20240805 ●●●の振りをする
普通を提供してくれる人、本当にありがたい。
この前、職場の同期と遊びに行った時に思った。8人乗りの車に乗せてもらって8人で小旅行に行った訳だが、その時の車内BGMを聞いていて思った。大学4年の2022から高校生だった2016頃までの有名曲プレイリストみたいなのを流してくれていた。私が車内に入った時は既に流れていたから、どういう経緯でそれを流し始めたのかは知らないが、こういう絵に書いたような若者の旅行を、私は学生時代に体験してこなかった。
もちろん、自分が普通では無いというような過剰な自意識を持っているという訳ではなく、普通を提供してくれることで、その集団の雰囲気を良いものに保ってくれることを、ありがたいと思っているのである。
その代表的な例に、音楽があると思う。先述の車内BGMはレアケースで、むしろより実践的なものとしては、カラオケとか。その場を、変な空気にしない選曲ができることが羨ましい。別に上手さはどうでもいい。マイナスにしなければどうでもいい。
私は、聴く音楽のジャンルに偏りがある、言い換えればヨルシカとボカロしか聞かない、もっと具体化するなら結構有名なボカロPの視聴時間ランキングでTOP10に入るほどには、文字通りヨルシカとボカロ「しか」聴いていないのだが、両者ともにカラオケに向かない。
ヨルシカは、歌っていて私は気持ち良いが別に周りは気持ちよくない。しかもメジャー曲は私が歌いたくないというエゴ付きであるから、さらにタチが悪い。「お前の花人局は聞き飽きた」という言葉を何度も聞いた。私は2日連続で同じ映画を見ても楽しめるタイプなので、毎回同じ曲でも全然飽きないが、周りはそうでは無い、らしい。
ボカロは、私が音痴でリズム感がないため全く歌えない。そもそも、私は半分朗読のようなボカロ曲が好きだったり、YouTube登録者数(好きな指標ではないが、知名度を測る一般的な基準として採用した)が3万人くらいの小規模なボカロPが好きであるため、カラオケに曲が登録されていなかったりする。
話が逸れた。兎に角、私はそういう場で普通を提供することが苦手だ。みんなを盛り上げよう!みたいな気概もないし、そもそもそういう曲を知らないから提供しようも無い。だから、あいみょんとかミセスとか髭男とか優里とか、あとほらあれ、井口って奴がいる、そのあれ、白日歌ってた、ほら、アレアレ(マジでど忘れした)とか、そういう選曲をして、まあ個人の好き嫌いは多少あれど、「(適当に手拍子くらいしてやるか、曲も当然知ってるし)」と思わせる程度の普通を提供できる人間が心底羨ましい。私は一生かかっても、そういった普通を提供してくれる人に、おんぶにだっこなのである。
何も音楽に限ったことでは無い。飲み会でもそうだ。誰かが普通を提供してくれる。
私が飲み会の場で非常に居心地を悪そうにしていると、声をかけてくれる人。ありがとう。飲めない人に酒を強要しないが、自分も適度に飲み、適度に会話に参加し、テーブルの端で空いた食器の片付けをしつつ、来たドリンクをみんなに聞いて頼んだ人に回し、会計も後日やってくれる人。凄い。いつもありがとうございます。
こういうのは慣れだよとか言うけど、慣れるほどそういった会(私にとっては修羅場)に参加できる“普通”のあなたが素晴らしいと心の底から本当に思っているし、本当は少し、憎たらしい。
嗚呼、世の中の“普通”を提供してくれるそこのキミ、いつもありがとう。
そうそう、白日を歌っている井口は、キングヌーだ。やっと思い出した。