HHKBを買った話
最高です。最高です。ただし気になるところも少々あり。
こんにちは、ΣISAKAです。7月から心機一転するために仕事用兼プライベートでの作業用のキーボードを購入しました。HHKB Professional HYBRIDです。1カ月程度使っての感想等をまとめていきます。
1.HHKBとは
HHKBはHappy Hacking KeyBoardの略で、プログラマーに適したキーボードとされています。僕が購入したHHKB Professional HYBRIDは、有線接続のほかに最大4台までBluetooth接続が行えるモデルで、日本語配列のホワイトを購入しました。
HHKBの特徴としては、静電容量無接点式スイッチを採用したコンパクトサイズキーボードであることが挙げられます。
静電容量無接点式は、一般的なメカニカルキーボードと異なり、キー入力に使用しているスイッチに物理的な接点が無く、それによってこすれ感の少ない打鍵感を実現しています。スイッチ自体にコストが掛かってしまうのが難点ですが、それに見合うような打鍵感や静音性を実現しています。特に音が気になるオフィスなどでの利用を考えたときにはメカニカルキーボードよりも静電容量無接点式キーボードのほうが使いやすいように感じます。
2.ラインナップと配列について
HHKB Professionalシリーズは全部で3つのモデルがあり、日本語配列が用意されているのは無線接続ができるHYBRIDと、その上位機種であるHYBRID s-seriesの2種類です。有線版は英語配列のみのラインナップです。
HHKBと言えば、英語配列のミニマルかつ左右対称な配列の美しさがフィーチャーされることが多く、HHKBと聞くと英語配列のキーボードを思い浮かべると思います。
ただ、英語配列はその美しい配列と引き換えに独立した十字キーがなかったり、日本語配列と比較してキー数が少ないという特性がありました。また、僕自身が英語配列を試し打ちした時、Enterキーを押下する際に誤爆が多発しました。他にも日本語入力と英語入力の切り替えをワンタッチで行えないこともストレスとなりそうな予感がしたため、日本語配列を使用することにしました。
前述の通り、日本語配列のHHKBには、独立した十字キーが存在していたり、日本語配列独自の変換/無変換キーがそれぞれ存在しており、PC側で設定を行うことで日本語英語入力の変換も1ボタンで容易。記号の配列も慣れ親しんだ状態で使用出来ることでストレスなく移行することが出来ました。
HHKBはいわゆるコンパクトサイズのキーボードに分類されます。このサイズのキーボードでは十字キーがないものが多いです。ただ、HHKBにおいては、独立した十字キーが搭載されていることで、コンパクトサイズのキーボードを作業時に使用する際の扱いにくい部分をカバーしてくれています。
HHKBのキー配列の最大の特徴としては、本来Capslockキーが配置してあるところにctrlキーがあることです。これが非常に便利で、小指の負担がかなり減りました。キーボード左下にあるキーを押すために小指を下に移動させる手間が無くなり、他キーとの同時押しのために指の筋肉を酷使しないで済むのはかなりのアドです。
Capslockキーは通常使うことはほとんどありませんし、たまに間違って押して強制的にアルファベットが大文字入力になってしまうストレスを考えたらこの配置の方が遥かにいいように思えます。もっとこの配置のキーボードが増えればいいのに。
コンパクトサイズのキーボードにありがちなのがテンキーなどには標準搭載されている各種ファンクションキー類がないこと。特にDelキーや、Home、ENDキーは使用することが多いと思います。
コンパクトサイズのキーボードでは、Fn(ファンクション)キーと他のキーの同時押しをすることによって保管されている事が多いです。HHKBもご多分に漏れずFnキーが搭載されているのですが、HHKBはその同時押しするキーの配置も工夫されているように思えます。
因みに、英語配列の場合、独立した十字キーが無く、代わりにFnキーとの同時押しによって入力を行うことができます。これもまたFnキーの近くに上下左右キーが配置されているので、片手で十字キー操作を実現できます。英語配列の場合、最初は慣れが必要になると思いますが、慣れれば大きな障壁とならないと思います。
片手で入力が完結することで、除外されているキーへの入力ストレスが減ります。これが非常に良いです。日本語配列のHHKBでは、Fnキーはキーボードの左下(ctrlキーが普段あるところ)と右下(Altキー右隣)に配置されています。英語配列の場合は右側に1つだけ配置されています。個人的には日本語配列の左側のFnキーはほとんど使っていません。右下のFnキーが押しやすすぎる。
HOMEはFnキー+Kキー、ENDはFnキー+コンマキー、DelはFn+左矢印で入力することができます。この3つが特に便利で、文章を書く時にDel操作をしたければ隣接した2キーを押せば良く、またHOME、ENDについても右手で2キーを押せるので、それぞれのファンクションキーが独立している感覚に近い状態で押すことができます。特にFnキーと左キーは隣接しているため、deleteキーを押したいってなったらサッと押すことができます。これが非常に便利。
Fnキーとの組み合わせによるキー入力はどうしても慣れが必要ですが、慣れると自然に指を動かすことができるようになりテンキーレスのキーボードを使用している時と同じような感覚で使用することができると思っています。まだ慣れてないけど……
F1~F12までのファンクションキーについては他の60%キーボードと同様に1〜~キーとFnキーの同時押しで入力することができます。ここについてはどうしても両手で押下する必要が出てきます。こればかりは仕方ない。ただ、個人的にFキーを使う場面がブラウザ更新、カタカナ変換くらいしか思いつかないので意外と使わない印象です。ゲームだとインスタントリプレイの保存などに使うのでちょこちょこ出番がありますが、文章を書いたり事務作業を行う分には困っていません。
日本語配列のキー配置としては、escキーが独立していることも高評価です。60%サイズの日本語配列キーボードはあまり多くありませんが、そのほとんどで左上キーはen/jpキーで、fnキーとの同時押しでescキーとして反応することが多いです。個人的にこれが中々にストレスで、escキーを単独で押下できない点が非常に不便でした。例えば、ctrl+shift+escの同時押しでタスクマネージャを開く時、アプリケーションを閉じようとしてescキーを押す時など。今までのキー操作にプラスしてFnキーの押下を強いられるのは作業効率も落ちると思います。
キー配置に関してはこんな感じ。
3.無線接続について
無線接続に関しても良好で、パソコン以外にもスマートフォンやタブレットなどの携帯端末にも接続して使うことができます。たまにスマートフォンに接続して文章を書いたりしています。このnoteの1部もHHKBをスマートフォンにつないで書いていました。出社前に休憩スペースやカフェに立ち寄って文章を書けるため、ちょっと意識高い系の気分が味わえます。このnoteも平日朝の出勤前に結構書き進めていました。流石に休日も常に持ち歩きできるかと言われれば難しいとは思いますが、必要に応じて持ち出すという選択肢は取りやすいなと感じました。
バッテリーは乾電池式で、公称3ヶ月稼働するとの事です。HHKBでよく指摘される点として乾電池式であることが挙げられますが、リチウム電池の場合、本体が重くなったり、本体の厚さが増したり、リチウム電池の劣化によって稼働時間が短くなるなどデメリットもあるため、長い目で見るといい点が多いようにも思えます。乾電池から漏電したら1発アウトではあるけど……そういった面からも長期間キーボードを使い続けてほしいというメーカーからの意図が見えてきます。
携帯電話と接続して使用した際は特に遅延を感じることはありませんでした。タイピング用途であれば遅延はないものとして考えてよいでしょう。
4.持ち運びに便利
HHKBの他の特性として、軽量であることが挙げられます。約500gとペットボトル1本分の重さです。同じ静電容量無接点方式のキースイッチを採用しているリアルフォースの場合、重さが約1kgと持ち運びには不便な重さで、なおかつ最小サイズがテンキーレスということもあり、携帯することを想定した設計になっているように思えます。
HHKBはA4サイズの本を縦に半分にしたような大きさなので、通勤用のリュックに忍ばせて携帯することが可能です。大抵のビジネスユースなカバンであれば余裕を持って持ち運ぶことができると思います。個人的には、持ち歩く際に満員電車でカバンが圧されないように気が立つようになったくらいで、そこまで大きな不便を感じていません。ノートパソコンと一緒に持ち歩くとどうしてもかさばる上に重いので、中々辛い所はあります。。。
また、携帯するにあたってHHKB公式ストアにあるソフトケースを購入しました。調べてみると他の製品を代用している方もいましたが、どうしてもサイズが微妙に合わない感じが見られたため、公式の製品を購入することにしました。
公式の製品だけあって、サイズがピッタリです。柔らかい素材のため、ある程度の衝撃からは守ってくれそうですが、もう少しがっちりした素材で守りたくもなるので、今後どうするか迷い中です。
5.やっぱりずれる
軽量であるために、デスクの天板との相性問題が発生します。
木材系の天板であれば問題なく使用できますが、オフィスのデスクの天板だと滑ってしまうことがありました。
HHKBの底面にはラバー素材の滑り止めが付いており、これが機能する天板でないとキーボードがずれてストレスになることがあるため、場合によっては対策が必要になってきます。
特に、キーボードに角度をつけるために足を展開すると更に防滑性が低下する為、滑る天板だと綺麗に滑走を始めてしまいます。僕はキーボードの足を出さずに使用するためあまり被害はありませんでした。良かった。
6.キーキャップのバリが気になる
使用上の問題はないのですが、キーキャップをよく見てみると微妙にバリが残っていて、せっかく高級キーボードを買ったのに、、、と少しだけ残念になりました。キーキャプの使用感も十分に良いだけに、こういった見えにくいところも気にしてほしかったなと。。。
キーキャップの印刷内容や独特な角度の性質上オリジナルのキーキャップを作成する必要が出てくるため、細かなコストカットの一環なのかもしれません。このバリを除去するために更に本体価格が値上げされてしまうのもユーザー目線だと辛いところもありますし、コストと妥協できるポイントのトレードオフということなのかもしれません。真実は謎の中ですが。。。
7.まとめ
今回は新しく静電容量無接点方式のスイッチを採用したキーボードであるHHKB Professional HYBRID日本語配列を購入しました。打鍵感は言わずもがな最高で、携帯性も高いことから、仕事とプライベートの文字打ちの両方で使用できる便利なキーボードです。
打鍵感と携帯性を両立させたこのキーボードはどこでも使える最強クラスのキーボードの1つとして挙げられると思います。休日にノートパソコンを持ち出して外で作業を使用というときには一緒に連れていきたいくらい。
また、打鍵感の良さは疲労感の軽減に直結すると改めて感じました。押下圧は45gと決して軽くないものの、スイッチが素直に押し込まれることで無駄な力を入れずに打鍵できるようになりました。メンブレンスイッチやパンタグラフスイッチ特有の軽さもいいですが、静電容量無接点方式ならではの押し心地のよさは格別だなと。
コンパクトサイズキーボード故の難点もありました。実際にしばらく仕事とプライベートの両方で使ってみて、やはり数字を入力する時は不便だなと感じることが多かったです。エクセル作業などで数字を多く扱う方は、テンキー付きのキーボードかテンキーパッドを別に構えておくと良さそうです。
今までは「キーボードはある程度の打鍵感があればなんでもいいだろう」という考えでしたが、その価値観を吹っ飛ばしてくれるような製品でした。今後もHHKBを使って色んな文章を書いていきたいと思います。ありがとう、HHKB。
何より個人的に意識的に購入している日本メーカーの製品であることが何より嬉しいです。これから長い付き合いになりそうな予感がしていてワクワク。
趣味として書いている記事ですが、これからも思いついたときにぼちぼち更新していこうと思いますのでなにとぞ。