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インタビュアーは何を考えてインタビューしているの?

しごとば劇場のインタビュアーとして、様々な経営者のインタビューをしてきました。
ありがたいことに、インタビューした経営者から「思考が整理されて自分のやるべきことを言語化することができた」と感想をいただくこともありました。
質問によって話の展開が変わってくるのがインタビューですが、インタビュアーの私が何を考えているのかをお伝えしたいと思います。

事前準備

事前準備では、出来る限りの経営者の情報を集めます。

露出の多い経営者なら、直近の情報や経営の歴史がわかる情報を中心にチェックします。
露出の少ない経営者が、少し大変です。

会社のホームページ・採用ページだけでなく、会社のブログやSNSがあれば併せてチェックします。さらに、経営者の名前で検索をして、ブログやSNSで情報発信をされていないかチェックします。

SNSをチェックすることで、経営者が何に興味があって、何を発信したいのかということが把握できます。この情報があるだけで、インタビュースタート時からマインドセットを経営者に合わせることができるので、話の展開が変わってくると思います。

どうしても情報が足りないときは、経営者を紹介してくれた方に事前にヒアリングをします。

・経営者が起業する前に何をしていたか
・起業してから今に至るまでざっくりとした歴史
・紹介者から見た経営者の推しポイント
・経営者のパーソナリティ(趣味とか)

この辺りをヒアリングしておくと、記事の方向性(伝えたいエピソード)を事前に決めることができます。

当日のインタビューでは、記事に掲載すること以外の内容もあえて質問しています。そうすることで、経営者の緊張をほぐすことができますし、記憶を過去から順番に追っていくことで素敵なエピソードを思い出してもらえることもあります。

経営者の記憶を掘り起こしながらインタビューをするので、事前に方向性を考えておかないと、約束の時間内に終わらなくなってしまいます。

インタビュー中

インタビュー中は、お話を聞くことに一番意識を向けていますが、その他にも頭の中ではグルグルと考えていたりします。

■ 雰囲気づくり

インタビュースタート時は、まだ経営者にエンジンがかかっていない状態です。

まずは、自己紹介で自分のパーソナリティ(私の場合はフリーランスになった経緯など)をお話することで自己開示をして、経営者側でも開示しやすい心理状況を作ります

そしてすぐに本題に入らずに、答えてもらいやすい質問からスタートするようにしています。

経営者から笑顔が見えたり、肩の力が抜けてきたように感じたら、本題の質問をしていきます。

話の展開

事前に考えていた伝えたいと思うエピソードについて触れます。
ただ、第三者から見て良いと思ったエピソードなので、当事者に聞くと印象が変わることもあります(変わることの方が多いかもしれません)。

事前に準備はしますが、そこにとらわれずに、そのとき面白いと思ったことを深堀りして聞いていきます。

注意が必要なのは、”自分”が面白いと思ったことではなく”読者”が面白いと思えることを深堀りしなければならないです。

しごとば劇場では、求職者に読んでいただく想定なので、従業員側の目線で面白いと思ってもらえることを念頭に置いて質問をします。

私は「組織」や「ビジョン」という話題が好きなので、その質問をしてしまう傾向があります。自分の傾向を把握しておくと、話がその方向に行き過ぎてしまったときに気付きやすいです。

■ 表情

しごとば劇場は、第三者視点の記述となるため、表情や身振り手振りもメモしておくことが大事です。

「笑顔で語った」「熱をこめて語った」「辛い心境を吐露した」

このような表現は、インタビュー中の表情や行動を見て、経営者の感情の動きをメモしたものを使いました

エピソードだけでなく、経営者の人柄も伝えることがインタビュアーの仕事だと考えています。

インタビューでは録音もさせて頂いているので、メモに集中するよりは経営者の表情を逃さないように意識しています。

■ 時間

だいたいインタビューは1時間前後のお時間を頂いています。
話が盛り上がってしまうと、あっという間に時間が過ぎてしまいますので、ときおり時間は気にするようにしています。

インタビュー終了後にも、簡単に雑談をするようにしています
この雑談の中でも、記事にしたくなるようなお話が出てくることがあるからです。

雑談時間を残すために、インタビュー自体は50分程度で終わるように調整しています。残り10分で雑談と写真撮影をしています。

どうしても延長時間をもらいたい場合は、終了の5分前くらいに経営者に確認を取るようにしています。

すべては読者に伝えるために

インタビュアーの頭の中をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

意外と同時進行で考えていることが多いので、インタビューが終わると甘いものを大量摂取したくなってしまいます(笑)

基本的にインタビューは一度きりのチャンスですので、出来る限り情報を引き出すように努力しています。

事前の情報収集も、当日の雰囲気作りも、すべては経営者の記憶をたどって、読者が面白いと思うエピソードを引き出すためのものです。

記事を書く時には、引き出したエピソードを、どのような切り口で書いたらより魅力的になるかを考えていくのですが、その話はまた次の機会で。

次回もお楽しみに!

◆◇しごとば劇場◇◆
会社の数だけストーリーがある
経営者と社員の物語


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