見出し画像

ラピッドトリガーがすごい話【Razer Huntsman V3 Pro miniレビュー風感想】

こんにちは、ΣISAKAです。
先日誕生日を迎えるに当たって自分に誕生日プレゼントを買いました。それがRazer Huntsman V3 Pro mini JPです。このキーボードはWooting 60HEの流行を発端として注目されている技術「ラピッドトリガー」を搭載したキーボードです。このキーボードの一番の見所かもしれません。早速色々見ていきましょう。

1.開封

外箱はこんな感じ。最近のRazer製品を踏襲したようなデザイン。

開けるとこんな感じ。包装のビニールの高級感から既にワクワクしてきました。

ガジェット系のビニールってどうしてこんなに興奮するんだろう

内容はキーボード本体、接続用USBケーブル、マニュアルの3つ。ミニサイズ以外のテンキーレス、フルサイズの各モデルにはマグネット式のリストレストが付属します。個人的には元々別のリストレストを使用予定だったので無問題。

2.形状について

本体の形状としては、前作であるHuntsman V2の形状を踏襲しながらところどころでアップデートがなされている印象です。

購入したのは日本語配列
全体的に高級感が増した印象

例えば、プレート部分の素材が航空機などに使われる素材になっていたり、表面加工がかっこよくなってたり。他にはキーキャップの表面のざらつき具合が以前より強くなったことやライティングの映え方が良くなってたりなどなど・・・バージョンアップするにあたって細かいところにも様々なアップデートがなされている印象でした。せっかくの高い買い物ですし、こうやって高級感のある外観だとテンションが上がります。

前作よりライティングが映えるように
表面のザラつきも強くなり操作性が安定

個人的に良かったのは接続時のライティングの演出。前作ではただライトが入るだけでしたが、今作から演出が入るようになりました。これ結構嬉しい。類似した機能としては、Fnatic gearのSTREAK65でも似たような機能がありましたが、特別感があっていいですね。こういったさりげない演出が子供心をくすぐられるようです。

キーキャップ単体の性能を見ても前作V2より高級感を感じる仕上がりとなっています。特に表面の質感が良く、前作よりザラつきが強く操作時の安定感が増した印象です。

見た目の話はこれくらいにして、肝心の機能面についての話をば。
の前にラピッドトリガーについて超簡単に説明したいと思います。

閑話休題:ラピッドトリガーについて

ラピッドトリガーとは、通常のキーボードに採用されているメカニカルスイッチと違い、ソフトウェアの設定でキーボードのスイッチのオンオフの判別(アクチュエーションポイントとリセットポイント)を自分の好みに設定でき、その上でキースイッチの押した深さに追随してオンオフになるポイントが変化する機能のことを指します。

通常のメカニカルスイッチは、前述のアクチュエーションポイントとリセットポイントが仕様として決められており、その設定を変更することはできません。このアクチュエーションポイントとリセットポイントを設定できるようにしたゲーミングキーボードの始まりといえば、steelseriesのAPEX Proと認識しています。違ったらごめんなさい。

アクチュエーションポイントが可変式で設定できるスイッチが出た後、更に機能を上乗せした機能が現れました。それがラピッドトリガーです。

例えば、キースイッチの押せる深さが4.0mmとした場合で、アクチュエーションポイントを0.1mm、ラピッドトリガーを0.1mmと設定したとします。
この場合、キースイッチを0.1mm押した時点でスイッチがオンとなります。そこから4.0mmまで押し込んだとして、その状態から0.1mmスイッチを離した時点でスイッチがオフになります。そしてその状態からまた0.1mmキーを押し込むとスイッチがオンになるというイメージです。

つまり、スイッチのオンとオフに設定した値だけキーを動かせばスイッチがオンになったりオフになったりするという感じ。

この機能が活きるのがVALORANTなどでキャラクターの動きを止める時や、APEXなどのアイテムを拾うようなゲームでアイテムを拾う時。他タイトルでも特定のボタンを連打する時など。素早くスイッチのオンオフができるようになることでキーボードを使用した対人ゲームで有利になることがあります。VALORANTコミュニティでは、当時Optic Gamingに所属していたyay選手(現BLEED esports所属)が世界大会で使用していたことから流行した記憶があります。

そろそろ話を戻しましょう。

3.キースイッチについて

前述の通りHuntsman V3 Pro miniは、ラピッドトリガーを搭載したキーボードです。このラピットトリガーを機能させるために、Razer社製の第二世代光学式アナログスイッチがこのキーボードに採用されています。
基本的にラピッドトリガーを搭載しているキーボードでは、ホールエフェクトスイッチと呼ばれる磁気を利用して押した深さを検知するスイッチが採用されているのですが、Huntsman V3 Proでは光学式が採用されています。
光学式スイッチの強みとしては、誤作動が少ないことが挙げられます。その点でもこのキーボードに対する信用度が出ます。

キーの揺れは小さく、指をキーに添えた時の不安定感はありません。押し込みについてもスイッチが真っ直ぐに降りてくれます。押下圧は40gで、Huntsman V2に搭載されているRazer光学式スイッチの第2世代赤軸より少し軽く感じました。

気になるところとしては、押した時の音が結構鳴ります。体感としては、茶軸のメカニカルキーボードより音が大きくて青軸のメカニカルキーボードより静かなイメージです。このキーボードに乗り換えてからマイクにキーボードの操作音が乗るようになってしまいました。
元々使っていたHuntsman V2 linearが相当打鍵音が静かだったこともあってこのギャップは個人的にマイナスポイントでした。これは推測ですが、基板の形状からも静音化設計があまりなされていないかもしれません。キーボードの静音化対策はいくつかありますが、それらを導入するとラピッドトリガーに影響が出ることから意図的に行なっていないかもしれません。機能と利便性はトレードオフということで飲み込みました。

実際の使用感としては、明確にVALORANTでのキャラクターコントロールがキビキビと行えるようになりました。特にストッピングと呼ばれる射撃時に移動を停止させる技術が素早く行えるようになり、射撃面において有利に動けるようになりました。

4.Synapseでの設定方法

ここからは実際にラピッドトリガーを設定する手順について簡単に説明していきます。Huntsman V3のラピッドトリガーの設定はハードウェアとソフトウェアの両方で行えますが、今回はソフトウェアでの設定方法について紹介します。

設定はRazerのソフトウェアであるSynapseで行います。

個別にアクチュエーションポイント、ラピッドトリガーの有無、ラピッドトリガーの数値の設定が行えます。基本的にキー単位で設定できますが、設定を変更できないキーもあるため注意。個人的にはラピッドトリガーをキーごとに設定を付与するか選択できることが良かったです。

ラピッドトリガーを含めた設定に関しては複数保存することができ、特定のゲームを起動した時のみにその設定が適用されるようにすることができます。普段の作業時には浅いアクチュエーションポイントとラピッドトリガーは不要だけど、ゲーム中だけ設定しておきたいという方はこちらを設定すると便利です。僕はFPSタイトルを起動した時のみラピッドトリガーを設定したプロファイルを呼び出すようにしています。

これは余談ですが、プロファイルと同様にライティングについても特定ゲームで呼び出しができます。僕はVALORANTを起動した時に操作に使用するキーのみを光らせるようにしてみました。特に意味はないです。

5.まとめ

まとめです。

今回購入したRazer Huntsman V3 miniは、まさにゲーム専用キーボードといった印象を受けました。決して普段使いができないというわけではありませんが、どうしても打鍵音の大きさが気になってしまいます。購入したのがミニサイズということもあり、今後PCで作業をする時には元々持っていたHuntsman V2 TKL、ゲームをするときや、簡単な文字入力についてはV3 Proを使用するといったように用途別に使い分けることになりそうです。

ただ、ラピッドトリガーの効力は大きく、Pay to Winと言われる理由が少しわかったように思います。通常のゲーミングキーボードとの差は明確です。

決して安い買い物ではなく、キーボードとしては少し躊躇われるような価格ではありますが、もっとゲーム内でのキャラクター操作を自分の感覚に近づけたい方にはおすすめのキーボードです。

昨今Huntsman V3 Proシリーズのようにラピッドトリガーを実装したキーボードが数多く発売されていることからも需要の高さが伺えます。今後も製品展開、更なる機能向上による市場競争が見込まれます。今後も楽しみですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?