京都
鴨川を歩いた。鴨川は想像していたよりも大きかった。鴨川にはカップルたちが等間隔に座っていたり、犬を連れた人が家に帰りたそうな犬をほったらかしにしたまま昼寝したり、ハトがまんじゅうになっていたりしており、すべての生物がでかい川を前にした解放感がもたらす自由の名のもと、各々の勤めを全うしていた。
まんじゅうになったハトに近づいてみた。ハトはちらりとこちらを見た後、気怠げに1,2歩踏み出して、またまんじゅうになった。もう一度ゆっくり近づいてみると、「どうしてこの人は私に近づいてくるのかわからない」といった表情で見つめられた。それでも気にせず近づくと、周囲にいた仲間であろうまんじゅうと化したハトたちも歩き出した。目的のハトも驚いたような顔で少し歩いた。なんだか申し訳なくなり、それ以上は近づかないことにした。
↑下賀茂神社へ向かう途中にある小さな鳥居。ねこが通るために設置されたということは一目瞭然である。