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VR3000がワイヤレスになった話 【VR3000 Wirelessレビュー風感想】

こんにちは。ΣISAKAです。
今回は2024/12/5にfinalから発売されたVR3000 Wirelessを発売日に購入できたので、早速使用しつつ感想をまとめてみました。気付いたら1ヶ月程度使っていました。

VR3000といえば、ASMR音声の視聴に適したイヤホンとされており、また、ゲーム内での使用感についても、価格を考えれば十分な使用感を誇るイヤホンです。ただ、最近では安価かつゲームユースに利用できるイヤホンが増えてきており、その存在感は薄れつつあるように思えました。というかイヤホン周りの技術進歩の速度が速すぎて追いつけないくらい。

そんな中今回発売されたVR3000 Wirelessは、2.4GHz通信とBluetooth通信に対応したTWS(完全無線イヤホン)として登場しました。以前試作機を試聴させて頂いた際には、VR3000と遜色ない音の作りを感じることができた本機。今回は、過去に自分が実施したfinalゲーミングイヤホン比較記事作成時に使用した音源と同じものを使用して検証を進めていこうと思います。

前回の記事はこちら↓

本体形状はこんな感じ。

外箱
有線版と違って少し青みかかったデザイン
内容物
レシーバー、本体、イヤーピース、紙、紙
取り出すとこんな感じ
手汗や皮脂が目立ちやすいので注意
内側は何故かテカテカしていた
ここもマット仕上げだと高級感増すのになあと、、、
本体
final Aシリーズのような形状ではなく、丸みを帯びたデザイン
比較的万人受けしやすいように思えます
ドングル
ちょっと大きめ
イヤホンケースにドングルを収納できないのは少し残念ポイント

検証項目については以下の通りです。

検証項目1:ゲーム

タイトル1:VALORANT
ゲームモード:デスマッチ、チームデスマッチ、スイフトプレイ
各モードを数回連続でプレイし、音の聞こえ方等を確認します。プレイヤースキルが高い訳では無いでので、素人並みの感性で確認

タイトル2:ストリートファイター6
音の遅延が明確に勝敗に影響のある対戦格闘ゲームで遅延状態について検証します
こちらも実力は素人以下なので、このイヤホンを使ったからドライブ返せたとか、投げ察知して返せたとかは言えないです。反射神経がおじいちゃん。

検証項目2:音楽

先日のポタフェスで使用したプレイリストで検証しました。
過去検証時に使用していたプレイリストに1曲追加したものなので、ほぼ同じです。

検証項目3:ASMR

こちらも前回と同じ音声を使用して検証。

これらの項目を通してそれぞれどのような印象だったかまとめていきます。
各項目で機種ごとに使ってどうだったかを箇条書きで記載していきます。また、製品名の横に評価記号を付けました。項目としては以下の通り。

  • △:使用していて微妙に感じた部分あり

  • 〇:問題なく使えるが、少し気になる部分あり

  • ◎:問題なく使える、気になったところもなし

  • ☆:すごい、すごい

また、再生環境については以下の通りです。補足情報が必要な方はお知らせください。適宜追記します。

  • 接続方法:2.4GHz

  • 接続ケーブル:Pulsar X2に付属していたケーブルとアダプタ(ハブなどを介さずにPCに接続)

  • イヤーピース:final Eタイプ for TWS (Lサイズ)

  • ノイズキャンセリング:使用

  • イコライザー:製品出荷時のまま(調整なし)

1.ゲーム(VALORANT):◎

音の違いによって敵の居場所を把握しやすい本タイトルですが、デスマッチ内では音による索敵が十分に行えたように思えました。ずっと走り続けているような敵はいつ自分の前に出てくるのかのタイミングも掴みやすかったです。ただし、この音の聞き取りやすさはあくまでデスマッチのような足音と銃声のみが発生する環境のみで、VALORANTのメインである爆弾解除ルールにおいては、ここに各エージェントのスキルの音も混在し、また足音によるエージェントの特定まで行うとなると、もっと音量を上げて聞かないとわかりにくいように感じました。音量を上げるとおそらく低音に耳を破壊されるので試しませんでした。

別日にイヤーピースを変えてコンペティティブ(通常の爆破ルール)でも使用してみましたが、音の聞こえによる不利を被ることはなく、また細かい足音やスキル音などによる索敵も可能でした。どうしてもゲーム内VCとゲームサウンドが混在した時にはVCが聞き取りにくいと感じる場面もありましたが、これはボリュームバランスをゲーム内で調整することで対応できそうです。
より細かい音や距離感を察知するためには、以前レビューしたS08のようなより高グレードの製品に軍配が上がるかと思いますが、装着感の良さ含めて長時間のプレイを前提とした場合には非常に快適さもあって、使い続けたくなるような使用感でした。

2.ゲーム(ストリートファイター6):◎

インゲームでの不満は特にありませんでした。技の始動音の遅延は感じられず、出音もハッキリとしているため、有線イヤホンと同等の運用が可能でした。格闘ゲームにおける音の重要性は、出た音に対して自分のできるカウンターを打つことにあると思いますが、僕はまだその領域に達していないため、無線かつ耳元で音を聞くことができることに対してのアドバンテージを大きく感じました。

3.音楽鑑賞:◎

第一印象としては、低音域が強調されたVR3000という印象でした。これはイヤーピースの遮音性や、ノイズキャンセリング機能によるところが大きいと思います。個人的には解像度としては満足でした。価格的にハイエンドモデルと比較すると、音のバランスや分離感において差を感じますが、ワイヤレスかつ初期装備として2.4GHz通信を備えた利便性の高いモデルと考えると十分と感じました。

3.ASMR音声:◎

タップ音の動画を聞いたところ、上下の音の動きが感じられました。どうしても正面の音と背後の音は聞き分けが難しかったのですが、音の方向がどこにあるのか理解できるようになるのは強みと感じました。
全体的にダミーマイクで録音した通りの距離感で音を感じることができ、他のイヤホンでありがりな音が遠く感じるといったようなことはありませんでした。

水音についても左右の分離感の良さから音の位置を感じながら視聴することができました。

また、上田麗奈さんの声、アイスピックの削る音、ちょっとした環境音など、その場で鳴っているような音の距離感を感じることができました。この辺りの臨場感はVR3000にかなり近いように思えました。

イヤホンの音の傾向としては典型的なドンシャリ型に近く、低音が強いな〜と感じる場面があります。しかし、この低音域がASMR音声を視聴したときの音の近さに影響しているのかなとも思いました。特にタップ音のような耳元に近いところで感じられるような音には、この低音域の主張具合がちょうど良く感じます。ここから中低音域以下を削ってしまうと臨場感が薄れて、耳元でなる音が遠く感じてしまうのではないでしょうか。。。この点については有識者に聞いてみたいところ。。。

余談:イヤーピースを変えてみたら

ここからは少しだけ余談。イヤーピースを大好きなSpinfit Omni Lサイズへ変更して使用してみました。
個人的にはOmniを装着して使用したほうが音は好みに近づきました。Spinfit製品は全体的に低音域の鳴りを抑えて、高音域の抜けを良くする印象が強く、もともと低音が強めに設定されているVR3000 Wirelessとの相性は個人的には良かったです。イコライザーで調整すればいいって話ではあるのですが、イヤーピースで調整したくなる癖がついているのかもしれません。。。

装着感についてもOmniの方が良かったです。普段使用しているTWSのイヤーピースと同じというところもありますが、Eタイプ for TWSと比較して本体を深く耳に差し込めることによるフィット感が大きいようにも思えます。

また、ケースの形状的にAZLA Sednafit MAX for ASMRも使用できるのではないかと思いますが、組み合わせ的により低音が強まって自分の好みから離れてしまうように予想していたため未検証です。

4.総評

人によってはエンドゲームとできるような製品だと思います。しかし、前述の通りどうしても高価格帯のイヤホン群と比較すると性能は劣るかなとも思います。もちろん同価格かそれ以下の価格でよりゲームユースな有線イヤホンも存在します。しかし、その分無線イヤホンとしての利便性が高く、遅延の少なさからほぼ有線のVR3000と遜色ない性能を無線イヤホンで発揮できているのは純粋にすごいと感じました。

気になったところとしては、PCを起動するたびにドングルを抜き差ししないとUSB接続されないことでしょうか。ハードウェアの問題なのか、ファームウェアの問題なのか分かりませんが、これから改善されるといいなと思うところです。
接続されない場合には、一度イヤホン本体をケースにしまい、ドングルを抜き差ししてから再度イヤホンを取り出すと接続はされます。手順としてはそこまで煩雑ではありませんが、この手間がなくなるともっと利便性が増しそうです。
この件については、final側も認知しているようで、公式Xにて対応策についての投稿がありました。転載しておきますので、困った方はこちらを参考にしてみてください。

現在ゲームユースとされているイヤホンの中で2万円以上出すのは辛い、しかし無線イヤホンでケーブルの取り回し問題を解消したいという方にはちょうどいいイヤホンだと思います。この価格帯で2.4GHz通信が可能、かつVR3000の音質に近い形でチューニングされた製品がワイヤレスで使用できる製品は現状ほとんどありません。高速通信用のレシーバーと既存のTWSを組み合わせることで一般的なTWSを限りなく低遅延で運用することもできますが、その組み合わせをしようとすると、どうしてもVR3000 wirelessの価格を上回ってしまいます。

お世辞にも耳が肥えているとは言えない僕の耳にとっては必要十分な性能を持っており、個人的にはほぼエンドゲームと言っても差し支えないでしょう。購入からPCでの音周りはVR3000 Wirelessのみで運用しており、現状大きな不満はありません。強いて言えばもう少し低音域の主張が弱いと嬉しいかなとは思います。アプリでのEQ設定がPC使用時にも適用されるのであれば、調整してみたいところ。

昨今ゲーミングイヤホンとして発売される製品が増えてきていますが、この製品は現状利便性とコストパフォーマンスの2点から非常に良い製品だと感じました。また、個人的には国内メーカー製品を応援していきたいところもあり、今後もfinalの動向はチェックしていきたいと思います。(製品自体は中国製だったけど)

それではまた。


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