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ひろゆき in FF7
ひろゆき in FF7
「えー、どうも、ひろゆきです。……ん? ここってミッドガル? ていうかFF7じゃないですか。」
どこからともなく現れた謎の男・ひろゆき。偶然そこに居合わせたクラウドとバレットに「なんだ、その服装」と怪しまれるが、当の本人は「時給換算で考えると帰りたいんですけど…」とぼやいている。
そこへ大きな刀を携えた男が姿を見せた。長い銀髪と冷たい緑色の瞳が凄む、伝説のソルジャー――セフィロスである。
1. ミッドガルの路地で
セフィロス: 「クラウド……この星の命運は私が握る。星の力を集め、メテオを呼び、すべてを母ジェノバに……」
クラウド: 「またメチャクチャ言ってんのかよ! お前を止める!」
そこに突如、ひろゆきが口を挟む。
ひろゆき: 「えー、セフィロスさん。メテオ落として星壊したら何か得あるんですか? 時給換算で言えば、そんなに頑張っても自分まで大変ですよね。生きる場所なくなるじゃないですか?」
セフィロスの緑の瞳がピクリと揺れ、眉間のシワが深くなる。
「星を我が物とし、至高の存在に……」と言いかけるが、ひろゆきはさらに追撃。
ひろゆき: 「いえいえ、データあります? 自分が神になるとか言っても、誰も崇めてくれない廃墟に君臨してどうするんです? 計画破綻してますよね。しかもジェノバが寄生生物って話で、むしろあなたが利用されてる可能性高いかと。」
2. 短期決着
セフィロスが刀を少し構えかけるが、徐々に表情が硬直していく。
「……利用されている、だと? この私が……」
ひろゆきが淡々と畳みかける。
ひろゆき: 「そうじゃないですか。メテオ落として破滅させたって、結局ジェノバ本体が得するだけで、あなたのメリットないですよね。やめときません?」
クラウドが「何だ、この展開……?」と目を白黒させているうちに、セフィロスは苦しげに口を開く。
「そんな…私が……間違っていた……?」
そしてスッと長刀を収め、背を向けるように消えていく。薄く光が漂い、緑の瞳が名残惜しそうに細められ――そのまま闇に溶ける。
バレット: 「マジかよ、これで終わりなのか? セフィロス倒すんじゃなくて、勝手に去っちまったぞ……」
クラウド: 「え…おい、ちょっと…」
ひろゆきは肩をすくめる。「時給換算でいえば最短クリアですね。お疲れさまー。メテオも来ないし、星も無事でよかったじゃないですか。」
こうして、セフィロスが自らの矛盾を悟り、メテオ計画を放棄したため、FF7世界の危機はあっけなく終焉を迎えた。クラウドたちは肩透かしを食らいながら、神羅の問題を地道に処理しつつ、世界を平和へ導いたという。
ひろゆきはいつの間にか姿を消していたが、一部の都市伝説で「星を救った謎の論破男」と囁かれたとか囁かれなかったとか。
それでも人々は口をそろえてこう言った――「セフィロスの緑の瞳が一瞬迷いを帯びたのが、すべてを変えたんだ」と。
エピローグ:現在のフランス
「えー、どうも、ひろゆきです。いやー、帰ってきましたね、フランス。…いや、あれは何だったんですかね。」
フランスのとあるアパートの一室。壁には書籍とPCが並び、いつもの配信セットがある。ひろゆき(らしき男)は椅子に腰かけ、コーヒーを啜りながら独り言を続けている。
「この前まで、“ミッドガル”だの“セフィロス”だの言ってた気がするんですよ。いや、時給換算で考えて絶対行きたくない世界だったんですけど、なんか気づいたら論破して帰ってきたんですよね。
で、そっちの世界の人たち無事なんですかね? セフィロスさん、結局納得して消えちゃったし……」
窓の外は曇り空。パリの街並みが遠くに見えて、車のクラクションがかすかに聞こえる。ごく平凡なフランスの日常に包まれているはずだが、ひろゆきの机の上に何やら妙な球体が置かれている。それはどこかマテリアを思わせる光を帯びているが、さすがに誰も気づいていない。
「ま、データないし証明できないですよね。ファンタジーだって言われたらそれまでで。…あれを論破するだけで終わっちゃうって、時給換算で一番楽な展開でした。
じゃ、またフランスで配信に戻りますか。お疲れさまでしたー。」
そう言うと、ひろゆきはPC画面に向き直り、いつものように配信を始めた。
あの壮大なRPG風の世界で短いながら繰り広げられた冒険の記憶は、まるで夢のように胸に残っている――でも、本人は「データないですしね」と一言で片づけるのだった。
――Fin――