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LME odd;2 オーコメでのコメントに対する脚注集

「なんか急に専門用語出てきた!」みたいな印象も持たれていたみたいなので、簡単にまとめておきます。解説というよりかは脚注です。

拾うワードについては触れる機会があったりなかったりしそうなものだけを拾っていて、例えば「SNS」については言及しません。

※間違ってるとこあったら教えてください。また、脚注レベルになるようあえて情報量をおさえている箇所もあります。


横位置(がズレる)

コメティック『くだらないや』中の緋田解説員のコメント。

舞台上のフォーメーションの用語で、横から見た位置と考え貰うといいかもしれないです。

横位置が揃っているというのは横一列のフォーメーションで、逆にズレているというのは横一列ではない縦方向へのばらつきがあるフォーメーションを指します。

ちなみに、イントロのフォーメーションはざっくり雑に説明するとだいたい以下の流れです。カメラワークで実態以上に立体的で複雑に見えているところもあるけれど、10秒内で実際まあまあ縦横に忙しい。


譜割り(が細かい)

コメティック『くだらないや』中の七草実況担当のコメント。

譜割りとはメロディーが持つリズムへの歌詞の割り当てのことで、譜割りが細かいというのはシンプルに説明したら「早口になる必要があるメロディー」と思ってもらえたら大丈夫です。


リリースカットピアノ

コメティック『ハナムケのハナタバ』中の緋田解説員のコメント。

最近のポップスなどでよく使われる音源で、とても雑に説明すると余韻(リリース)を人工的に極端に短くした状態にしたピアノのシンセ音源のことを指します(実際にはリリースだけじゃなくて、それ以外にも調整するところはあります。いい感じのプラグインを当てる場合もあります)。

下の動画では元の普通のピアノの音源からリリースカットピアノへと加工していく様子が見られるので、聴き比べの参考にしてください。

余韻の部分を切っているので、音のアタックの部分だけが強く強調されて、機械的で、張りが強く、冷たてカチカチとした印象を与えることができる音色になっています。

シンプルに耳に入って来やすい例として、柊マグネタイト「マーシャル・マキシマイザー / 可不」あたりが有名でしょうか。曲の各所で色々な形でリリースカットピアノが使われています。

また、『平行線の美学』や『無垢』でも印象的に用いられている音源になっているので、羽那曲のピアノのアプローチには是非聴き比べてみてください。


一発で当て(る/られない)

シーズ『After Run』中の七草実況担当のコメント。

歌唱や演奏のなかで音程の跳躍、特に低い方から高い方への跳躍があり、そこで飛んだ後の音程をバッチリ出すことをしっかりと音程を当てるということがあります。

いわゆる「にちか砲」も一発で音を当てたいパートで、もし一発で当てられないと「あぁ~⤴」とこぶしが効いた感じになってしまって、「演歌になっちゃってるよ~」と怒られます。


ガルクラ(的)

シーズ『Monocromatic』中の七草実況担当のコメント。

ガールズバンドクライ』ではありません。

主にK-Popの文脈で使われるガールクラッシュまたはガールズクラッシュという単語の短縮形で、この言葉は女性をも虜にしてしまうほど魅力的な女性およびその表現を指すことが多いかなと観測範囲内で捉えています。もともとオタク言語でいうところの「ぶっ壊れ」ぐらいのミームだと思っていたんですが、いつの間にかいちジャンルとして確立していました。

コンセプト主導で音楽ジャンルとして決まった形はないですが、だいたいの方向性は経験則的に確立されているところでもあるので、いくつか代表的な曲で感覚を持ってもらったらと思います。

エポックメイキングなユニットとしては BLACK PINK あたりが王道でしょうか。このあたりから始まった「今っぽいK-POP」の下地のありかたはほとんどガルクラの考え方が大きいです。


コーラス出し

シーズ『Fly and Fly』中の七草実況担当のコメント。

事前に収録した歌唱音源を曲中で流すこと。ステージ上の人は歌っていないけど流れてる歌唱パートのやつです。


耳中[ミミナカ]

シーズ『Fly and Fly』中の七草実況担当のコメント。

中耳炎とは関係ないです。

文字通り耳の中で聞こえている音、つまりイヤモニで流れている音源・音声になります。

観客用に聴かせる音を直接聴いてしまうとどんどんとステージ上の動作と音がずれてしまうので、観客用の音と同期する動きになるための音源をイヤモニの中で聴いています。

単純にオケが流れているだけでなく、観客に聴かせられる音源と異なるものを流すこともできます。イメージしやすいのだと、例えばイルミネの『スマイルシンフォニア』では歌い出しを合わせるためのクリック音(カラオケでもよくある初めのタイミングを合わせるカチカチ音)が流れているはずです。

今回は耳中の方でも美琴のコーラスパートが入っているバージョンが流れていたとのこと。


インター

シーズ『Bouncy Girl』中の七草実況担当のコメント。

間奏のことで、interludeの略です。


ゴスペルやソウル(の文脈)

『愛なView』中の緋田解説員のコメント。

ゴスペルって聴いたことはあるけど、具体的に何か説明しろと言われるとちょっと困っちゃう距離感にあるジャンルかと思います。

本題に入る前に、この要素を感じられるご近所の曲をいくつか紹介します。

まず最初に、アニメ「ゆるキャン△」1期OPの『SHINY DAYS』です。もう7年前のアニメなんですって。怖いですね。改めて『愛なView』と比べながら聴いてみると近しい雰囲気を感じるかと思います。

他にアニメ領域以外の邦楽のメジャーシーンではMrs. GREEN APPLEの『ダンスホール』も(少しだけ距離は離れますが)近いエッセンスを感じられるのではないでしょうか。

話を『SHINY DAYS』に戻すと、ほぼ確実にリファレンスとしてThe Jackson 5の『I Want You Back』があると思われ、この曲は現代でもソウルミュージックを代表する曲のひとつと言えるでしょう。

このソウルミュージックは、アフリカ系アメリカ人を中心に1950年頃から発展していった音楽ジャンルで、その時点で流行していたR&Bの文化にゴスペルの要素が合流した形で大衆音楽として進化を遂げていきました。

となると、ゴスペルが何かを理解すると良さそうなので、そこを掘り下げてみます。

ゴスペル自体もアフリカ系アメリカ人を中心に発展していった音楽ジャンルという意味では近所も近所ではあるのですが、R&Bなしいソウルと大きく異なるのは、ゴスペルが宗教音楽であるということです。宗教音楽と言われると格式高いイメージがあり、実際そういう側面もなくはないのですが、ゴスペルはアフリカンな音楽特有のリズム・ビート重視の感覚に、教会音楽の和声・コードの考え方が合わさることで「ノリがあるけど荘厳/荘厳だけどノリがある」という非常に独特なジャンルになっています。

言葉で説明してもよくわからないのはそうで実際に例を見てみるのが早いですが、このジャンルを世界的に広く知らしめた一つの要因として『天使にラブ・ソングを』の功績は外せません。

アイマス文化圏では(なぜか『Hail Holy Queen』が例としてまさにうってつけでしょう。この曲は原曲である聖歌の形で入りますが、その後のクラップが入ってからはバッハとかの頃の宗教音楽・クラシックではありえないリズム感が同じフレーズに対して付与されることでゴスペルへと変貌を遂げます。

話を巻き戻す形になりますが、このゴスペルにもともと大衆音楽として発展を遂げていた様々な感情を歌い上げるブルースの風潮が合流することでソウルミュージックとして発展をしていき、その影響はロックの分野など様々なジャンルへと波及していくことになります。


以上。

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蜷川
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