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平面駆動のイヤホンを初めて使ったので話させてくれ【LETSHUOER S08 レビュー風感想】

このnoteは、G-antenna様主催のDEVICE MEETUP Vol.2にて開催された抽選会にて頂いた製品についてのレビュー記事です。


こんにちは、ΣISAKAです。今回は平面駆動のイヤホンであるLETSHUOER S08について使用感などをまとめていきます。


0.平面駆動型って、なに?

LETSHUOER S08の紹介の前に、今回のキーワードである平面駆動型ダイナミックドライバーについて簡単に紹介しようと思います。

平面駆動型のダイナミックドライバーとは、名前の通りダイナミックドライバーの一種であり、また名前の通りドライバーが平面型となっているドライバーのことを指します。これだけだと何を言っているのか分かりませんね。それぞれ簡単に補足します。

まず音の出る部品であるドライバーの種別としてはダイナミックドライバーと呼ばれる部品に区分けされます。ダイナミックドライバーの特徴は、単体で広い音域をカバーできることです。有名どころのイヤホンの多くはダイナミックドライバーを1機のみ搭載しているような印象です。安価なイヤホンもまたダイナミックドライバー1機のイヤホンがほとんどなのかなあとも思います。
余談ですが、ダイナミックドライバーとBAドライバーを組み合わせたハイブリッド型のイヤホンも多く販売されています。こちらについてはまた別の機会に・・・持ってないけど・・・

そして、ドライバーが平面型であることが何なのか。通常のダイナミックドライバーは平面型ではなく、ドーム型、コーン型といったような呼ばれ方をしています。ドーム、コーンと命名されているように、ドライバーが立体的な形をしているとイメージして頂ければ大丈夫だと思います。
そんな中で意図的にドライバーの形状を平面にしているのが平面型の特徴です。元々はヘッドホンに採用されるドライバーだったようですが、昨今の技術革新によって小型化された結果イヤホンにも平面駆動型のダイナミックドライバーが搭載されるようになったそうです。イメージとしては下の画像のような感じです。

引用元:https://store.hifiman.jp/shopdetail/000000000013/

特徴としては、音の歪みが少なくなること、全体的な音の解像度の向上が上げられるそうです。
こちらの前提を基に、LETSHUOER S08についての感想をまとめていきます。

1.製品仕様

LETSHUOER S08の基本仕様は以下の通りです。

  • ドライバー:第4世代カスタム13mm平面駆動型ドライバー ×1基

  • インピーダンス:26Ω

  • 音圧感度:105dB@1kHz

  • 再生周波数帯域:20Hz ~ 40KHz

  • ケーブル仕様:線材:4芯×30本×0.05mm 単結晶銅銀メッキ線

  • 入力端子:3.5mm / 4.4mmプラグ

  • イヤホン接続:0.78mm 2pin

  • 本体重量:約35g(ケーブル・プラグ含む)

  • 付属品

    • シリコンイヤーピース2種(S/M/L 各2ペア)合計6ペア

    • ケーブル、3.5mm / 4.4mmプラグ

    • キャリーケース

    • 取扱説明書

    • 保証書

2.開封してみる

外箱と内装はこんな感じ。

製品名にちなんで8をイメージした外箱デザイン、好きです。
内容物はイヤホン本体と各種アクセサリー
アクセサリーの詳細は後述

アルミ合金かつ平面駆動のダイナミックドライバーを1機採用した製品のためか、見た目は結構大きめ、重めだなという印象です。
自分が普段使用しているイヤホンのドライバーサイズが10mmで、3mmの違いが大きいように感じました。小型化したといえど平面駆動型のダイナミックドライバーは通常のダイナミックドライバーに比べるとサイズも若干大きいなと再実感しました。比較対象がないため、なんとも言えないところではありますが・・・

イヤホン本体、アルミ合金製
ケーブルは2pinに対応

アクセサリーとしては、取り換え用ジャック端子(4.4mm)、イヤーピース2種類と結構豪華。バランス接続が行えるのは非常にありがたい。個人的には初バランス接続のイヤホンとなりました。

ケーブルと3.5mm端子
ヘッドホンジャック部分を取り換えることが可能
ケーブルから漂う高級感が所有欲を増長させる
4.4mmバランス端子
3.5mmアンバランス端子と取り換えて楽しめる

付属のイヤーピースはBalancedとVocalの2種類。感触としては、Balancedが傘、軸共に固めの素材で、Vocalが傘、軸共に結構柔らかめでした。
付けた感触としてはVocalの方がより深く耳に密着するように装着でき、BalancedはVocalと比較して、ドライバーが鼓膜から少し離れて装着されたような印象でした。

イヤーピース2種

3.音質について

3-1.使用環境

肝心の音質について、今回は以下の条件で検証を行いました。

  1. 再生環境

    1. PC→DAC:earfun UA100

    2. スマートフォン→DAC:Loftで繋ぎ用に買ったよく分からないやつ

  2. 検証項目

    1. 音楽鑑賞(使用楽曲は下記プレイリスト)

    2. ゲーム(VALORANT[Discordでの通話あり]/ストリートファイター6)

  3. 使用アクセサリー

    1. ケーブル:付属ケーブル

    2. 接続方法:3.5mmアンバランス、4.4mmバランス

    3. イヤーピース:付属イヤーピース2種(Vocal/Balanced)

3-2.音楽鑑賞での所感

  • 全体通して

    • 低音がハッキリ鳴っているが、他音域を潰すことなくベースとして成立されたチューニング。ノリよく聞ける

    • 楽器ごとに鳴っている音が別々に聞こえてくる、3ピースバンドの全部の音が別々に降りてくるのすごい(本当にDD1機?)

    • 左右の分離感もハッキリしている

    • 今まで聞こえなかった音が聞こえてくる、感動

    • 楽曲によってはキックのアタックが少し強いかなという印象を受ける

    • バランス接続にすることによって全体の音の鳴り方が一段階向上する印象を受けた

    • バランス接続時の低音については、人によっては強すぎると感じる可能性がある

    • VocalイヤーピースよりBalancedイヤーピースの方が遮音性が高い

  • 3.5mm接続×Vocalイヤーピース

    • ふんわりとした低音域にボーカルの声が近く感じる

    • イヤーピースの名前の通りインスツルメンツを楽しむよりもボーカルの声を楽しめるような出音になる

    • インスツルメンツも潰れているわけではないが、全体的に1歩引いたような印象になった

  • 3.5mm接続×Balancedイヤーピース

    • ボーカルが後ろに下がり、ボーカルとインスツルメンツが横一線に並んだような感覚

    • 低音域のキックとベース音の主張がやや強くなる、少し丸みを帯びた印象からカッチリしたような印象に変わったようななんというか・・・

  • 4.4mm接続×Vocalイヤーピース

    • バランス接続ならVocalイヤーピースか他社製のイヤーピースがいいかもしれない

    • ボーカルがかなりはっきりと聞こえてくる

    • 接続方法が変わることによって音の情報量がかなり増える

  • 4.4mm接続×Balancedイヤーピース

    • 低音の主張がかなり強くなる、個人的には合わなかった

    • インスツルメンツの主張が強くなった、楽曲そのものを楽しみたい人には楽しい視聴体験になると感じた

    • バランスアンバランスの選択については好みと慣れの可能性があるので、どちらが良い悪いは無いように思えた、どっちもいい

3-3.ゲーム使用での所感

  • 左右の分離感と、音の聞き分けがしやすい特性からFPS使用への相性があるように思えた

  • 遮音性が高く、ゲームに集中できる

    • 集中するならBalancedイヤーピースの方がいいが、低音が強まることとトレードオフとなる

    • Vocalイヤーピースは遮音性で多少劣るが、室内での使用なら誤差レベル

    • ゲーム使用が前提であるなら、他社製イヤーピースの使用を検討したほうがいいかもしれない

  • 筐体がやや重いので長時間の使用はつらい、慣れるまで定期的な休憩必要

  • 低音が強い点はイヤーピースの取り換えで補えそう

  • 一番良かった組み合わせは4.4mm接続×Vocalイヤーピース

3-4.全体を通して

今回の検証を通して、まず驚いたのは今まで聞こえなかった楽曲の音に気付けたことです。今まで気にしていなかったところのベースライン、一瞬だけなるようなインスツルメンツのメロディ、コードをより感じられることで今まで以上に楽曲体験が向上したように思えます。

過去イヤホンを複数試してきて、音楽鑑賞は楽しめるけどゲームユースとしては微妙なイヤホンと出会ったこともありましたが、S08についてはそんなことはなく、左右の分離感がハッキリしていることもあり十分ゲームユースなイヤホンとして運用できる製品だと感じました。聞こえる音の幅が広いこともあってか、インゲームで不満を感じるポイントはありませんでした。誇張抜きにオーバースペックなのでは?と思うくらいです。

また、バランス接続にすると全体の音の解像度が一段階上がりますが、同時に低音の主張も強くなったため、アンバランス接続の時とバランス接続の時でイヤーピースによる調整をした方が良いかもしれないと感じました。ここはユーザーの好みが出る部分かもしれないなあと思っています。手持ちのイヤーピースを複数試して一番良かったのがspinfit W1でした。装着感の良さと音のバランス具合が丁度良かったです。

どうしても気になってしまうのが筐体の重さです。アルミ合金のハウジングに13mm平面駆動ダイナミックドライバーを搭載していることで、他のイヤホンと比較しても本体重量が重いように感じられました。数時間装着し続けるとイヤホンの重さに引っ張られて耳が物理的に痛くなってしまいました。この点については性能とのトレードオフとなるのかなという印象です。

4.まとめ

今回は中華製平面駆動ドライバー搭載のイヤホンであるLETSHUOER S08についての所管をまとめてみました。どうしても筐体の重さが気になるポイントではありますが、十分な視聴体験を得られるイヤホンだなと、この記事を作成しながら改めて感じました。昨今のイヤホンにおける技術革新の早さ、それに伴う価格競争など目まぐるしい状態で、追うのもなかなか大変だなと・・・

音の傾向としては、低音がやや強いチューニングのため、ゲーム用途としては多少好みが別れる可能性があります。しかし、音楽鑑賞においては十分楽しめるイヤホンでした。また、イヤーピースや再生環境の調整でより真価を発揮できるイヤホンであるようにも思えました。今まで別のイヤホンを使用していたのですが、すっかりメインイヤホンとして運用するようになりました。個人的にはゲームも音楽もどちらでも十分すぎるくらいのスペックだと思っています。

最後に改めて、今回レビューしたLETSHUOER S08は、G-antenna様主催のDEVICE MEETUP Vol.2内の抽選会によって頂いた製品です。改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。最後にG-antenna様のURLを添付しますので、よろしければこちらもご覧ください。製品レビューや様々な方のマウスパッド事情などの記事がが掲載されています。興味のある方は是非とも。

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