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自走する組織には共通点がある?

経営者の”いい職場づくり”をインタビューする「しごとば劇場」で掲載している会社が増えてきました。
様々な業種・地域の会社で、様々なタイプの経営者にインタビューをしてきた中で、ある共通点があることに気付きました。今回は、その共通点についてお話いたします。

共通点その一:他人に任せることが苦手な経営者

「経営者は孤独だ」という言葉を耳にしたことはありませんか?
従業員がいるのになぜ孤独になってしまうのかということは、私自身が会社員であったときから考えています。

その疑問に対して、ある経営者と話したときにヒントがあると思いました。

最初は自分の思考は自分の中で留めていて、決めたことをスタッフに共有していた。朝令暮改ほどではないが、新しく何かにチャレンジした際、うまくいかなかったら改善をするのでスタート時と方針が変わることはある。

そうしていたとき、スタッフから「なぜ変わったんですか?そういうことも言って欲しい」と言われたのだそう。

「経営者は完璧を求められていて、間違ったり迷ったりしてはいけない」と、言われていないのに自分で思い込んでいる経営者が多いかもしれないというお話を伺い、経営者自身で決めつけてしまっているという課題を知ることができました。

従業員からすると「経営者の仕事は不透明で何やっているのか分からない」と感じると思います。
現場の状況を理解していないのに、従業員に対して感じる課題を一方的に伝えてくるばかり…という愚痴を、実際に聞いたことがありますし私も思ったことがあります。

私はこの時、少しでも経営者の悩みを聞いてあげることができたら…という思いから、様々な経営者と仕事をしたり話をしたりできるフリーランスという道を選び、インタビュアーの仕事を引き受けました。

何でも一人でやり通さなければならないと、自分の会社だから強く思うのかもしれません。仕事がデキる経営者ほど、一人で何でも解決してきているので、他人に頼るという経験が浅いのかもしれません。

私がインタビューしてきた自走できる組織を持つ経営者は、会社が大きくなればなるほど一人で出来ることに限界があると思い知り、他人に頼るということをしているということが共通点でした。

共通点その二:権限移譲をしている

まずは、いくつかの記事を引用しますのでご覧ください。

性格的には自分で何でもやってしまい、任せることが苦手だったそうだが、任せるようになってからは、スタッフのやる気が上がってきているような気がするそう。
スタッフの行動が気になると、つい「こうしてほしい」と言ってしまいがちだが、口出しせずに見守ることで、逆にスタッフが自ら考えて動くことができるようになった
自分一人で全てをなんとかするのではなく、自分のパーソナリティを理解しつつ、自分が苦手な分野は、得意なスタッフに任せることで、組織をうまくまわせるようになってきた
梶川さんは、働き方について話し合う場を提供し、社員が考えた施策を実行するために使えそうなITツール情報を提供した。

前は僕が課題を振って考えてもらっていたのですが、今はボトムアップで意見を出してくれる人が出てきました
例えば、誰かが長期休暇を取得したとき、どう休み期間を過ごしたかを社内報で発信しようというアイデアが出てきたり。ここまで4~5年かかりました」

共通している点は、会社全体を見てそれぞれで役割分担をしていて、任せると決めたところは口出しせずに見守るというところです。

経営者目線だと、従業員のチャレンジが失敗しやすいと分かってしまうことや、煩わしく思うこともあると思います。しかし、失敗をすることも従業員ひいては会社のノウハウ=資産となります。

失敗したときに放置したり責めたりするのではなく、寄り添って一緒に乗り越えられる経営者であると、少しずつ自走する組織になっていくのだとインタビューをしていて感じました。

もちろん、資金的に失敗させる余裕が無いという会社もあると思いますが、失敗させる余裕を作ることが経営者の仕事ではないかと、私は考えております。

まずは信頼関係の構築を

自走してもらうためには、仕事を任せていくことが大切かもしれないということが分かりましたが、いきなり任せてしまっては従業員のストレスになってしまうかもしれません。

従業員自身が仕事を任された意図を理解し、失敗しても経営者と乗り越えられるという信頼関係があってこそ、権限移譲が出来ると思います。

私は、信頼関係は対話から生まれると考えています。

経営者が忙しいことは理解できますが、対話を軽視するのではなく、時間を作ってでも従業員と対話することをオススメしたいです。
自走するまでに時間がかかるかもしれませんが、着実に理想の組織に近付けることができると、様々な経営者をインタビューして実感しています。

今回はここまで!次回をお楽しみに。

◆◇しごとば劇場◇◆
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経営者と社員の物語


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