証明しえぬ楽園を求めて——エデン条約編1章・感想【ブルーアーカイブ】
スク水立ち絵!?
"I am your father"!?
金髪優等生!?
・……あっいや、最後のは普通だ。勢いで集中線つけちゃった。ごめんヒフミ。
・「エデン条約」1章の初見感想をお届けします。あらゆる作品には「看板エピソード」がある。ジョジョは第3部、ベルセルクは黄金時代編、メイドインアビスは深き魂の黎明……どうやらこの「エデン条約」がそれに該当するらしい。気合を入れて挑みます。酒の肴にどうぞ。
ティーパーティー
・トリニティ総合学園・生徒会(通称:ティーパティー)から連邦捜査部シャーレに依頼が入る。お茶会に招待されました。見るからに清楚な二人組だ……と思いきや、ミカはそそっかしい面があり、ナギサは——
・ゲーミングお嬢様の系譜でした。おハーブ生えましてよ〜!
・「補習授業部の顧問になってほしい」との依頼。文武両道を掲げるトリニティにふさわしくない、進級が危ぶまれる成績不良の生徒が四人。そんな彼女達を救済するために創設された臨時の部活動。放課後の教室、進級のためにどんな要求も呑む生徒達……えっちな補習授業! よし任せろ。教えてやる! 東大は簡単だ!! カッカッカッ(黒板にでっかく名前書く音)
・ちなみにトリニティ総合学園の生徒会長は一人ではなく三人。かつて三つの分派が紛争を繰り広げていたが、各学園の代表を筆頭にティーパーティーを開いて、和解が成立した。人数と名前はその名残。今はナギサとミカの二人だけ。もう一人のセイア(※ケモミミ)は入院中とのこと。
・なるほど。勉強になります。恥ずかしながら、まだ各学園の事情や歴史に詳しくないものでして……それにしても、おいしそうなお紅茶とお菓子ですね。遠慮なくいただきますねっ!
・モグモグッ(……どうもきな臭いな。万物は「三」で安定する。二匹が睨み合えばすぐに争いに発展するが、「三」すくみになれば膠着状態が発生する。二本の棒では支え合えないが、「三」脚になれば椅子になる。三権分立、御三家、三位一体——あらゆる言葉が、「三」が安定の数であることを示している)
・(しかし、この生徒会は一人欠けたことで、「三」による均衡が崩れている。トリニティ総合学園とゲヘナ学園の平和条約であるエデン条約に関する不穏な話も匂わせている。動向に注意だな)
・(それに、このナギサという生徒、やたら「愛」という言葉を強調する。愛——誰もが否定できない美辞麗句。どうとでも解釈できる曖昧な言葉。自己犠牲を厭わず人命救助することは愛だが、一人を生かすために百人殺すこともまた愛だ。「愛」の名の下にどんな強行も辞さない気概を感じる)
・(舌戦では決して隙を見せないだろう。下手に探りを入れれば、かえって怪しまれる。崩しにかかるなら、お転婆なミカか……?)
・……うん? ああ、これは失礼! あまりにケーキがおいしかったもので、思わず黙って味わってしまいました。それでは、補習授業部の生徒達に挨拶してきますね。
補習授業部
・ということで改めて生徒紹介! スク水で校舎内をうろつく、歩く公序良俗違反……浦和(うらわ)ハナコ! テロリスト転校生……白州(しらす)アズサ! えっちなのはいけないと思います系ヒロイン……下江(しもえ)コハル! そして、このきらら系四コマ漫画「ほしゅうぶっ!」の主人公を務めるツッコミ担当……阿慈谷(あじたに)ヒフミ!
・……体調崩している最中に読んでいたので、情報を処理できず頭がパンクしました。個人的に気になった子を2人挙げますと——
・アズサ。素顔はこんな感じ。「白髪無表情天然クーデレ(CV:種田梨沙)」はシナジーありすぎだろ。私を殺すためだけに開発された兵器か? 普段は戦闘のことばかり考えていて、それ以外はあまり知識がない模様。頭上に「?」を浮かべる演出が何度もある。あーいいね。こういう子が満面の笑みを浮かべるスチルが出たら先生は即死します。助けてくれ。
・それからコハル。食が細そうなので心配。プレッシャーでご飯が喉を通らないことが結構ありそう。なので今回はこの子のママになります。ふふっ、無理しなくていいのよ? 自分なりの量とペースでいいからね😊
・あとコハルは戦闘でバカ強い。初心者である私ですら理解できるほどわかりやすく強い。発生フレームが短い範囲攻撃兼回復技を低コストで連発可。パッシブで味方を常時回復。この子を編成に入れるだけで安定するのでお世話になってます。
・そういえば二人とも翼が生えていますね。最近流行りのバサバサ系女子ってやつか。一方で、ゲヘナ学園は角が生えている生徒が多い。トリニティ=天使、ゲヘナ=悪魔という対立構造? うーん、もうちょっと情報が欲しいな……
・本編に話を戻すと——先生と生徒4人は補習授業(残念ながらえっちではなかった……)を重ねる。その末に迎えた第1次特別学力試験。これに合格すれば補習は終わりだ。結果は——
・ダメだこりゃ。いや2点て!!!! 狙わないと出せない数字でしょ!? それにコハル!! 1年生の内容なら余裕って、補習授業サボってたのに——
・あー気持ちいい。ヒフミが言いたこと全部言ってくれた。ありがとう……ヒフミだけが良心だよ……頑張ったご褒美にハーゲンダッツおごってあげるね。
・全員同時に合格しなければアウト。試験は第3次までチャンスがある。第2次特別学力試験に向けて、合宿することになりました。ふむ、合宿か……やはり女風呂の会話が聞こえてくるやつが定番イベント。たとえば——「揉めば大きくなると言いますよね……えいっ!」「ひゃあ!?///」「ふむ、今の距離の詰め方は実戦で活かせるな」「そんなこと言ってないで止めましょう!?」よし、これだな。何だか身体が熱くなってきたな——
3 7 . 7 ℃
楽園を築く者、阻む者、虐げられる者
・悪寒と発熱と鼻水と下痢と頭痛と喉の痛みでダウンしてました。めちゃくちゃしんどかったです。カヨコに看病される妄想で事なきを得ました。回復してきたので続きを読みます。生徒会長ナギサと会話。すると——
・おい!!!! 病み上がりにだってのに心臓に悪いなあ!?!?
・裏切り者の目的は「エデン条約」締結の阻止。そもそもエデン条約とは何か——トリニティ総合学園とゲヘナ学園で交わす条約。各学園の主要メンバーが全員出席する中立組織「ETO(Eden Treaty Organization)」を設置し、紛争が起きた際は同組織がその解決に当たることで、両者の全面戦争を回避する。
・長らく続いてきたトリニティとゲヘナの敵対関係を解消するこの条約は、まさに平和の礎。しかし、妨害を目論む者がいる。その容疑者を集めたのが補習授業部。裏切り者を炙り出せないのなら、無理難題をふっかけることで全員まとめて退学処分にする形での解決も辞さない、とナギサは語る。なるほど、1次試験で不合格者が続出したのは、最初からそういう算段だったからか——
・アズサ! コハル! ハナコ! 後で先生のところに来なさい! えっちな補習授業とか言ってる場合じゃねえ! ガチで勉強するぞ! ごほっごほっ……あーまだ喉痛いわ。トローチ舐めます。
・ナギサ、やはり私の見立て通り、目的のためなら手段を選ばないタイプだ。しかし合理的な判断ではある。大多数を守るために少数を犠牲にすることは、社会を成り立たせるために時として必要になるだろう。そして、彼女はそれを迷いなく実行できる。「より多くの生徒を守るためなら、どんな汚名でも被りましょう。それが生徒会長としての責務です」——そんな強い覚悟を感じられる。
・……そういえば、エデン条約は中立組織を作って共倒れを防ぐだけだから、あくまでも現実的な妥協案であって、完全な解決策ではないんだよな。「じゃあ明日から喧嘩すんのやめまーす!」ってわけじゃない。両者の緊張状態が続くことは変わらないはず。ふむ……楽園を阻む者、楽園を築くために犠牲を厭わぬ者——はたして、犠牲の上に仮初めの楽園が築き上げられる時、人は何を思うだろう? 罪悪感を抱えながらも楽園で生きることを選ぶのか、その重荷に耐えきれず楽園から去るのか、あるいは楽園の破壊を目論むのか。「オメラスから歩み去る人々」を彷彿とさせる、社会的倫理に踏み込んだお話だ。なるほど、「エデン条約」が名作と言われる理由が少しずつ見えてきた気がする。
・何にせよ、ナギサがこれほどの覚悟を抱いているのだから、私も覚悟を持って取り組まなきゃな。こっちにはこっちの正義があるんだから。かわいい生徒達を守る。裏切り者なんて何かの間違いだ。みんなちょっと勉強が苦手なだけで——
・………………。
・ハナコ……アズサやコハルに勉強を教えるほど頭の良い彼女が、なぜ1次試験で不合格に……? 2点は狙わないと出せない点数、ならば彼女は本当に狙ってこの点数を出したのでは? 補習授業部を長引かせるため? もしそうだとしたら……目的は何だ?
合宿、楽園の証明
・そして迎えた合宿当日……ハナコ!! そんなえっちなこと言っても先生は騙されないからな!! お前が何か企んでるのは知ってるんだぞ!! ……それはそれとして、先生は百合の間に挟まらないから。安心して4人で交流を深めなさいね😊
・トリニティ総合学園別館の施設で1週間の勉強合宿。まずは大掃除をすることに。雑草抜き、拭き掃除。そして屋外プールの掃除。
ハナコぉ!!
プール掃除ではしゃぐのは辞めなさい!!
・汚れでぬかるんでるから足滑りやすいんだぞ!! 転んで頭打ったら大変でしょ!? まったくもう……それにしてもいい水着スチルですね。真面目に任務を遂行するアズサ。片隅でぷるぷる震えるコハル。各々の個性が出ています。でも病み上がりだから、冷たい水を見てるだけ悪寒がよみがえってきた。辛えよ。なんでこのタイミングで風邪引いちゃったんだ私は……
・「仲の良い生徒を疑わなきゃいけないなんて……」と、同じく裏切り者を探すべく命じられていたヒフミの悩みを聞いたり。なーんか意味深なハナコの描写があったり。そんな出来事の後に、ヒフミが模擬試験を実施。各々の学力を把握するために、過去問をかき集めて、先生と協力して作成。全てはみんなで合格するために。いい子すぎるだろ……ありがとうヒフミ……😭
・模試結果を踏まえた学習計画を立て、みんなで勉強。その間にあったことは——
う゛っ!!!!!(即死)
・先生の残機が1つ減った後、コハルがえっち本を隠し持っていたことが判明。あくまでも押収品だと彼女は主張するが……えっち禁止って言ってる子が、実は一番えっちなパターンだ! あらあら、コハルもお年頃なのね? ママなんだか嬉しいわ😊
・コハル、いいことを教えてあげよう。周囲に怪しまれないようにそういうのを楽しみたいなら、村上春樹作品を読むといい。えっち描写たくさん出てくるからビックリするよほんと。先生のオススメは「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」ね。
・押収品であるえっち本を、正義実現委員会へ返却することに。するとコハルは、副委員長・羽川ハスミと、二人きりで秘密の会話を始める——
・「本来の目的を見失わないでください」かなあ……どうやら正義実現委員会から何かを命じられて、補習授業部に潜伏しているようだ。コハルは乗り気ではない様子……しまった!! ハナコの怪しげな言動はミスリードか!? じゃあハナコは白ってことで——
!?!?!?
まさか、水着スチルの時に着ていたものは……
・……どうした唐突に? いやでも結構深い話だな。ハナコ、もしかして得意科目は倫理? 水着と下着、露出度は同じなのに、後者は公共の場で規制される。それは、人間は即物的な次元だけで生きておらず、思想や認識といった抽象的な領域に左右されていることを如実に示している良い例だと思う。
・「私的性格」たる下着が露わになってしまうことに、人間はエロティシズムを見出す。それが一因。これ先生の見解ね。
・ハナコの話から、アズサがさらに話を広げる。「七つの古則」の5つ目——「楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか」。噛み砕いて言えば「観測し得ないものが実際に存在することを証明できるのか」って話。そりゃあ、このでっかい宇宙で、地球と瓜二つな惑星は探せばあるかもしれないけど……それをエビデンス込みで完璧に証明できるかって言われたら無理よ。考えるだけ無駄じゃね?🤔 そんなことよりお腹が空いたよ〜……と言いたくなるが、ティーパーティーを現在欠席しているセイア(※ケモミミ)が、プロローグでこんな見解を述べている。
・あの文言は言外に何かを訴えているのではないか。証明し得ぬ楽園——エデン。その名を冠した条約は、はたして成立し得るのか。そこにある平和が真実であることを、誰が証明できるのか?
・……そもそも平和とは何だろう? 平穏な日常を過ごせることだけが平和だろうか? 人はそれだけで平和を実感できるだろうか? 死と恐怖と悪によって不安に晒され、それを平定した状態へ移行する、そのコントラストで初めて平和を実感できるのではないか。そこには「争いのある状態は平和の必要条件である」という、一見すると矛盾めいた言説が生まれることになる。
・生徒会長ナギサは、まさしく「愛」を説く。その「愛」がもたらすものは、はたして平和の真の姿だろうか。誰もそれを証明できないのである。楽園の存在を証明できないように。
・……まさか水着と下着の話から、ここまで考えさせられるとは。先生、まだ頭痛が残ってるんだけど、余計に痛くなってきて……いや頭痛薬の効果が切れただけか。
・古則の5つ目を知っているということは、セイアに会ったことが……? ハナコがそんなことを口走る。その後、ヒフミの調査で明らかになったのは——ハナコは1年生の時点で、3年生の秀才クラスでも難しいとされる課程を含めた、全ての試験で満点を叩き出していた。紛れもない秀才。彼女はわざと補習授業部に居残り続けている。ほら見たことか! 怪しいと思ってたんだよ! いやでも根はいい子そうだし、何か事情があるなら聞いてあげたいな……ってなったところで、
・……ひとまず風呂入ってきます。
裏切り者
・……私を殺すためだけに開発された兵器かよお!!
・ナギサは裏切り者を必死に探していたというのに、ミカはとっくに知っていた。どうやら、ナギサとは異なる目的で動いているようだ。最初は丸め込めると思ったんだけどなあ……ナギサとは違う方向で、一筋縄では行かない相手だ。まさにトリックスターって感じ。
・アズサは転校生。元はアリウス分校の生徒。アリウス……ああ、オタクだから知ってるよ。ニカイア公会議で異端に認定されたキリスト教の分派。そして、この公会議を経て、三位一体が後にローマ・カトリック教会の教義として確立される。「三」——まさしく、三校の和解によって創設されたトリニティ総合学園に立ちはだかる敵として、アリウスはふさわしい学校名だ。設定凝ってるなあオイ!! 最高だよ!!(早口)
・なぜミカは裏切り者の正体を、こうもあっさりと告げるのか。生徒を守るため尽力する先生に、生徒を始末しろと命じるためなのか? その理由が明かされる——
!?!?!?!?
ええっ!?
ここで終わりですか!?
完走した感想
・シリアスとギャグの寒暖差で風邪引くわ。……いや本当に引いてたけど。
・ハナコは裏切り者を探す時間稼ぎのために、わざと補習授業を長引かせていた。コハルも似たような目的で動いていた。って感じかな。トリニティ総合学園はそうして裏切り者を追い詰めていたが……ミカはそれに反して、アズサを守るために行動している。その理由は? アリウス分校はなぜ条約の阻止を目論む? 様々な生徒達の思惑や謎が見え始めたところで次章へ。いやはや、相変わらず引きがお見事。対策委員会編や時計じかけの〜編とは違い、まだ布石をばら撒いている段階で、派手な見せ場はないので、ここからどうなっていくのか非常に楽しみです。これからゲヘナ学園の生徒も登場するだろうしな。ああ、そういえば——
・11話でアズサが唱えていた「vanitas vanitatum(全ては虚しい)」はこれが元ネタかな。一見すると厭世的でネガティブな言葉ですが実は……まあ後にストーリー上で深掘りがあると思うので、その時に話しましょうか。"エデン"条約なだけあって聖書モチーフの用語が多そうですね。物語を深く読み解くためにもアンテナ張っておきたい。神話学オタクの血が騒ぐぜ。
・いずれにせよ、物語で暗示されているのは、楽園とは証明が不可能であるということ。2章のタイトルもそのまんま「不可能な証明」だ。そんな楽園を目指すことは、さながら蜃気楼で映し出された虚像を追い求めるようなもの。その行為に何の意味があるというのか? ……そうだな、先生から言えることは——それでも人は、自分の良心を信じて、小さな一歩を踏み出す。それしかできないからだ。彼女達の小さな「選択」の数々の果てに待ち受けるものは何か。物語はまだ序盤。最後までしっかりと見届ける所存です。
・……今度はちゃんと健康な状態で読みたいですね。まだ寒い日が続きますので、皆様もご自愛ください。それではまたどこかで。
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