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ひろゆきの真面目なファイナルファンタジー1攻略

<序章:ひろゆき、コーネリアに現る>

ある日、ひろゆきは突如として不思議な光に包まれ、気がつくとファイナルファンタジー1の世界、コーネリアの町の外れに立っていた。
「え、ここどこ……? なんでこんなファンタジーっぽい世界に?」
普段は飄々としているひろゆきだが、この状況にはさすがに困惑を隠せない。だが、すぐに「ここはFF1の世界では?」と気づくと、彼の理系的好奇心と論理的思考が刺激され始める。

ひろゆきは町に入ると、王様から「闇の力に囚われた姫を助け、クリスタルを取り戻して欲しい」という定番の依頼を受ける。ゲームの知識を持つプレイヤーとしては「そうそう、最初はガーランドを倒すんだよね」と思いつつも、今回はプレイヤーではなく“当事者”として行動しなければならない。

「この世界だと、普通は剣とか魔法が強いらしいけど……それなら銃を作ったらもっと楽に攻略できるんじゃない?」
いつもは軽口ばかりのひろゆきだが、今回は“真面目”に「銃の開発」を思いつく。

<第一章:銃の開発計画>

FF1の世界は中世ファンタジー風。火薬の知識も一般には存在しない。だが、科学技術の基礎をある程度知っている現代人のひろゆきからすれば、原材料さえ手に入ればなんとかなるのではないか、と考えた。

まずは銃の設計図を頭の中で描き、火薬の材料となる硝石(硝酸カリウム)、木炭、そして硫黄を探す必要がある。
「硝石は洞窟や古い遺跡の壁で採れることがあるし、硫黄は火山地帯に行けば見つかりそう。木炭は適当な木材を焼けばいいわけだ」
ひろゆきは情報収集のため、町の学者や商人、旅人からあらゆる噂を聞き出した。ある学者は「この先にある沼地の洞窟には珍しい鉱物がある」と教えてくれた。これがひろゆきの探索の第一歩となる。

沼地の洞窟はスライムやアンデッドが出没する危険な場所だが、ひろゆきはゲーム知識を総動員して、最低限の戦闘スキルと装備を整えて出発する。さらに仲間として冒険者を3人雇い、簡易パーティを結成した。

<第二章:素材探索と試作>

沼地の洞窟で様々なモンスターを撃退しながら奥に進むと、壁際から白い粉状の鉱脈を発見した。これが硝石だと思ったひろゆきは、大量に採集し袋に詰める。パーティの仲間たちは「こんな白い粉、何に使うんだ?」と不思議がるが、ひろゆきは得意げに「まあ、ちょっとした化学兵器――というか、火薬を作るんですよ」と答える。

次に狙うは火山地帯での硫黄だ。FF1の世界には「グルグ火山」が存在する。もともと火山ダンジョンは強敵が多いが、まだストーリー序盤の段階で行くには危険。
「まあ、ゲームだと順番違うかもしれないけど、目的があるなら仕方ないよね」
ひろゆきは途中の雑魚敵や火山の熱気で体力を削られながらも、噴気孔付近で硫黄の結晶を見つける。

町に戻ると、木材を焼いて木炭を作り、硝石・硫黄・木炭を慎重に配合して火薬を生成。最初のうちは量や比率の失敗で、爆発寸前になったり煤だらけになったりしてしまう。だが、試行錯誤を繰り返し、ようやく安定した火薬が完成する。

次なる課題は「銃本体」の製作だ。鍛冶屋と相談し、単発式の火縄銃に近い形を模索する。銃身には強度の高い金属が必要なので、モンスターから得られるレアドロップの鉱石などを使い、丁寧に鍛造する。鍛冶屋は「剣や斧ならともかく、こんな細長い筒を作れと言われてもな……」と困惑しつつも、報酬と興味に背中を押されて協力してくれた。

<第三章:初陣・ガーランド戦>

こうして完成した試作銃を手に、ひろゆきたちはコーネリアの北にあるカオス神殿へ向かった。目的はもちろん、姫を攫ったガーランドの討伐である。

「まあ最初のボスだし、普通に剣で戦っても勝てるはずだけど、一応試し撃ちしてみたいよね」
パーティの仲間たちは弓矢や魔法で支援する中、ひろゆきは「火縄銃」を構える。火薬と弾を装填し、火縄に点火。

カチッ…ボンッ!
少し遅れて銃口から火花と共に弾丸が発射される。まだ調整不足のせいか、標的にはやや逸れてしまったが、その破壊力は剣の一撃に勝るとも劣らない。驚きの爆音と威力に、ガーランドも一瞬身構えた。
「へえ、悪くないね。ちょっと着弾がずれたけど、慣れればいけるでしょう」
ひろゆきは落ち着いた表情のまま、再び装填を始める。

仲間の剣撃や魔法がガーランドを牽制する中、ひろゆきがもう一発撃ち込むと、ガーランドは「ぐはっ」と怯んだ。
「おまえたち……なぜそんな奇妙な魔法もどきを使う……!」
ガーランドが苦しげな声を上げる。ゲーム的には倒されても仕方のない立場だが、銃という“前例のない武器”で攻められたことで心理的にも追い詰められたのだろう。最後は仲間がとどめを刺し、無事に姫を救出。これでコーネリアの人々からは大きな信頼を得ることに成功した。

<第四章:カオスのしもべたちとの戦い>

銃の基本的な形が完成し、「これは使える」と確信したひろゆきは、次なる課題として“量産”と“改良”に乗り出すことを考える。
「火縄銃もいいけど、もう少し命中率や装填スピードを上げたいね。あとは連射できるようになったら最高だけど、弾倉とか回転式とか、中世技術でできるかな……」
パーティの一人が「そこまでいくと魔導兵器みたいだな」と茶化すが、ひろゆきはいたって真面目だ。

火薬の安定供給を図るため、硝石や硫黄の採掘ルートを確保し、さらに町の職人や鍛冶屋を巻き込み、簡易的な作業場を設営。名目上は「遠距離攻撃用の新兵器研究所」だが、実際にはほぼひろゆき個人のライフワークとなっている。

ガーランドの次に立ちふさがるのは、土・火・水・風を司る4体のカオスのしもべ“Four Fiends”だ。
• 土のカオス:リッチ(Lich)
• 火のカオス:マリリス(Marilith)
• 水のカオス:クラーケン(Kraken)
• 風のカオス:ティアマット(Tiamat)

まず土のカオス・リッチを倒しに行くが、アンデッドに対しては銃撃は通常通りのダメージを与えるだけではなく、火薬の爆音で霊的にもショックを与えるのか、かなり有効打となった。
続く火のカオス・マリリスは溶岩地帯に棲む強敵だが、鍛冶屋が特別に調整してくれた「耐熱強化」された銃身を使い、一撃必殺を狙う。魔法職の仲間が補助魔法を駆使してマリリスの力を削ぎ、そこにひろゆきの銃弾が命中し撃破。

水のカオス・クラーケン戦では、水中や水辺での戦闘ゆえに火縄部分の火が湿気にやられやすい問題が浮上した。だが、ここでひろゆきが考案したのは「防水加工した火縄の予備を複数用意し、必要に応じて取り替える」作戦。これにより複数回の射撃を可能にし、クラーケンにも決定打を与えた。

そして風のカオス・ティアマット戦。高所での戦闘となるので、銃の射程を活かせる。ティアマットの竜巻攻撃を巧みに避けつつ、複数人が銃を使って遠距離狙撃することで、無理に接近せず安全に削っていく。

<最終章:カオス(混沌)への挑戦>

四体のカオスを倒した先に待ち受ける真のラスボス“カオス”――実はガーランドが時のループを操りカオスとして復活した存在である。もともとガーランドは銃を見て驚きを隠せない様子だったが、今やカオスの力を得て余裕の笑みすら浮かべる。
「おまえたちのその奇妙な武器、私が作り出す闇の力に通じると思うか……?」

しかし、ひろゆきの銃はすでに“改良型”へと進化していた。鍛冶屋や学者たちの協力を得て、各種素材や魔法石を埋め込んだ強化版である。装填時間も短縮され、弾丸がクリスタルの力を帯びることで属性攻撃も付与できるようになっていた。

「こっちはあんまり難しい話はしないけど、『貫通力+属性ダメージ』を付与してるからさ」
と言いつつ、ひろゆきは真面目な表情で狙いを定める。

カオスは強力な全体攻撃や時間歪曲魔法を次々と放ってくる。仲間たちが重傷を負う場面も多いが、ひろゆきが確実に一発一発を命中させていくことでカオスの体力を削り取る。最後は、ひろゆきが放った渾身の“クリスタル弾”がカオスの胸を貫く。
「ぐおおお……なぜ……騎士ですらない男に……敗れるとは……」
崩れ落ちるカオス。時のループは断ち切られ、ファイナルファンタジー1の世界は再び平和を迎えた。

<エピローグ:FF1世界の未来とひろゆきのその後>

最終決戦を終え、クリスタルが輝きを取り戻した世界では、人々が新たな技術に目を向け始めていた。銃の存在を知った鍛冶屋や学者たちは、「この火薬と金属の融合に、さらなる可能性があるのではないか?」と探究心を燃やしはじめたのだ。

「もしかしたら、このまま火器が普及していったら、チョコボ騎兵とかそういうのがメインの世界じゃなくなっちゃうのかな。いや、どうなるんだろうね」
ひろゆきは、一仕事をやり遂げた安堵感と同時に、世界の行く末に一抹の不安を覚えていた。自分が持ち込んだ知識によって、このファンタジー世界が大きく変化していくかもしれない――そんな責任の重さを真面目に受け止めたのだ。

一方で、「まあでも、これで世界は救われたし、姫も助かったし、ちゃんとハッピーエンドじゃない?」とも考える。相変わらず飄々とした調子でそう言いつつも、彼の中には「銃があればバハムートすら楽に倒せるのでは?」という野心と、同時に「テクノロジーの発展による弊害」を憂慮する真面目な部分が同居している。

こうして、ファイナルファンタジー1の世界では、ひろゆきの発明によって“小さな革命”が起きた。剣や魔法だけに頼らない新たな選択肢が、これからの冒険者たちの戦い方を大きく変えていくのかもしれない。


<エピローグ:現代のフランスにて>

コーネリアの王宮で盛大な祝賀会が開かれ、姫や王様、そして人々から絶大な感謝を受けた翌朝。
ひろゆきがふと目を覚ますと、そこは見慣れたパリの薄暗いアパートの一室だった。
「あれ? 夢……だったのかな……」
いつものように淡々とした口調でそうつぶやきつつ、彼はスマホの時間を確認する。どうやら長い睡眠をとっていたようだが、不思議と体には大冒険の疲労感が微妙に残っている気がした。

しばらくして、ひろゆきはいつものようにフランスの街角のカフェへ出かける。
パリの朝はまだ少し肌寒いが、香ばしいクロワッサンとエスプレッソの香りに包まれた空間は、FF1の世界とはまるで対照的。
「うーん、やっぱりこの雰囲気は嫌いじゃないよね」
窓の外には石畳の通りを行き交う人々の姿。ファンタジーのモンスターも魔法も存在しない、当たり前の日常がそこにある。

カフェのテラス席に腰かけ、いつものように気だるげにノートパソコンを開いてSNSをチェックする。日本のニュースや欧州のニュースが飛び交う中、彼の頭にはまだ剣と魔法の記憶が鮮明に残っていた。
「もしこの世界に銃や火薬の技術を持ち込んだら、いろいろ問題起きるよね……」
小さく笑いながら、フラッシュバックのように思い出される火縄銃の轟音とカオスとの死闘。

食事を終えたひろゆきは、アパートに帰宅してネット配信の準備を始める。いつもの“配信机”に座って、マイクの位置や照明を整えるのはごく日常のルーティンだ。
ところが、ふと視線を横にやると、机の隅に小さなクリスタルがあるのが目に入った。
「……?」
記憶の中のFF1世界で輝いていた“あのクリスタル”とそっくりだ。まばゆい光を放っているわけでもないのに、よく見ると微かな虹色の反射が絶えず動いている。

ひろゆきは戸惑いながらも手に取ってみる。すると一瞬だけ、コーネリアの王宮や仲間たちの姿が脳裏をよぎった。すぐに我に返り、静かにクリスタルを机に戻す。
「やっぱり夢じゃなかったのかもね。まあ、ここで話しても誰も信じないだろうけど」
どこか嬉しそうな、でも少しだけ寂しげな表情を浮かべるひろゆき。その手から離れたクリスタルは、まるで命を宿したかのように一瞬だけ輝きを増した。

ひろゆきは姿勢を正してパソコンを起動し、いつもの配信ソフトを立ち上げる。自分の声がマイクを通じてテスト音声に乗ると、「さて、今日も適当に雑談でもしていきますか」と、何食わぬ顔でいつもの配信を始めた。
しかし、机の片隅に置かれた小さな結晶の光だけは、確かにこの世界にはないものを映し出している――ひろゆきがファンタジーの世界で刻んだ軌跡の証として。

こうして彼は、再びいつもの日常へと戻っていく。けれど、あの不思議な冒険の日々が胸の内で消えることはない。あの世界を救ったという誇りと責任を、ひろゆきはどこか静かに、けれど確かに感じながら、パリのアパートで今日も配信を続けるのだった。

──机の片隅で淡く光り輝くクリスタルは、まるで新たな冒険が始まる予兆のように静かに揺らめいている。


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