稼げるライターは、ターゲットのことを考えて書く
ご無沙汰しています。
というか、ご無沙汰しているうちに、プロライター道場3期も終了してしまった。4期の募集はいつからになるんだろう、今回もオンライン開催になるのかな。そんなことを考えながら、1期に参加したときの話を。
もう少々お付き合いください。
マーケティングとライティング
プロライター道場第4回の講師は、ライターの竹林篤実さん。理系ライター集団パスカルのメンバーで、企業トップのインタビューなどを多く手がけておられます。
今回のテーマはズバリ「マーケティングに基づくライティング」。マーケティングで大事なのは、誰に何を提供するかということ。
参加している多くのライターにとって、マーケティングは未知の世界。一見ライティングとは関係ないように見えますが、これを知っていると、より深く読者を意識できて、企画を立てる時に役立ちそうです。
ターゲットによって伝え方も変わる
講義では、環境の分析から戦略の立案、具体的な施策までを、流れにそって考えていきます。
一切売れなかった商品が、売り方の切り口や商品コピーを変えるだけで、あっという間にヒット商品に。「いいものを作れば売れる」というものではなく、伝え方・売り方を考えなければならない。今さらながら、コピーや紹介文の重要さを知りました。
さらに、缶コーヒー各社のターゲット違いを考えるワークも。缶コーヒーのCMを見た後に、コーヒーの味やターゲットの性別、年齢、商品特徴や使用シーンなど、細かく表に分けて分析していきました。
同じ缶コーヒーでも、ターゲットによってパッケージやCMにはっきりと違いがでました。意外だったのが、ターゲットの性別がすべて男性だったこと。
気になって調べてみると、ネットのアンケートで、女性が缶コーヒーを飲まない理由として「おじさんぽい」「いったん開けたら、その場で全部飲まないといけないのがイヤ」というのがありました。小さな缶でも、一気にグビッと飲み干すのは、女性にとっては負担かも。
おじさんっぽいかどうかは別にして、使用シーンなどを想像すると、たしかに缶コーヒーは、男性寄りの商品かもしれません。だからメーカーは、缶コーヒーをよく飲むであろう20〜30代男性にターゲットを絞っているんですね。
商品の特徴などをシートに書き込みながら、缶コーヒーの使用シーン別に違いを分析します。
使用シーンに朝を想定した商品は、キリッとした苦みが特徴。CMに女性アイドルグループを起用し、元気なダンスで元気な目覚めを表現。一方、リラックスをうたった商品は、香り高い高級豆を使用し、CMも落ち着いた雰囲気の男性俳優を起用していました。
こうして書き出してみると、同じ商品でもだいぶ違っていて面白いですね。いつも何気なく手に取っている商品。こんなふうに作られていたんだなぁ。
デザインとマーケティング
前職のグラフィックデザイナー時代は、パッケージデザインの仕事をしていたときに、まずは、ターゲットをイメージする写真などを貼り付けた、イメージボードを作っていました。
例えばターゲットが20代女性なら、その女性が好きそうな料理、ファッション、イメージできる色味などを1枚のボードに貼り、視覚的に整理する。イメージを視覚化することによって、明確にし、プロジェクトに関わるみんなで共有していたのです。
記事でいえば、構成を考える際に思考の流れや情報を視覚化する「マインドマップ」みたいなものでしょうか。ターゲットを明確にして、そこに何を提供できるのかを考える。あれも一種のマーケティングだったのかな。
「稼げるライターとは、お客が求めるものを提供できるライターである」数々の企業案件を手がける竹林さんがおっしゃると、説得力があります。
自分にできることが、クライアントにとってどう役立つのか。企画を出すときも、ただやりたいことを書き出すのではなく、媒体の読者にあったものを提案すると、採用される率もぐっとあがるのだなと思いました。
>次回へつづきます