見出し画像

【ありがとう!スクスタ④】強大な権力を前に、同好会の運命は?・・・ 2nd Seasonを振り返る

2023年6月30日にサービス終了が決まった、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル オールスターズ(スクスタ)」

このゲームがとても好きなので、サービス終了までその想いを語ろうと思っています。

その中で避けて通れない、物議を醸したメインストーリーについて語っていきます。

前回の記事まで、物議を醸した1st Seasonを振り返りましたが、今回からはいよいよ2nd Seasonを振り返ります。

と言うのもこの2nd Season、1stをはるかに超える大炎上になってしまったのです。
ものすごい叩かれようで、このゲームの人気衰退の最大の要因とまで言われています。

なぜここまで炎上したのか?
何が悪かったのか?

好きなゲームだけに、ここを検証し、語らずにサービス終了を迎える事はできません。

長くなるかもしれませんが、2nd Seasonを徹底的に振り返ってみようと思います。

例によって、私は激しい論調や厳しい言葉使いは苦手なので、できるだけソフトに、冷静に語っていきます。

2nd Seasonが炎上してしまい、ラブライブ!が好きなのに嫌な気持ちになってしまったファンの方も多いと思います。
そんな皆さんに安心してもらえるよう、精一杯書きますので、長いですが最後までお付き合いいただけると嬉しいです。


ランジュとミアがやってきた

2nd Seasonの直前、Intermissionの最後に、栞子ちゃんが理事長室に呼ばれた。

そこで待っていたのは、栞子ちゃんの幼馴染にして、理事長の娘、鍾嵐珠(ショウ・ランジュ)。
ランジュはニューヨークから連れてきたという、ミア・テイラーと共に、虹ヶ咲へ転入するという。

「私が来たからには、退屈させないわ」とランジュ。
これから、どんな展開が待ち受けているのか?

香港からやってきたランジュ
栞子ちゃんの幼馴染
NYからやってきたミア・テイラー

短期留学から帰国したあなたちゃん。
メンバー会いたさで、一目散に学校へ。

到着すると、スクールアイドル部のライブがあるとの噂が。
会場へ行ってみると、果林ちゃん、愛さん、栞子ちゃんの姿。
そして、見慣れない子がセンターに一人。

その子のパフォーマンスは圧倒的。会場を完全に支配する。
しかし、パフォーマンスをしたのはセンターの子のみ。
その子こそ、途中編入してきたランジュだった。

観客席で彼女のパフォーマンスに圧倒されていると、かすみんがあなたちゃんの姿を見つけて駆け寄ってきた。
あなたちゃんは、早く他のメンバーのパフォーマンスが見たい、とかすみんに伝えるも、「あの人たちはバックダンサーですもん」との答え。

完全に浦島太郎状態のあなたちゃん。
一体、同好会に何が起きたの言うのか?

ランジュと「スクールアイドル部」

残りのメンバーは、テラスに集合していた。
かすみんがテラスにエスコートし、メンバーとの久々の再会。
そこで、あなたちゃんが居ない間の話を聞くことになった。

大成功を収めたスクールアイドルフェスティバルを体験し、スクールアイドル活動がしたくて香港からやってきたランジュ。

同好会のメンバーに会い、これから一緒に活動してゆく…と思いきや、最高のスタッフと環境を揃えた「スクールアイドル部」を設立。
同好会から部へ移るように誘ってきた。
さすが理事長の娘。やることがダイナミックすぎる…

部室もスクールアイドル部が使用することになり、講堂の使用も独占。
ランジュ側は、スクールアイドル活動をしたければ部に入るようメンバーに通達。
部に入らない限りは活動禁止を言い渡してきた。
さらに、監視委員会まで作って、同好会を監視、活動を妨害してきた。

ランジュひとりが入っただけなのに、同好会メンバーはとんだ迫害を受けることになってしまった。
そのため、同好会メンバーは活動を制限され、練習場所すら与えられない状況。

こんな不公平を許すわけにはいかない。
ランジュと話をして、みんなで一緒に活動できるよう話してみる、とあなたちゃん。

しかし、エマちゃんが気になる一言。
「あの子たちがやってるスクールアイドルって、なんか違う気がするの。うまく言えないんだけど…」

すると、テラスに果林ちゃんと愛さんが。
せっかくあなたちゃんとの再会なのに、同好会メンバーとは不穏な空気。
それもそのはず。この二人は同好会から部に移って、今やランジュ達と行動を共にしているからだ。

もちろん、二人にも部に移った理由がある。
愛さんは、何も知らないまま否定はしたくなかったと語る。
部のやり方を知らないまま否定することはできない。クレバーな愛さんらしい理由だが、単純に部のやり方に興味があったとも語る。

果林ちゃんは、なんでも仲良く一緒に、と言うのは違うと主張。
上昇志向の高い果林ちゃんらしく、共に切磋琢磨しながら実力を高めたいという事から部を選んだ。

ランジュは最高の環境を整えてくれただけでなく、超一流の作詞家、作曲家、振付師、演出家を揃え、パフォーマーの指導をしてくれるという。

パフォーマーの誰もが憧れるような環境。
これでトップを目指せるだけのレベルにならなければ余程才能がない証拠…とも言えるが、これはエンターテインメントの頂点を極める場ではなく、高校の部活なのだ。
果たしてそこまでの充実した環境は必要なのだろうか??

そんな環境の中でパフォーマンスを磨き、センターに相応しいパフォーマンスができるパフォーマーのみがライブで主役を飾れる。
そこまでのレベルに達していなければ、主役を輝かせるバックダンサーをするしかない。

しかし、パフォーマンスの質を上げれば、誰もがセンターになることができる。
今の所、ランジュの完璧なパフォーマンスを前に、他のメンバーは敵わない状況ではあるが…。

部に移った愛さん、果林ちゃんは充実している様子

部か?同好会か??

あなたちゃんの意見は、フェスを見て編入を決めたランジュも、きっとスクールアイドルが好きなはず。
ならば一緒に活動できるはずだから話し合いたいと主張。

愛さんと果林ちゃんに案内され、ひとりランジュの元に乗り込み、一対一で話をすることになった。

ランジュは、スクールアイドル部に入れば好きなだけ活動できると主張。
でも、最高の環境を整えたのに、同好会の子たちは部に来ない。
何が足りないのかしら?と不思議そうだ。

ランジュはあなたちゃんにも強引に話を進めようとする。
同好会の部長なら、他のメンバーを部に入るように説得して欲しい。
ランジュのステージを見て、魅了されたのならもうファンよね、と。

なぜ同好会を解散させるのか?
ランジュはフェスを見て、同好会メンバーの魅力を十分に理解していた。
だからこそ、成功を約束された新しい環境を用意した、と言う。
どうやらランジュは、一緒にスクールアイドル活動をする同好会メンバーのために、この環境を用意した、と言うことらしい。

部の部室で迎えてくれたランジュ

ランジュは作曲家のミアも紹介してくれた。
テイラー家はアメリカでは有名な音楽一家。あなたちゃんでもその名を知っていた。
その次女である天才作曲家、ミア・テイラーをNYから引っ張ってきたのだ。

ミアはランジュのための曲を一晩で5曲も書いたと言う。
天才作曲家は名ばかりではないようだが、ちょっと世間知らずでわがままな面もあるようだ。

しかも彼女の年齢は14歳。アメリカでは飛び級で大学生だったが、ランジュに引っ張られて来た虹ヶ咲では3年生にあたる。

ミアの作業部屋
作曲のための機材が充実

ランジュに案内されて部の施設を見て回る。
部に入れば、みんな好きなように活動させてくれるのか?と尋ねると、それは実力次第、とランジュ。

つまり、パフォーマンスでランジュを上回らないと、ソロのステージに立つことはできない。
同好会メンバーの実力は認めているが、それをもっと磨けば、ランジュ自身を輝かせる最高の光になるはず、と言い出した。

プロが用意したものよりも、自分たちが自ら作り出したステージで輝く。
スクールアイドルフェスティバルはそうやって作り上げてきたステージだった。
それを見て来日したのであれば、そのことは理解できるはず…。

しかしランジュは、プロが作ったものは超一流なのに、それを使わないなんておかしい、の一点張り。

遂には、「あなたも作曲チームに入りたいのね?」と言い出す。
しかし、ランジュの元には超一流のミアがいる。
あなたはいらないの、と一蹴。
呆然とするあなたちゃん。

「ランジュには悪気はないんです…」

確かにプロが手がけた方が楽曲もライブ演出もクオリティは高い。
やはり…みんなを部に入れてあげた方が…。

そう考えていると、栞子ちゃんが声をかける。
ランジュと栞子ちゃんは幼馴染。
ランジュが酷い事を言ったのではないか、と謝ってきた。

栞子ちゃんも、ランジュの横暴を生徒会長として止められなかったと後悔する。
幼馴染だからこそ、ランジュの性格は熟知している。
昔から我が強く、人付き合いが苦手。
しかし、栞子ちゃんも似たような事をしていた、と自戒する。

ただわかってほしいのは、ランジュには悪気はない。
自分がそうしたら皆が喜ぶに違いない、と思った上での行動だという事を強調する。

栞子ちゃんの言葉の意味とは?

ただ、あなたちゃんは酷いことなんて言われていないと話す。
むしろ、現実を突きつけられた感じだ、と。
ランジュの言葉を聞き、自らの目で部の環境を見て、だいぶ弱気になってしまったようだ。

しかし、そんなあなたちゃんを栞子ちゃんが一喝。
同好会を廃部にしようと思っていた私をスクールアイドルにまでしてくれたのは、あなたちゃんに誘われたから。
だから、自分の活動に自信を持ってほしいと言ってくれた。

同好会メンバーの元に戻ったあなたちゃん。
今の率直な気持ちを話す。

短期留学でさまざまな事を学び、もっと可能性が広げられると感じた。
あの環境なら、みんなの可能性をもっと広げられるはず…。
皆が部に移って、最高の環境でパフォーマンスを高める姿を想像してほしい、とあなたちゃん。

私にとって、あなたちゃんと活動することが一番。
そして何より、あなたちゃんの曲は最高!
これからも一緒に同好会で活動したい!と言ってくれるメンバーもいれば、一晩考えたい、と迷うメンバーも。

「部vs同好会」対立構造が生んだものとは?

同好会を取り巻く環境が劇的に変わり過ぎてしまったので、ここで客観的に振り返ってみたいと思います。

まず、理事長の娘であるランジュが虹ヶ咲にやってきます。
スクールアイドルフェスティバルに感銘を受け、私もスクールアイドルをやりたい!と来日したわけですが、彼女の理想は常識をはるかに超えたものでした。

まず、同好会の部室をリニューアルし、トレーニングルームや豪華な休憩所を設けたゴージャスなものに変更。
バーカウンターまである休憩所。ここは高校のはずなのに…。

そして、音楽や振り付け、演出についても業界トップクラスのプロを招聘し、活動をサポートしてくれます。

その最高の作曲家としてNYから招聘されたのが、ミア・テイラー。
音楽一家であるテイラー家の娘で、14歳なのに飛び級で大学生だった彼女が、ランジュの曲を書くために一緒に来日。

ここまでの環境を整えた「スクールアイドル部」を勝手に設立。
同好会メンバーに部に移って一緒にスクールアイドル活動をしましょう、と誘います。

豊富な資金力と「理事長の娘」という立場を利用し、圧倒的優位な立場で同好会メンバーに立ちはだかったランジュ。

1st Seasonでも指摘した通り、ここでも完全なる対立構造が生まれてしまいました。

栞子ちゃんの時は1対多数。
意固地なこだわりを曲げようとしない栞子ちゃんと、各部との争いが繰り広げられましたが、今回はもっとスケールが大きい。

強力な政治力で同好会に迫り、メンバーを引き抜きにかかります。
そこで部へ移ったのが、愛さんと果林ちゃん。
栞子ちゃんは元々ランジュの幼馴染だったため、自然と部の方に加わった感じです。

これで構図は完全にスクールアイドル部 vs スクールアイドル同好会の真っ向勝負になりました。

しかし、圧倒的な政治力を前に、同好会は部が悪い状況。
その上、どうしても部に来てほしいランジュは、同好会に残ったメンバーに対して数々の弾圧を加えていきます。

同好会メンバーは四六時中監視され、練習を開始しようものなら監視員が警告するほど。

厳しい監視の目
右月さんと左月さん

ここまで絶望的な展開を序盤から見せられたら、当然怒る人が出てきてもおかしくはないはずです。

ここからあなたちゃんを始めとする同好会メンバーがどうやって挑んでいくか、その展開次第では大どんでん返しがあるのか?と期待しながらプレイするとワクワクするのですが、必ずしもそうやって物語を追っている人ばかりではないでしょう。

物語を盛り上げようと劇的な展開を描き、全てのファンに受け入れられようとした。
しかし、ファンの好みは多様化しており、受け入れられないファンがSNSで酷評した結果、それが瞬く間に拡散してしまった、と言えるのではないでしょうか。

でも、物語はまだ始まったばかり。
どうやら、同好会メンバーも反撃に出る準備をしているようです。
ここから物語がどう展開していくか?

これからのお話のキーになっていくのが、栞子ちゃんの言葉です。
「ああ見えて、ランジュには悪気はないんです」

栞子ちゃんの言葉は本当なのでしょうか?
続きを見ていきましょう。

同好会の反撃!ゲリラライブ開催。

同好会メンバーはμ's、Aqoursにも今の状況を打ち明ける。
すると、μ'sから「一緒に練習しない?」と言う打診が。

穂乃果ちゃんが救いの手を差し伸べてくれた

音ノ木坂でようやく満足のいく練習を再開することができた同好会メンバー達。
でも、このままでいい訳がない。

にこちゃんの提案で、ゲリラライブをやることに。

問題は、いかに秘密裏に準備しつつ、ライブがあることをファンに匂わせるか。
ファンクラブを使って宣伝しようとしても、監視員が潜伏している可能性もある。

歩夢ちゃんが出した案は、噂を流すと言うこと。
「同好会がライブをするらしい」と言う噂を流し、集まった人たちの前で突然ライブを開催する。
果たして、うまくいくか??

ライブ当日。
作戦は成功。噂を聞きつけ、テラスにファンが集まった。

トップバッターはかすみん。
久しぶりに衣装に袖を通し、意気揚々とステージに上がろうとすると…

突然、スクールアイドル部が講堂でライブをする、と言う話が飛び込んできた。
集まった多くのファンが、講堂へ流れていく…

かすみんが上がったステージの前には数人しか残らなかった。
恐らく、残ったのは同好会のライブを心待ちにしていたファンなのだろう。

多くのファンの前でライブをするというささやかな夢をも奪われ、悔しい表情を浮かべるかすみん。
しかし、集まってくれたファンの前で気丈に振る舞う。

「かすみちゃん、がんばれ〜!」あなたちゃんやメンバーも懸命に応援する。
そして、満面の笑顔で歌い始めた。

かすみんのパフォーマンスは、残ってくれたファン全員を魅了するものだった。
ファンを味方に付け、一緒に楽しむステージ。
おかげで、次に続くメンバーにも勢いがついた。

心配そうに声をかけたしずくちゃんへ、かすみんが笑顔で返す。
「楽しかった〜!」

応援してくれるファンの笑顔を見て、かすみんも全力でパフォーマンスで返す。
会場一体となるステージ。

そんなすごいステージを作ることができるかすみんの姿を見て、
「かすみさん、すごいなあ…」
思わず声が漏れてしまったしずくちゃん。

ファンと一体となってライブを楽しんだかすみん
かすみんのライブを目の当たりにし、声が漏れる

結局、緊急ライブを行うことになった部の方へ大半の観客が流れていってしまったが、あなたちゃんにとってはそんな事は関係なかった。

短期留学から帰国して早々にランジュのパフォーマンスを目の当たりにし、部のハイレベルな施設やミアの曲に触れ、驚きの連続だったが、同好会には同好会の魅力がある。

そして、ゲリラライブを見てそれが確信に変わった。
同好会のみんなと活動を続けたい!

同好会メンバーも想いは同じ。
ずっと一緒にいて欲しいと。

盛り上がる空気の中、しずくちゃんが口を開く。

「私、スクールアイドル部へ行こうと思うんです…」

悩めるしずくのイノセント

あなたちゃんから、部での活動を想像してほしい、と言われてから、しずくちゃんはずっと考えていた。

ランジュのライブを見た時、クオリティは確かに高いが、同好会のライブはちょっと違う。
かすみんのパフォーマンスも、ランジュのパフォーマンスには負けていないと思う。

何が違うのか?
部と同好会、何がどう違うのかを自分の目で確かめてみたい。

そして、「みんなが応援してくれる限り、かすみん負けてないんです!」と言い切れるかすみんの事がすごいと思った。
私にはそんな自信はない…私もそう言えるようになりたい…。

そして、しずくちゃんは約束してくれた。
成長して戻ってくると。

翌日から早速スクールアイドル部に加わったしずくちゃん。
ランジュからの大歓迎を受けるが、練習はものすごくハード。

しずくちゃんを歓迎するランジュ

それでも、プロの指導は合理的で、無駄がなく完璧だと感心する。
ここでなら、もっと成長できるはず。

最初はついて行くのがやっとだったが、徐々にクオリティが上がってゆく。 実力主義の部にあって、ソロパートも歌わせてもらえるようになった。

ライブが終わり、パフォーマンスについてランジュやミアにアドバイスを求めるしずくちゃん。
しかし、この曲は今回限りで、次回からは別の曲を演るという。
最高のパフォーマンスを求めるなら、ステージもアップデートしていかなければならない。
プロらしい演出と言えばそうなのだが…。

部のライブを観ていた同好会メンバー。
自信をもったしずくちゃんに、かすみんが相対する。

しずくちゃんのパフォーマンスを見たかすみんには何も響いてこなかった。
あんなの、しず子のライブじゃない。 かすみんがそれをわからせてあげる!と。

迎えた同好会のゲリラライブ。
しずくちゃんが見たものとは、渾身のかすみんのパフォーマンス。
それは、見守る観客をも巻き込み、一体となるライブだった。

しずくちゃんの心にも、かすみんのメッセージが響いた。
声を枯らして応援してしまっていた。

改めて、かすみんとの差を感じ、思い悩むしずくちゃん。
そんな中、しずくちゃんはミアの作曲に対する考えを知る。

膨大な情報から、自分が使えそうなものをチョイスし、自分なりに広げていく手法。
必要なのは膨大な情報ではなく、その中で必要なものをチョイスできる能力。
クリエイターにとって、その能力は必要なものなのかもしれない。

30曲もの楽曲を没にして、徹夜までしてしずくちゃんの曲を完成させていたのだった。

しかし、しずくちゃんの心には何か違和感が。
かすみんのライブが頭から離れず、どう表現していいかわからない。
ミアが最高の曲を作ってくれて、曲の世界観も理解できたと言うのに…。

あなたちゃんを呼び出して今の気持ちを相談するしずくちゃん。
今まで歌ってきた自分の歌は、自分が表現したいもの、目指していたスクールアイドル像を可能な限り表現したいと、あなたちゃんに想いを伝えた結晶だった。
そのことを、しずくちゃんは思い出した。

自分が伝えたいものは何だったのか。
何のためにスクールアイドルをやっていたのか。

ミアが書いた、しずくちゃんのセンター曲は程なくしてライブで披露された。
ランジュもミアも満足。 ランジュは少なからずしずくちゃんを買っていたようだ。

しかし、ランジュとミアに自分の想いのこもったパフォーマンスを見てほしいとお願いするしずくちゃん。

ちょうど同じタイミングで、同好会もゲリラライブを開いていた。
ライブの最後にサプライズとして、しずくちゃんがステージに立つ。
実はあなたちゃんにその事を相談していて、当日までは機材操作を担当する璃奈ちゃんと3人の秘密だった。

自らの想いを、見てくれる人みんなに届けるようにパフォーマンスする「あなたの理想のヒロイン」。

この日のゲリラライブをきっかけに、同好会のみんなの元に帰ってきたしずくちゃん。

かすみんのパフォーマンスに焦っていたのではない。
今まで何を焦っていたのかすらわからなかった。

部に入って今までと違う経験をして、かすみんと喧嘩もしてわかったこと。 スクールアイドルとして何を届けたいか。
それがはっきりしたのだった。

周り道だったかもしれないが、しずくちゃんにとって貴重な経験だったに違いない。

ギスギスしていたかすみんとも無事仲直り。
間に入ってオロオロしていた璃奈ちゃんにも二人は謝り、仲良し1年生トリオに戻ったのだった。

戻ることを受け入れてくれたかすみんに抱き着く
璃奈ちゃんも、二人の間で不安を抱えていた

自らその実力を買い、感謝までされたしずくちゃんを失ったランジュは面白くない。
今後はもっと部のパフォーマンスを上げると誓い、次のライブは全曲新曲にするとミアに伝えた。

しかし、クリエイターであるミアの心に、しずくちゃんのパフォーマンスが届いた。
部に新たな風が吹くかもしれない。

「裏切り」という言葉に対する答え

しずくちゃんが部に移るエピソードは、2nd Seasonの中でも重要な回だったと思います。

まず、具体的に部の活動はどんな感じなのかが初めて描かれたこと。
その中で、ずっと部屋に籠って作曲をしているミアの事にも初めて触れられたこと。

ミアは徹底して「売れるための楽曲」を作り続けます。
心に刺さらないものはボツにして、一度パフォーマンスしたものはすぐに捨てて、次々に新しいサウンドを創っていく。

そんな曲作りを続けていたミアに、しずくちゃんのステージが心に響いた、というのも次のお話への上手いネタ振りになっていました。

部の環境は同好会、いやどの学校のどの部活をもはるかに凌ぐハイレベルなもの。
自身のパフォーマンスに思い悩むしずくちゃんにとって、いちど同好会を離れて客観視するには最高の場所でした。
その中で様々な経験をして、最終的にセンターとしてライブを盛り上げる役も担った。

しかし、クオリティ重視で一方的なステージを見せる部のライブとは違い、同好会の活動は楽曲もライブも自分たちで工夫して作り上げ、少人数でも集まってくれたファンのためにパフォーマンスし、一体感を味わえる。

かすみんは初めからそれが自然とできていた。
まず頭で考えてしまうしずくちゃんは、それが理解できなかったのでした。

部と同好会、ふたつのライブを通して、ようやくその事がわかった。
しずくちゃんの成長と1年生の友情物語を描いた、素晴らしいストーリーだったと思います。

結局、2nd Seasonも各メンバーの成長を描く、青春のストーリーだったのです。

さて、ランジュがスクールアイドル部を立ち上げ、愛さんと果林ちゃんが加わったのは、「部vs同好会」という、1st Seasonよりもより分かりやすい、より明確な対立構造を作り上げたかったからだと何度もお話しました。

それは、同好会の間に「分断」を呼び、今後の物語により幅を持たせるための手法だと思うのです。

ただ、ネットを見ていて気になったのが、愛さん、果林ちゃん、しずくちゃんの「裏切り行為」という言葉。

「裏切り」という言葉はちょっと刺激的です。
彼女たちには、部に移る明確な理由がありました。

愛さんは、どちらも経験しないと全否定はできないから、と言って部へ。
様々な部に助っ人として参上し、誰とでも仲良くできる愛さんらしい理由です。

果林ちゃんは厳しい環境で自らを高めたいから、と話します。
スクールアイドルをしながら読者モデルもこなし、プロの世界を見てきた果林ちゃんらしい理由。

そしてしずくちゃんは、自らのパフォーマンスを見直すため。
部の活動を通して、レベルアップと自らの活動を客観視するためでした。

部のやり方に違和感があったメンバーは同好会に残りました。
愛さんたち3人がみんなからの理解を得て部に移った…というわけでは決してなかったのが、「裏切り」という言葉の裏付けになったのでしょう。

2nd Seasonの物語の流れは、あくまで「部vs同好会」の対立構造。
より深い対立を作り上げ、物語を劇的に展開させるためには、その「裏切り行為」が必要だった、という事でしょう。

物語を構成する上で、登場するキャラクターにはそれぞれの「役割」が与えられます。

愛さんや果林ちゃんは、自らの意思で同好会を離れ、敵対勢力に加わりました。
味方を裏切り、敵に加担するけど、仲間の事は今も大事に思っている。
そんな関係を続けていると、お互い思いもよらなかった運命が待ち受けていて…
といった展開は、割とよくある話です。

しかし、キャラクターコンテンツの今の主流は「推し」の文化。
「推し活」という言葉が流行語になるほどです。

物語を面白くするために、愛さんや果林ちゃん、しずくちゃんは同好会を離れ、敵対勢力に加わりましたが、その行動はファンにとって、特に「愛さん推し」、「果林ちゃん推し」、「しずくちゃん推し」にとってみてはどうでしょう?

「これも物語を面白くするため!正直いい気分はしないけど、がんばれ!しずくちゃん!」
そう思ってくれるしずくちゃん推しのファンはどれぐらいいるでしょうか?

恐らく大半は「俺の推しキャラになんてことしてくれたんだ!」「私の推しキャラが酷い目にあうシナリオなんて…」と思ってしまったのではないでしょうか。

ラブライブ!スーパースター!!アニメ2期の総括記事でも書きましたが、物語を面白くする必要があるのに、キャラクターの役割にも気を使わなければならない。
今のシナリオ作りは、本当に難しいと思います。

そういう意味でも、キャラクターコンテンツにおいて、過度な対立構造はかえってマイナスになってしまう、という例を作ってしまったと思います。

ただ、栞子ちゃんのエピソード同様、アニメではそこをうまく修正してくれました。

仲間同士で慣れあいながら活動する同好会の姿に対し、ランジュはひとりで活動する道を選びます。
ランジュvs同好会の構図になりましたが、同好会の分裂は起こさずに物語が展開。

スクスタとは逆に、ランジュがゲリラライブを行って徐々に人気を高めていきます。

ランジュのやり方に触発された同好会メンバーは、ソロのみならずユニットを組んで新しい活動を模索し始める。
お互いがいい刺激を受け合いながら、物語が進んでいきます。

頓挫しかけた第2回スクールアイドルフェスティバルでしたが、ランジュのゲリラライブを観てファンになった、紫苑女学院の二人が声をかけてくれたことで開催にこぎつけた、というエピソードもありました。
ランジュの活動が作った縁だったのです。

さて、2nd Seasonもここまででまだまだ序盤戦。
部vs同好会の物語はこれからどのように展開していくのか?
他のメンバーはそれぞれどんな成長を見せてくれるのか?
そして、ランジュとミアはこれからどのように関わるのか?

今回はここまで。
引き続き、2nd Seasonを徹底的に振り返ってみようと思います。


記事内の画像は、ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル オールスターズのゲーム内画面をスクショしたものを使用させて頂きました。

タイトルに使用したこの画像はショッキングなもので、未だに気分を害する人がいるかもしれません。
しかし、2nd Seasonを象徴する画像でもあったため、敢えて使用させていただきました。

※続きはこちら

【お知らせ】
ラブライブ!アニメの感想とまとめや、キャストライブのレポートなどの記事をまとめた「ラブライブ!シリーズを語る」マガジンを公開しています。
虹ヶ咲に限らず、μ's、Aqours、Liella!を扱った記事もありますので、お時間がある時に読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?