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#20 初心者からのコレクタブル投資〜人気資産や始め方、注意点を解説〜

投資について学ぶなかで、「コレクタブル投資」という方法を目にしたことがある人もいるでしょう。しかし、どのような投資方法なのか、どうやって始めるのか、具体的な内容がわからない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、コレクタブル投資の特徴や人気の資産、始め方といった基本的な知識について解説します。

コレクタブル投資とは?
コレクタブル投資とは、コレクタブルアセット(収集可能な資産)を対象とした投資のことです。日本では株や投資信託などの金融商品に投資する人が多く、コレクタブル投資を知らない、知っていてもチャレンジしたことはないという人が少なくありません。

しかし、アメリカなどではコレクタブル投資に参加している投資家も多く、投資対象も幅広いため、大きなマーケットが形成されています。

コレクタブル投資のメリット

コレクタブル投資のメリットは、コレクション感覚で楽しみながら投資もできることです。株や投資信託は目に見えませんが、コレクタブルアセットの多くは現物なので、コレクションとして鑑賞することもできます。

また、金融商品とは異なる主観的な売買基準をもつコレクタブルアセットは、ポートフォリオの多様化やインフレ対策にも役立ちます。コレクションとしての価値が高まり、大きなリターンが得られることがあるのも魅力です。

コレクタブル投資のデメリット
貸し出しなどができる商品を除き、コレクタブル投資ではインカムゲインによる利益が期待できません。また、価値が高いものほど偽物が出てきやすいため、真贋を見極める知識が必要です。

そのほか、商品を破損や盗難から守りつつ適切に保管するスペースが必要、取引所が存在しないため相場や手数料がわかりにくいなどのデメリットもあります。

何がコレクタブルアセットになる?人気の資産を紹介

コレクション感覚で現物に投資できるコレクタブル投資ですが、どのような商品がコレクタブルアセットになるのでしょうか。ここでは、人気のコレクタブル・アセットをいくつか紹介します。

ウイスキー
希少性が高いウイスキーは、コレクタブル投資の対象として人気があります。2017~2018年ごろには40%の成長率を記録しました。

イギリスの大手不動産コンサルタント会社「Knight Frank」が発表した「Luxury Investments Q2 2023」でも、レアウイスキーの価値が過去10年で582%上昇したとのデータが出ています。

過去には2億円超で落札されたウイスキーもあり、とくにアジア圏の富裕層のなかでは、ウイスキーを対象としたコレクタブル投資への注目が高まっています。

アート
絵画などのアートも、富裕層に人気のコレクタブルアセットです。ただの投資対象としてだけでなく、鑑賞用としても楽しめるという魅力があります。

アートへの投資というと、億単位の資金が必要だと思う人もいるかもしれません。しかし、無名のアーティストの作品を購入し、価値が上がることに賭ける投資家もいます。

最近は一時期のような勢いがなくなってきていますが、NFTアート(非代替性トークンを活用したアート)に投資する方法もあります。

クラシックカー
でも高額で落札されることがあります。2020年には、F1チャンピオンのニキ・ラウダが運転したレーシングカーが6億円超の金額で落札されました。

こういわれると、クラシックカーもアートと同じく、多額の資金を用意しなければ投資できないと思う人もいるかもしれません。

しかし、スカイラインGT-Rなど、中古で安く購入できていた自動車の人気が急上昇し、数千万円もの値がつくようになるケースもあります。

スニーカー
一見、投資対象としての要素がなさそうなスニーカーに投資している投資家もいます。しかしどんなスニーカーでもコレクタブルアセットになるわけではありません。対象となるのは、希少性が高いスニーカーです。

たとえば、マイケルジョーダンが長年所有していたスニーカーは、6,000万円超の金額で落札されています。このようなスニーカーを一般人が入手するのは難しいですが、有名ブランドの限定モデルのスニーカーなどは、将来高値で売れる可能性があります。

なお、スニーカーは1度でも使用すると価値が下がるため、投資商品として扱う場合は新品で保管する必要があります。

コレクタブル投資の始め方
金融商品への投資は、証券会社で口座を開設し、必要な資金を入金すれば始められます。しかし、コレクタブル投資の取引は証券会社を介さないため、証券口座は必要ありません。

しかし、証券会社を利用しないとしたら、どうやって投資すれば良いのでしょうか。ここでは、コレクタブル投資の始め方を解説します。

投資対象を決める
コレクタブル投資を始めるには、まずどのコレクタブルアセットに投資するかを決める必要があります。現在価値が認められているもの、希少性があり今後価値が高まりそうなものを探してみましょう。

また、コレクタブル投資を行うには、商品の真贋を見極めるために知識をつける必要があるので、興味をもって楽しく学べるものを選ぶのもおすすめです。

商品を購入する
投資対象が決定したら、さっそく商品を購入しましょう。金融商品とは違い、取引所などのシステムが構築されていないものが多いため、投資対象に応じたマーケットで購入する必要があります。

たとえば人気のウイスキー投資の場合は、樽(カスク)で購入するか、ボトルで購入するかで購入場所が異なります。

樽投資の場合は、蒸留所が契約している管理会社経由でウイスキーを購入するのが一般的です。ウイスキーが購入者に届けられることはなく、管理会社が適切に管理して、投資家から指示があれば売却されます。

ボトルの場合は、酒屋やオークションサイトなどで購入可能です。すでに価値がある銘柄を買うのも良いですが、終売予定の銘柄を購入して価値が高まることに賭ける方法もあります。

スニーカー投資を始める場合は、正規店で限定商品を購入する、オークションサイトで落札するなどの方法があります。このように、投資対象によって入手方法が異なるので、投資対象を決めるときに入手方法も調べておくと良いでしょう。

商品を売却する
コレクタブル投資は、基本的に購入した商品を売却しない限り利益が得られません。購入時よりも価格が上がったら、商品を売却して利益を確定させましょう。

商品の人気に価格が左右されるため、いつ売却のタイミングが来るかはわかりません。すぐに売却のチャンスが来ることもあれば、数年、数十年かかる可能性もあります。

コレクタブル投資の注意点
当然のことながら、コレクタブル投資も金融商品の投資と同じく、利益を得られることもあれば損をすることもあります。

購入した商品の価格が思ったより上がらなかった、人気がなくなって購入時よりも価格が下がってしまったといったケースもよくあるものです。万が一価格が下がったとしても生活に影響しないように、投資金額の上限を決めておきましょう。

また、商品が傷むなどすると価値が下がってしまうため、保管スペースを確保するのはもちろん、温度管理や日光などにも注意して適切に管理しなくてはなりません。

自宅で保管する場合は盗難のリスクに備えて、セキュリティ対策も徹底する必要があります。

以上のように、コレクタブル投資にはメリット・デメリットや注意点が多岐にわたります。そのため、投資を始める前によく検討してください。

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