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ラノベ的特殊スキルを得られるなら知りたい数字
#深夜の2時間執筆 20250105
題:思い出の音楽プレイヤーと当時の楽曲について
記事本文
カーステレオ、リビングの天井から吊り下がっているBOSEのそこそこ立派なスピーカー及びその付帯機器、家族共用のPC、を使ってレンタルCDからコピーして作成したMDを再生するプレイヤー。
そして、小学何年生かの時にクリスマスプレゼントとして入手したSONY WALKMAN。
*
WALKMANを突っ込んだ上着のポケットやカバンから伸ばした有線イヤホンは、電車の乗り換え時や目的地に到着した際、少し姿勢を変えたりカバンを下ろしたりする度にヒトに、モノに、引っかかる。
一番盛り上がる大サビの直前にイヤホンが抜けて音が途切れる。「あぁ。」
しかし、WALKMANを所定の位置に残したままイヤホンが抜けたのはまだ「良い方」だったのだ。
私が伸ばした腕がイヤホンに張力を生み、WALKMAN本体を外界に引っ張り出す。落下する。
大学一年生、初めての電車通学。
高校時代に運動部を引退して以来まともに運動をしていなかったなぁと思い、WALKMANをポケットに出る気まぐれのランニング。
主にこの二つの習慣のうちに落下を繰り返したWALKMANは壊れてしまった。
*
初めて「自分の音楽プレイヤー」を手にした小学生の時にはまだ持っていなかったiPhone、があるから今更音楽プレイヤーを買わなくても良いかな・・・と悩んだ末にやはり買い直した後継機のWALKMAN、再びランニング時にポケットから音楽プレイヤーを滑り落とし壊すことがないようにと購入したApple Watch。
振り返って挙げてみるとそこそこな数の音楽プレイヤーを通して音楽を聴いてきたのだと実感する。
「思い出の音楽プレイヤー」は先に挙げた、小学生〜大学一年生を共に過ごしたWALKMANだ。
*
最初に入れた音楽が何だったかはもはや思い出せない。
平成女児のスタンダードとして所有していた「5×10」(嵐)や、当時のドラマ・CM曲=ヒットソングを聴いた。
中学校の部活の仲間が好きだったからと私も大好きになったGReeeeN、「あっ、ども。おひさしぶりです。」を何度となく再生した。
大学受験に向けた勉強のBGMに、歌詞が邪魔しない音楽をと、家にあったThe BeatlesのCDを発掘してきてWALKMANに取り込んだ。結局、気に入った曲は英語の歌詞を調べて口ずさむようになってしまい、勉強の邪魔になった。
大学に入ってすぐ、WALKMANに入った有限の音楽の繰り返しに飽きてきて、「誰か私に好きな音楽を布教してくれ」と頼んだ。
私の初めてのライブ体験は「Millennium Mother」(Mili)を貸してくれた友人と共に行ったMiliの赤坂BLITZ公演である。
秋、大好きな小説のアニメ化。主題歌の「Catch up, latency」(UNISON SQUARE GARDEN)のCDを買った友人がいた。貸してくれと頼んだら、なぜか「Dr.Izzy」と「MODE MOOD MODE」が一緒についてきた。
*
思い出の音楽プレイヤーの後継機であるWALKMANは現役で使用できるが、現在の音楽習慣としては、iPhone/Apple Watchを使ってSpotifyの楽曲を再生することが一番多い。
CDを取り込んで、各デバイスに移す手間が面倒なため。
それ以上に、私は年の瀬に出る「Spotifyまとめ」を楽しみに一年間を生きているため。
みんながサブスクをやっているからとSpotifyに登録して数ヶ月後、「あなたがたくさん聴いた曲はこの曲です!」とまとめが表示された。
時間を費やし再生を重ねた曲のリストは、可視化された好きであり、可視化された自分自身でもあった。
初めてSpotifyまとめのポップアップを見た瞬間は、初めて「自分の音楽プレイヤー」を手にした瞬間に次ぐリスナー人生の転機だったように思う。
WALKMANで聴いていた音楽はiPhoneに取り込んでミュージックアプリでも再生していたが、Spotifyまとめを見て以降サブスクにある曲は全てSpotifyに集約し、再生回数を記録するようになった。
*
GReeeeNの「またね。」という曲が格別に好きだった。思い出のプレイヤーで一曲リピートを繰り返した。
Spotifyで音楽を聴き始めた頃には、GReeeeNをほとんど聴かなくなっていたが、長らく人生で一番多く再生した曲は「またね。」だと思い込んできた。
今、Spotifyの集計上ではUNISON SQUARE GARDENの「セレナーデが止まらない」を一番多く再生したことになっている。
楽曲と出会ってからの時間はだいぶ不利だが、大好きで何度も再生しているこの曲はもう「またね。」より多く聴いただろうか。
回数が全てではないとはいえ、やはり再生回数はある楽曲に注ぐ熱量に比例すると私は思う。
現在主にSpotify上で再生している曲にしても、WALKMANやiPhoneのミュージックアプリでも聴くことがあるし、サブスクにないライブ音源を聴くしで結局のところ再生回数を完全に記録するのは不可能である。もどかしい。
*
たくさんの音楽プレイヤーを通して、大好きな曲を一体何度再生してきたのか。
再生回数を知ることができたら良いのになとたまに思う。
音楽を趣味の一つに挙げる私にとって、「これまでの人生での/あらゆる媒体での楽曲の総再生回数」を知ることは、まるでライトノベルの特殊スキルみたいに無敵で非現実的だ。
それはアプリで記録された「Spotifyまとめ」を超越した「私の音楽人生まとめ」になるだろう。
人生の多くの瞬間に寄り添ってくれるのが音楽だとすれば、「人生まとめ」とまで言えるかもしれない。
そんなスキルがあったら、音楽の再生媒体をSpotifyに絞る必要がなくなる。
今は使わなくなった思い出の音楽プレイヤー(の後継機)もまた輝き出すような気がする。
就寝・起床後追記
あとがき
立案翌日に開催に至ったスピード企画に参加させていただきました!
本日(1/4)の深夜のお題
— もすきー (@RMosuky) January 4, 2025
「思い出の音楽プレイヤーと当時の楽曲について」
で24時から26時まででお題が気に入ったら執筆してください!
#深夜の2時間執筆
企画発案:樒(@w3810t)さん https://t.co/KLSwYzgHHd
23時お題発表、24時〜26時執筆で同じテーマの文章出し合おうぜ!!!というゆるっとしたルール。
そろそろ日付変わる前には寝て生活習慣を労働者に戻さなきゃニャと思っていたためかなり悩んだが、
テーマも書きやすく参加ハードルが低かったこと、企画の直前に最高ブログ(愛の座敷牢)の分室(飴)の更新に気づき執筆モチベが上がっていたこと、そして何より、深夜帯にヒトリエくんの新曲最速公開が控えていたことが2時まで起きている企画への参加を後押しした。
お題設定から3時間後に記事公開は過去に経験したことがないタイムラインのような気がするので、話し足りていない部分も好きなだけ脱線しながら時系列で振り返りたい。
23時過ぎ>テーマ確認。
読み返すと記事中では8機器の音楽プレイヤーを挙げていたが、一台目のWALKMANについて書くことはすぐに決まった。
自分語りならいくらでも書けそうで、以下3つの切り口で悩んだ。
①「当時の楽曲について」を純粋に記事タイトルに冠してもよさそうな懐メロ振り返り。昔聴いていた音楽が今に繋がっていると思うところ
②音楽を聴くために散歩をしている/音楽を聴きながら散歩をしている時だけ生きている気がする
③これまでの人生での/あらゆる媒体での楽曲の総再生回数を知りたい→【採用】
①嵐の5×10で「Crazy Moon」が一番好きだった小学生はカゲプロで「夜咄ディセイブ」を好むようになり、ギターロックバンドにハマっていくよ。みたいな話。
あるいは
昔よく聴いていたJ-Pop王道のGReeeeNと今よく聴くUNISON SQUARE GARDENは違うようでいて、結局のところ前向きに生に向き合う明るい曲が好きという根幹は変わらないのでは?みたいな話。
懐メロを振り返って掘っていくのはお題通りで、成果物を並べた時に個性を全く生み出せないなと思ってやめた。
別に一通り読み終えて印象に残った文章を挙げてもらうような企画ではないが、同じことをしたら自分の粗が目立つ気がして。
邪ですね。
②主張としては3案で一番強いメッセージ。
ライブハウスで爆音を浴びている非日常の瞬間以上に、日常の一部から切り離せない「散歩中の音楽」が私にとっては必要な時間だと思う。
とはいえ、基本的に言いたいことは上に書いただけなので記事として膨らませた時の面白みに欠けるなと思ってやめた。
③記事にしようと思ったことはないが、日頃考えている内容であり、お題に添いながら少し違った話ができるかなとこのテーマに腹を決めたのが23:40くらいだった。
24時ちょうど>執筆開始。目標:25時就寝。
最初に決まったタイトルを文字にした。
タイトルを再考することなくここへ着地できるよう、適宜制限時間内に膨らませられる話題をピックアップしていった。
15分刻みくらいで集中力を切らしXを開くも、参加者たちの執筆中実況ツイートがマジでなかった。大人しくすぐに執筆画面に戻り、25時には終わらないなと早々に諦め執筆を進める。
普段、核となる文章は多くの場合散歩中に、ある程度頭の中で練り上げてから画面に向き合い文字に起こしていく。
今回はテーマ発表から1時間弱頭の中で多少文章を思い浮かべはしたものの、「書きながら考える」状態になったのが新鮮だった。案外できるんだ、というのは発見だった。
核となる文章がないため、タイトルに呼応する最後の段落だけ最初に少し手をつけたものの、ほとんど頭から順番に書いていってできた段落構成がそのまま記事となった。
本当はPC/YouTubeで「歌ってみた」を聴いていたのも音楽遍歴としては欠かせなかったが、時間的に厳しくその辺りの話題を一切諦めた。
YouTubeで再生した「君の知らない物語/Supercell」も生涯再生回数がかなり多い曲です。
25時半過ぎ>一通りの執筆完了。
「意外といい文を書けたのでは」と思いながら一度iPadを閉じて、マグカップを洗ったり一休みして、誤字脱字や文の結びチェックへ。
案外眠くなかった分、手直しは少なかった。
メモ帳にテキストを書いていたため、やべそろそろ公開できるようにせねばとnoteに転記し行間調整。
初期に書いた多くの文章は削除か非公開となっているが、noteを初めて5年以上になる。肩に力を入れず考えたことをそのまま書いた文章ではアスタリスクで話を区切る癖があり、今回もその手の文章になったためアスタリスクを真ん中揃えに、・・・めんどくせえ。
ここにきてサムネイルどうしよう!と思い立ち、慌てて記事中では「後継機」として紹介したWALKMANの撮影。1:50。
26時>記事公開。
1:57にnoteを更新し、2:00ちょうどにXへ投稿。
2:00ちょうどにnoteを更新して数分後にXに投げればよかろうと思っていたので数分繰り上がった形だ。
結果的にハッシュタグ付き成果物としては一作目になったので、なんとなく良かったな〜と思う。
執筆を終えた直後、「2時間で記事書けた達成感」より「この世に存在しなくて良いテキストを生んでしまった感」が強かった。
しかし久しぶりに内省的文章を書いて、リズムのある文章になったのは気に入っている。書いて良かった。
感想
参加記事リンクと最高講評は以下からどうぞ。
簡潔に。
・朝さん
先ほど同級生と発覚した朝さん。
クリスマスプレゼント、今の自分なら選ばない色のWALKMAN、その中央に置かれた再生ボタンを押せばすぐに頭に浮かんできそうな「あの頃」の情景。
浮かべた景色は当然別物なのだが、似た経緯で手元にやってきた音楽プレイヤーの話題のため共感が大きい。
こんなに丁寧に「あの頃」を紡ぎ出すことができるなら、私も没案①を選べたのになぁ、と思う。シンプルだけど本文にぴったりなタイトル含めて、他人の思い出なのにそこにあった景色の彩度や温度がまっすぐ伝わってくる素敵な文章。
・くるすさん
共通フォロワーを介して「セットリストの人」という印象だけ抱いていた方。
UNISON SQUARE GARDENのファンとしてTwitterをやっているため「私とUNISON SQUARE GARDEN」の記事は何度か読んだことがあるが、数がある分正直に言って読みにくいものもあった。
くるすさんの今回の作品は、専属音楽プレイヤーではないゲーム機で、手間をかけて聴いていた音楽という思い出が重なり「私」の話が濃い部類になるのだが、すごく頭に入ってきやすく、触れて楽しい他人の話だった。
私はユニゾンに出会ったのが音楽遍歴の中でも遅い方だったので、根幹にユニゾンがあるのが羨ましい。
・ベラさん
一度チケット譲渡をしていただき、普段聴いているアーティストはほとんど被らないのでどうしようかと思っていたが、貴重な「TLに猫を投下する係」のようなので引き続きフォローさせていただいている。
譲渡以前に、今回の企画主の樒さんがRTしていたライブレポ?を読んだことがあった。知らない人が書いた知らないアーティストのライブレポなんて普通面白く読めるわけがないのだが、その意味で普通ではなかった覚えがある。
今回も、私の持っていないゲーム機で私の知らないアーティストの曲を聴いていた話のため共感は全くないのだが、創作のようなノンフィクションを楽しく読ませていただいた。読み終えたら10,000円を要求された。
・ナツさん
普段感じないジェネレーションギャップを突きつけられる回。
自分の作品でも名前だけ挙げたMDプレイヤーがメイン機であったとのこと。
媒体は異なるものの、レンタルCDで流行りのCDを借りてきたこと、大人になったら距離をとってしまうような音楽を固定概念に左右されず純粋に楽しめていたことには共感があった。
「当時のめんどくさいアナログなやり方で音楽に目覚めた人は強い」との主張には納得するが、後のもすきーさんとは対向するため並べて読むとまた面白い。
・Mosukyさん
ナツさんの企画記事を拝読しています。そして今回の出題者です。ありがとうございます。
直接リプライでお話させていただいたが、今回投稿された作品の中では一番「当時の曲」の重なりが多かったためその分余計に楽しく読んだ。
樒さんもピックアップしていた『今の時代にスマホで音楽を聞くことを趣味にする子は本当にすごいと思う。俺が小中学生ならYouTubeで永遠におもしろ動画を漁る方向にスマホを使って音楽に触れるのは二の次になっていた』の部分。ナツさんとは逆行してどちらも頷ける内容である。
専属音楽プレイヤーという今となってはただの不便に価値があるのだと気づかせていただいた。
・おきなさん
初めまして。
『正直、MDやら、フィジカルのCDを美化しすぎるのはあまり好きではない。
が、結果的に、僕は「アルバムで音楽を聴く」ことで音楽への没入を得ることができる傾向があるようだった。』
この文章に強く共感した。
私自身、今回の執筆を通して専属音楽プレイヤーでの音楽体験を懐かしみ、良かったと思ったものの、今日Spotifyで音楽を聴いて、明日もWALKMANは家に置いたまま出かけるだろう。しかし、音楽プレイヤーを使って、アルバムで音楽を聴いた没入の原体験はいつまでも色褪せない。
・樒さん
以前別記事でも「iPodの少しの容量すらいっぱいにできなかったあの頃」について書かれていたが、今回の記事で合わせて樒さん解像度が上がりますね。(?)
デバイス本体の形状まで丁寧に言葉にされていて、もちろんこの説明がなくともiPod nanoがわかる読者も多いのだろうけれども、文章を目で追うごとに自分も追体験できるような感じがして素敵でした。「思い出の音楽プレイヤー」に真摯に向き合った文章。
最後にナツさんにも共通してお伝えしますが、ビンゴが完成するのを今年も楽しみにしています!
・はすのめさん
常識的な時間に寝起きされているとのことで、遅れてのご参加。素敵。
中盤から流れがガラリと変わる。幼い頃の楽しいだけでない思い出をお話しされていた方は他にもいらっしゃったが、どうにかして/何でもいいから聴きたいで溢れていた物語とは異なり独自の哀愁が感じられる。音楽プレイヤーと過ごしたどの時間も今に繋がっているのだと新しい側面から提示する作品。
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