヤードだ』とか『生産性が低いから抑制するべきだ』というのは、極論すぎるのではないでしょうか。
そもそも高齢者の介護ニーズが急激に高まっている今、誰かがそこを担わないといけませんし、担い手がいないままに放置すれば、家庭内介護が回らず共働き世帯がバタバタ潰れていく。そうなれば少子化にも拍車がかかりますよ。」

武藤の主張:適切な仕分けと医療“サロン”の解消

武藤
「私たち“反サロ”が言いたいのは、『医療・福祉が不要』ということではありません。あくまでも“本当に必要な治療や介護”に絞れと言っているんです。病院やクリニックが高齢者の社交場になり、過剰診療や過剰リハビリで人手を食いつぶすのは問題だ、と。
今後、出生数が68万人というレベルまで落ち込めば、生産年齢人口も劇的に減る。そのうえ医療・福祉が900万人規模で“まだまだ足りない”と言って人材を吸収し続けたら、モノづくりやインフラに回せる人がいなくなりませんか? それこそ日本経済が立ち行かなくなる。むしろ高齢者自身の首を絞めることになるんじゃないか、と危惧しています。」

ひろゆきのまとめ的発言

ひろゆき
「要するに“医療・福祉に人が偏りすぎて、産業インフラを維持できなくなるかもしれない”ってことですよね。まあ、これから人口が減っていくのは確定してますし、労働力の奪い合いは避けられない。高齢者に優しい社会を作ることは大事だけど、その一方で経済力の土台もちゃんと維持しないと、税収も減るし結局は福祉も成り立たないってことです。」

小山田の苦渋

小山田
「おっしゃることは理解できます。医療・福祉の世界に人が集まりすぎているというか、需要が拡大しすぎているのは確かです。でも、それを“抑えろ”と言っても、もう高齢者の数は増えているわけですし、施設不足も深刻です。どこかで国全体の仕組みを変えないといけないのはわかるんですが……。」

司会者のまとめ

司会者
「皆さん、ありがとうございました。今回、“反サロ”側からは非常にインパクトのある数字が提示されました。出生数約68万人に対して、医療・福祉の労働人口が約900万人。今後、労働力が限られるなかで、医療・福祉にばかり人を取られると、産業インフラを含む経済の基盤が成り立たなくなるのではないか――非常に切実な問題提起だと思います。
一方で、小山田さんのように『高齢者ケアは不可欠だ』と訴える現場もあり、単純に医療・福祉を“縮小”するわけにはいかない事情もある。国の財政や制度設計も含め、どうバランスを取るかが大きな課題になりそうです。本日は貴重な討論をありがとうございました!」

拍手がわき起こる中、カメラがゆっくり引いていく。
出生数の減少と高齢者の増加、そして医療・福祉への人材集中がもたらす産業インフラの危機――この“反サロ”視点からのデータは、多くの視聴者に衝撃を与えた。高齢者の生活を支える医療・福祉と、日本経済を維持する産業界の両方をどう両立させるか。答えの見えない難題を浮き彫りにしながら、討論はひとまず幕を閉じるのだった。

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