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広島発グローバルニッチ企業で働く副部長が語る、日本のものづくりの信頼を担う「品質保証」の仕事の醍醐味とは
広島県呉市に拠点を置く自動車部品メーカーのシグマは、「マツダ」「デンソー」「ダイセル」などの大手企業が顧客として名を連ね、中国・インドの自社拠点を含め、外資系メーカーともグローバルに事業を展開しています。
さらには経済産業省に「グローバルニッチトップ100選」に選ばれ、ワイパーシャフトの世界シェア20%、人の命を守るエアバッグ部品の世界シェア6.5%など、海外市場でも存在感を放っています。
そんなシグマで、品質保証部の副部長として活躍しているのが、細田渉さんです。細田さんに、日本のものづくりの信頼を担う「品質保証」の仕事の醍醐味や、若くして活躍できるモノづくりの現場とはどのようなものか、いち早く成長できる環境を求める就職活動中の方々へのヒントを伺いました。
就職氷河期に若くても活躍できる場を求めて
――細田さんの現在のお仕事は?
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細田:「品質保証部」の副部長をしています。品質保証目標の立案、実行、進捗の管理、「ISO9001」に則った品質マニュアルの展開、内部監査を通じてのプロセスの標準化などが主な仕事です。
このほか、お客様からのご要望に対して、社内の技術・製造部門、仕入れ先と一緒に、問題点を追及してトラブルの再発を防ぎ、さらには海外工場の支援も行っています。
――多岐にわたる精緻なお仕事ですね。
細田:シグマが作っている部品は、クルマの運転手の目に触れないところにあるものばかり。そうした部品がクルマの中で機能しているということは、私自身、仕事をしながら学んでいきました。
元々、自動車に興味があったわけではなくって。私は機械工学科出身なのですが、シグマに入って実物を見て、知識が広がった部分が大きいです。
車における「品質」は、なにか問題があると人の安全にも関わります。日本の自動車の信頼を支えているのは、自分たち品質保証部だという自負はありますね。
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――シグマにはどんな経緯で入社されたのでしょうか?
細田:大学で機械工学を勉強していました。私が就職活動をしていたころはちょうど「就職氷河期」。
そもそも求人自体が少なかったため、大企業が採用活動を終了した時点でまだ内定がなく、中小企業に絞って会社探しを始めたのですが、やはり、大学で学んだことを生かすために製造業に就職したいと思っていました。
そんな中で目についたのがシグマでした。私は2002年卒なのですが、当時、地元の広島でホームページを持っている数少ない企業の一つで、多角的に経営をしていた点が魅力的でした。氷河期真っただ中なのに成長しているな、と。
それで、社員を募集しているかどうか、自分から電話で問い合わせて、工場見学をさせてもらったんです。そのときに会った採用担当の人が、年齢が近くて、「若い人も活躍できる会社なんだな」と感じました。
逆に他社の採用担当の人は年配の方が多かったので、シグマは若い人であっても手を挙げればチャレンジさせてもらえる会社なんだなという印象を受けて、入社を決めました。
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モノづくりに欠かせない「人と人とをつなぐ」仕事
――入社して、最初のお仕事はどのようなものでしたか?
細田:まずは、生産管理部に配属されて、試作部品の進捗管理や材料の発注、納期管理を8年くらいやらせてもらいました。おかげで、自動車部品を作るための全体の流れを学べました。
当時の仕事で印象に残っているのは、「人と人とをつなぐ人」がいないと、モノはできないということです。
部品って、一つの工程だけでは作ることができないんですよ。すべての工程を社内で切り出して、加工は仕入れ先にお願いする、みたいなことが必要になります。
しかし、当時は短納期の仕事が多くって。納期に間に合わせるために、部品ができたそばから仕入れ先に仕上げをお願いして、社内の人にも無理を言って評価してもらって、それをお客さんに持っていく、というようなことをやっていました。
そのプロセスの中で、製造業の主役はもちろん現場なんですが、こういった人と人、工程と工程とをつなぐ、陰で支えている人がいるから、最終的に部品が完成するんだ、ということを学びました。
――その後、現在の品質保証部に移ったのですね?
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細田:はい。シグマにはジョブローテーションのシステムがあって、30歳になるときに異動になりました。
そこで感じたのは、品質保証部の仕事は、製造についてもっと知らないとできない仕事なんだなということでした。不具合の対応や製造現場のサポートの仕方など、仕入れ先や他の部門の人にアドバイスをもらえて、人に恵まれたなという思いがあります。
あるとき、お客さんの手元で当社の部品に問題が発生したことがありました。お客さんが急遽来られて、すぐに対応せざるを得なくなったんですが、その間、みんな自分の業務があるのに、一緒になって対応してくれて。
やっぱり仕事って、一人でできることって意外と少ない。製造業は特に。一つひとつの工程だけじゃ、ほとんど価値は生まれない。だけど、それらがどんどんつながって大きくなる、というのが製造業だと思うんです。
品質保証部も例外ではなく、部門を超えた横のつながりがないとダメで、シグマはそのつながりが非常に強い会社だと思います。
品質保証の仕事の魅力は「ルールメイキング」
――いろんな部門がある中でも「品質保証」という仕事の魅力は?
細田:先ほどお話ししたような「人と人とをつなぐ」役割は、品質保証部にももちろんあって。
例えば、お客さんからクレームが来たら、製造部門や技術部門に原因追及の依頼をかけます。それらの部門には現場で確認できることを見てもらい、私たち品質保証部は、製造履歴などを見て、生産量などに異常がなかったかを一緒に調べていく。
そうして最終的に現場のチームと照会して、不具合の原因を特定し、そこからお客さんに対して再発防止の計画を提示する。人と人とをつなぐ仕事は、今も同じです。
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もう一つの魅力は、工場やモノ作りのルールを作れるところです。今やっている製造の手順があっても、もっと効率の良いやり方、守りやすい規則はないかと、ルールメイキングに携わることができるんです。
品質保証の仕事に向いているのは、モノや技術を定量的に見ることが好きな人だと思います。過去の製造履歴や異常内容、どの人がどのように作ったのか。そうした事実に基づいて品質や真実を追及する仕事が好きな人は、特に向いているのではないでしょうか。
私たちの部門は、品質については社長に匹敵するような強い権限を持っています。例えば、ある部品を本当にお客様に出荷してよいのかを判断する権限がある。その分、責任も大きいですし、やりがいのある仕事です。大変なこともありますが、それを生産部門とともに乗り越えることで、信頼も強くなり、会社に一体感が生まれます。
「人の無限大」を目指し、若い人が成長できる環境
――シグマのスローガン「人と技術の無限大」。このうち、「人の無限大」はどんなときに感じますか?
細田:どんなに良い製造工程で、高い検査機を設けたとしても、最終的に触る、使うのは人なので、トラブルはあります。それを確認するのも、結局人です。どんなにお金をかけても、人が成長しないと会社としての成長もない。
個人的にも、部下の育成は最優先課題だと捉えています。新規受注から量産までの工程のうち、できるだけ早い時点で問題点を見つけて訂正する、というプロセスを部下に経験させて、対処できる人を育てていきたい。
具体的には、まず測定の仕事を通じて会社全体の部品の流れが分かり、それぞれの部品に詳しくなったところで全体の工程を見ることを学んでもらえたら、と考えています。
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シグマはいろんな仕事を幅広くやらせてくれるので、成長にすごくつながる会社だと思います。私も若いうちから、他社の10歳くらい年上の方たちに混ざって分科会に出させてもらって、視野を広げることができました。
また、教育計画もあり、それに基づいて、通信教育など社内外での学習を会社がサポートする仕組みもあります。私もそれを活用して、技能検定を取得したり、ISO9001の審査員補の資格を取らせてもらったりしました。
自分から「こういった検定を受けたい、資格を取りたい」とどんどんお願いして、それで合格すれば上司の見る目も変わってきますよね。そういう意味で、チャンスがだれにでも平等にある会社だと思います。
こうしたシグマの人を育てる文化は、「人型未来企業(多様な能力を持つ人が集い、生き生きと輝き成長する会社)への成長」という、会長が昔から掲げていたポリシーによるものかもしれません。
就活は「現場に足を運んで」
――最後に、就職活動中の方々へのメッセージをお願いします。
細田:繰り返しにはなりますが、あらためて強調したいのは、シグマは業界の中でも仕事を大きくまかせてくれる会社だということです。
大手企業はもっとルールも細かく、人も多いからなかなか変えられないと思うのですが、シグマは中小企業で人が少ないのが、逆に強み。変革がしやすく、スピード感もある。
就活や会社選びでは、実際に工場を見せてもらうとか、やっぱり現場に足を運んで、直接目にしたもの、そのときに受けた印象で決めることが大事だと思います。
私も会社のパンフレットじゃなくって、実際に工場へ行ったから、現場で働いている人も見られたし、「こんなに若い人がもうこんな仕事をしているんだ」と分かった。
他にも、工場が整理整頓されているかなど、職場環境もチェックしたいですね。きれいな職場は働きやすいし、会社が労働環境に気を配ってくれている証拠だと思うので。
工場で現場の方がすれ違ったときに挨拶してくれるような会社なら、元気で明るい職場で、新入社員も快く受け入れてくれると思いますよ。頑張ってください。
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[取材] 岡徳之 [構成] ウルセム幸子 [撮影] かわもとじゅんいち
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