似てると噂のマウスパッド比較【VAXEE PA/PA Black / ZOWIE G-SE-SE Rouge/Gris】
こんにちは、ΣISAKAです。今回は、数年前から言われている「このマウスパッドが似ている問題」の検証です。対象は、タイトルにもある通りVAXEEのPAとPA Black、ZOWIEのG-SR-SE Rougeの計3製品の性能比較に関して記載していこうと思います。(はいそこ、今更???とか言わない)
また、G-SR-SE RougeとGrisについては同一の性能とされているため1製品とカウントして比較を行います。以降この2製品を総称してG-SR-SEとして呼称します。
今回の検証項目は
見た目とサイズ
滑り始め
滑走中
止め/切り返し
その他特筆事項
の5項目で比較を行います。
検証に使用した環境は以下の通りです。
マウス:VAXEE np-01s wireless 4K(1KHz 競技モード)
マウスソール:corepad skatez Pro(np-01s用面ソール)
アームカバー:Pulsar esアームカバー(サムホール、ロング)
ゲーム
VALORANT:チームデスマッチ、デスマッチ
Kovaak's:GON MACHINE for VALO v2
(KovaaKsCrankingScaredAttrition)
ゲーム内感度(VALORANT):DPI800 0.321(50.87cm/360°)
1.見た目とサイズ
それぞれこんな感じ。
PAとG-SR-SEには滑走面に熱昇華プリント加工がされています。
一方でPA Blackにはプリント加工はなく、右上にVAXEEロゴが貼り付けられています。このロゴはプリントではなく、別素材を貼り付けているような状態で、ロゴの部分だけ滑走感が違います。縦横無尽にマウスを動かす方は注意かも。右上だと気になるという方は、180°回転させて左下にロゴを配置するのも手です。
サイズは全製品縦39cm×横47cm。昨今の流行りになっている50cm四方や縦42cm×横49cmのマウスパッドに慣れている方にとっては小さく感じるかもしれません。特に縦の大きさの違いで違和感を覚えそうです。肘をマウスパッドに載せて操作したいという方は、PA/PA Blackと同じVAXEEから発売されているPEシリーズを検討したほうが良さそうです。こちらはPAと同じ滑走面と異なる中間層を採用して、縦51cm×横50cmまたは縦56cm×横52cmの2サイズ展開です。デカい。この製品は以前参加したVAXEEの体験会でも触りましたが、気になっている製品なのでいずれ買いたい。
厚さも全て3.5mmで、沈み込みは若干ある程度。底打ちするような感覚はなし。やや固めと評価できます。
これら3製品には、恐らく同じ中間層の素材が採用されています。これらのマウスパッドは同じ工場で生産されているとVAXEEのスタッフの方から聞いたことがあり、質感が似るのも納得かなという印象です。したがって、この3製品の製品差は滑走面の特性から発生していると捉えて良いと思います。
全製品でエッジへのステッチ加工はなく、切りっぱなしの状態です。腕を机に置いてマウスを動かしたり、意図的に腕を机に押し付けるようなマウスの操作方法によっては、エッジ部分と腕が擦れて気になったり、腕と擦れることによるエッジ部分のほつれが起こったりします。腕の擦れに対する違和感はアームカバーで対処できますが、エッジ部分のほつれについては正直どうしようもないです。消耗品と割り切るしかないかなと……そこも含めて愛してあげたい。
2.滑り始め
速さ順に並べると
PA≦PA Black<G-SR-SE
という印象でした。PAとG-SR-SE、特にPAは、熱昇華プリントからくる特性なのか、静止状態から急にマウスが動き出すような感触がありました。滑り始め自体はあまり滑らないものの、一定の力が入ったら一気に滑り出すようなイメージです。
一方で熱昇華プリントのないPA Blackは自然な滑り出しながら、その始動感はゆったりとした印象を受けました。
PAやG-SR-SE(特にPA)が急アクセルによる発進だとすれば、PA Blackはゆっくりアクセルを踏み込んだ発進というイメージです。(伝われ)
3.滑走中
マウスを動かし始めてからの滑走速度については以下のような印象でした。速さ順としては
脱力時:PA≦PA Black<G-SR-SE
非脱力時:PA<PA Black≦G-SR-SE
もともとPA BlackとPAの差異が「熱昇華プリント加工がされているかされていないか」という至極わかりやすいもので、使用されている滑走面の素材については同じものが使用されています。ただ、PAに関しては熱昇華プリントの影響か、滑走速度が遅めだなと感じました。ここはソールとの組み合わせもあるかもしれません
PAシリーズと比較して、G-SR-SEの滑走速度は高い水準で安定する印象を受けました。私が使い慣れていることもあってか、かなり直感的な操作感でマウスを動かせました。
そして、力を入れてマウスを動かしたときに滑走速度に差異が顕著になります。
熱昇華プリントされた滑走面で力を入れた状態(マウスを押し付けるような状態)でマウスを動かすと大きな抵抗感が発生するように感じました。検証時と別のマウス(End Game Gear XM2we[標準ソール])を使った時の話になりますが、G-SR-SEで力を入れて大きなフリックをした際、詰まるような感覚が滑走中に何度か発生しました。PAでも似たような感覚がたまに発生しますが、個体差なのか、マウスソールの素材や大きさとの相性なのかは正直わかりにくい部分でした。
一方で熱昇華プリントのないPA Blackは、脱力の有無に関わらず、ある程度一貫した滑走速度を提供してくれる印象でした。大きなフリックをしたときも、脱力してトラッキング操作をしたときも同じような操作感で動かせます。中間層があまり柔らかくないこともあり、より滑走面の特性が出ているように感じました。
悪く言えば個性がないとも言えますが、自然な操作感であるというのは大きなメリットになると僕は考えています。
4.止め/切り返し
止めの強さと切り返しの重さは
軽い PA Black≦G-SR-SE<PA 重い
という印象でした。特筆すべきはPAの止め感です。
マウスを制止させようと力を抜いた途端にグッとマウスが止まります。トラッキング操作時に視点の調整をしようとして力を抜いた時にも同じような現象が起こります。また、切り返し(一度マウスを停止させて逆方向にマウスの動き先を転換する)時の重さも相まって、ビタビタにフリックショットができる人にとっては最高のマウスパッドのように思えました。ただ、細かな微調整をしようとするときにはこの特性が仇となるように思えました。特にトラッキングを主体とするようなタイトルでは、トラッキング時に詰まるような印象を受けるかもしれません。
PA Blackについては自然という表現が合うような止め感と切り返しの重さでした。PAのような急停止感はなく、力を抜いたら抜いただけマウスが静止するような感覚です。PAのような急な止め感がない為、自然にフリックができるように思えました。
G-SR-SEについては、PAとPA Blackの中間のような止め感という印象で、自然に止まるような感覚の中に、若干の止め感があるような感覚です。PAのように急にマウスが止まるようなこともなければ、PA Blackのような止め感とも異なるような独特の印象です。
5.その他特筆事項
全製品共通
アームカバーとの相性は問題なく、快適にプレイすることができました。恐らく長袖の衣服を着用した状態でも問題なくゲームプレイができます。
耐湿性についてはそこまで高くない印象です。G-SR-SEについてはある程度の耐湿性があると宣伝されていますが、過去の使用感から考えた時に、どうしても雨の日のような明らかに湿度が高い日はある程度湿気による影響を受けます。
特にPA Blackについては、滑走面に熱昇華プリントがされていないこともあり、湿気の影響をモロに受けます。体感できるレベルで操作感が重くなります。空気が乾燥しやすい秋〜冬だったら使いやすいかもしれないです。
PAとG-SR-SE
熱昇華プリント加工によるコーティングが剥がれると一気に性能が変化します。特に使用頻度の高い部分では変化が顕著に現れ、部分的に性能が劣化した状態になりやすいです。一貫した使用感を維持したいのであれば、他製品に比べて早く買い替えを検討する必要が出てきます。僕の体験レベルだと、G-SR-SEは半年ほど使うと明らかに違いが出て、特に滑走速度が遅くなり、常に詰まったような操作感に変わっていきます。新品と比較して明らかに滑走速度が鈍いと分かるレベルです。PAについてはまだ使い込めていないこともあり、明確な違いまでは把握できていませんが、似たような状態になるものと思っています。
6.まとめ
最後にまとめとして、各製品のいいところと懸念点をまとめて終わりにしようと思います。
この3製品については、主な性質は似ているものの、それぞれでハッキリとした特徴が見受けられました。お財布や各性能を比べて、自分に合うマウスパッドを見つけられたなら幸いです。
VAXEE PA
いいところ
フリック時の止めの性能はピカイチ
比較的ゆっくり目の滑走速度でコントロール性に長ける
シーズン限定デザインが出たり、他ブランドとのコラボ製品も出ることがある(最近だとVtuberの獅白ぼたんさんや、The k4senとのコラボモデルも登場)
定価3920円+送料と手が出しやすく、買い換えやすい
懸念点
動かし始め、止め、切り返しの急制動感がある
コーティング剥がれによる性能劣化が起こりやすいため、ある程度のスパンで買い換える必要がある。
コーティングを考えると、恐らくガラスソールとの相性は良くない
VAXEE PA Black
いいところ
自然な滑り出しと止め感による取っ付きやすさがあり、最初のマウスパッドにもオススメ。もちろん
自然な使用感であるため、他のマウスパッドからの乗り換えても違和感なく使うことができる
コーティング加工がされていないため、コーティング剥がれによる性能劣化が起こらない(摩耗による性能劣化のみが発生する)
今回取り上げた製品の中では最も安価(定価3820円+送料)
懸念点
湿気の影響をダイレクトに受ける
上下左右に視点を動かすタイトルをプレイする時に操作中にロゴ部分の影響を受ける可能性がある
ZOWIE G-SR-SE Rouge/Gris
いいところ
高い水準での操作感を得ることができる
フリック操作時のマウス静止に軽めののアシストがかかるような感覚
トラッキングもフリックも安定する万能型
1枚あると嬉しいマウスパッド
懸念点
PAと同様にコーティングが剥がれることで明確に劣化が発生する
マウスソールの種類によっては操作時に詰まるような感覚がある
価格が税込5980円とやや高価格帯に分類され、費用対効果は他製品に劣るかもしれない(価値観は人それぞれ、、、)
VAXEEからは前述したPEや、PCといった新作マウスパッドが発売されていますし、また、VAXEE、ZOWIE共に今後リリース予定の新作マウスパッドの発売が予定されている為非常に楽しみです。VAXEE PDは特に楽しみ。触れる機会があれば試してみたいと思います。また同社の新しい製品を購入したら使用感についてまとめていきたいと思います。