歯科医の椅子にて

年に一度くらいかな、歯医者に行く。
今回は、以前埋めていたセメント(?)が外れてしまったので、その治療に来た。
歯医者ってのは、会話もする口を治療してもらうので、コミュニケーションを取りにくいところで、まぁ大体はおとなしく口を開けている。
で、治療用の椅子に体を伸ばして口を開けながら、歯医者にまつわることやなんかを考える。
ここに通い出した年数を数えたり、そうするとこの先生は今幾つくらいか?なんてことから、(歯科医師になるための条件が揃ってるとしたら)歯科医師になりたいだろうかとか、時たま財布が心配になったり(じつは今日は時間があったので、別の歯の治療もしてもらったところ、お金が足りなかった)、麻酔のかかった口の中をドリルでキュィ〜ンなんてされると、自動車の組み立て工場でフレーム内部をなんとか溶接なんかされてる車みたいじゃんと思ったり、(そこは夫婦でちっちゃく開院されている医院なので、奥様が歯科衛生士と受付を兼ねていて)この歯医者に電話するタイミングっていつごろが良いのかなぁと考えたりする。
ふと、昨夜食べたものを思い出して申し訳ないような気持ちになって、じぶんには歯科医師にはなれそうにないなと改めて思ったり。
毎日、いろんな椅子に座るけれど、こんなに内政的にさせる椅子はあまりない。

すべての治療が終わるまでにあと2回あの椅子に座る。
新年を跨いでの2回なので、どんなことを考えるのか楽しみにしている。

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